燃えよデブゴン TOKYO MISSION
初詣ついでに元日に映画を見るなんてことは母親が足腰をいためて引退するまでは何度かやったことはあるが、その後は元日が仕事になることも多かったため、やらなくてなってしまった。
しかし、久々に大晦日から三が日にかけての4日間全てが休みとなった2016年の年末から2017年の年始にかけてのシーズンから、元日に気持ちと時間の余裕ができたので、元日に映画始めをしてみようという気がおきるようになってきた。まぁ、家にずっといると、母親が誰かとコソコソ電話しているのが聞こえるので、それを聞いているとイライラするので、それから逃げたいというのもあるかな。
ちなみにここ最近の元日に映画始めした作品は以下の通り。
2017年「バイオハザード:ザ・ファイナル」
2018年「オール・アイズ・オン・ミー」
2019年「映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS」
2020年「劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X」
大晦日は大抵、紅白を終わりまで(何かしながらだけれど)見ているので、寝るのは日付けが変わってから=新年を迎えてからとなる。
そして、元日の朝は人出の少ない時間帯に家族代表として、浅草寺に初詣に行き、開運厄除を買ってくるのが慣習となっている。
だから、睡眠不足でも見られるような内容の作品を選ぶことが多い。2パックの伝記映画「オール・アイズ・オン・ミー」はそうではないけれどね。
勿論、基本は前の年の年末に公開された作品で年内に見られなかった作品の中からピックアップする形で鑑賞作品を決めている。
ところが、今年は非常に珍しい元日公開作品がある。ミニシアター系では、元日とか2日が初日の作品もあったりするけれど、中規模以上の全国公開作品では滅多にない。理由は簡単。年末年始にかけて、テレビや雑誌でプロモーションできないから。でも、今年は元日が金曜日、2日が土曜日と、通常、新作が封切られる曜日と重なったので、元日公開の全国公開作品が登場することになったようだ。
というわけで、縁起の良い元日公開作品の中から映画始めの1本として選んだのは「燃えよデブゴン」。
「デブゴン」といえば、日本ではサモ・ハンが出ているというだけで全く関係のないものが勝手にシリーズ化されてしまった一連の作品を思い浮かべる人が多いと思う。
中には、劇場公開時には全く関係ない作品として紹介されていたのにテレビ放送時などに勝手に「デブゴン」シリーズの1本にされた作品もあったほどだった。
まぁ、ジャッキーの「モンキー」シリーズとか、セガールの「沈黙」シリーズみたいなものかな。
「モンキー」シリーズの“第1弾”として公開された「ドランクモンキー酔拳」の続編は何故か、ただの「酔拳2」として公開されたし、「沈黙」シリーズの“第1弾”である「沈黙の戦艦」の唯一の正式な続編である「暴走特急」には何故か「沈黙」がついていないという意味不明なところもあるが。
それはさておき、このドニー兄さん版「デブゴン」は90年代くらいまでのベタな香港映画(まぁ、本作は中国映画扱いだが)が戻ってきたって感じで個人的には楽しめた。
勿論、「Enter The Fat Dragon」の英題通り、ブルース・リー師父へのリスペクトも感じる作品になっている。
ただ、ドニー兄さんはデブじゃないだろって感じだし、特殊メイクをしても、デブというよりかは、ちょっとメタボくらいにしか見えないのは問題かもしれないが。
それにしても、日本の警察がヤクザと結託しているとか、築地市場(豊洲ではなく築地が舞台なのは、海外では築地の方が知名度が高いからか?)では薬物取引が頻繁に行われているとか、日本人は面子のことしか気にしないとか、そんな日本批判ネタが次々と出てくるのには驚いた。
監督は香港が活動拠点とはいえ、日本人だから、そこまで日本社会を批判する要素が出てくるとは思わなかった。
ネトウヨが本作を見たら、“中共による反日プロパガンダ映画”と言い出すのではないかと心配してしまう。
あと、冒頭に“実際の東京タワーでは撮影していない。セット撮影やCGだ”と注意書きが出てくるが、もしかすると、なかなか日本公開が決まらなかった原因ってコレなのか?東京タワー側からクレームでもあったのか?
まぁ、カンフー映画を含む香港アクション映画。特にコミカルな作品には欠かせない、その辺のものを使ったアクションもたっぷり見られるので、70〜90年代のコミカルなカンフー映画、香港製アクション映画好きなら満足できる作品だとは思う。