2分の1の魔法
やっと日本公開されたピクサー作品「2分の1の魔法」を鑑賞。ハリウッドのメジャー系の作品を見るの久しぶりだな…。韓国映画を除くと洋画の鑑賞って実に19本ぶりだし…。
ハリウッドは新作公開に慎重すぎるほど慎重だし、日本映画界は全然、緊張感がなくハリウッドの居ぬ間に稼ぎまくろうという感じで、元々、この時期に公開予定だった作品、緊張事態宣言で公開延期になっていた作品問わず、次から次へと新作を投入しているから、見る作品も最近、邦画ばかりになっているし…。
それはさておき、やっと日本公開されたこの作品、まぁ、ピクサー作品最低レベルと呼ばれても仕方ないかなという出来だった。米国ではコロナで騒がれ出した時期にギリギリで公開されたので、興行的に物足りない成績になってもコロナのせいと逃げることができたけれど、ぶっちゃけ、興収が振るわなかったのは出来のせいというのもあると思うな。
日本では、スキマスイッチの遥か昔の曲「全力少年」を吹き替え版主題歌に起用して話題集めしようとしているのは、そうでもしないとヒットしないと思ったからなんだろうなと思った。通常、日本版主題歌というのは大嫌いだが、というか、オリジナルのスタッフ・キャストに対する冒涜だと思うが、本作に関しては同情する部分もあったかな…。
ところで、作品の出来に関して、ピクサーとしては最低レベルと言ったけれど、つまらなくはないんだよね。というか、笑えるし、感動もできる。でも、見ていてかったるく感じるというか、テンポが悪いというか、夜勤明けで見たら睡魔に襲われそうみたいな感じを抱くんだよね。それって、ドリームワークスのアニメーション映画を見た時によく感じることなんだけれどね。キャラや舞台の設定、ストーリー展開なんかもディズニー本体やピクサーの作品よりも、ドリームワークス作品に近いしね。
あと、いつものピクサー作品だとエンド・クレジットにスタッフの子どもというか赤ちゃんのリストが結構な量で流れるんだけれど、今回はそんなにいないんだよね。スタッフ構成も違うんだろうね。
やっぱり、ピクサーって、ジョン・ラセターがセクハラ騒動でいなくなったことによって、作品の質が下がってしまったのかなという気がするな。
よく考えたら、ディズニー・ピクサーを排除された後も去年の「トイ・ストーリー4」までは少なくとも途中までは彼の指揮下で作られていた作品だったが、今回は完全に彼のクレジットがない作品だからな。やっぱり、ジョン・ラセターって偉大だったんだな…。ラセター色がなくなった本作はよくある米国アニメーション映画って感じになってしまっているからな…。
勿論、セクハラは良くないんだけれど、ラセターをディズニー・ピクサーから排除してしまったのは映画界にとって損失だったのではないかという気もする。