スクールアイドルミュージカル 12月10日(土)17:00
「ラブライブ!」というプロジェクトは本当、迷走していると思う。
無印の「ラブライブ!」はテレビシリーズ計2期と劇場版で完結した。担当声優によるリアル世界での声優アイドルユニットμ'sもファイナルライブを2016年に開催して以降は限定的な活動にとどまっている。
続く「サンシャイン!!」もやはり、テレビシリーズ計2期と劇場版で完結した。これが「ラブライブ!」シリーズの基本フォーマットなんだろうなと思っていた。ところが、「幻日のヨハネ」というスピンオフアニメが作られることになってしまった。
また、担当声優によるユニットAqoursは劇場版で一旦完結したあともファイナルライブなどは開催せず、以後もずっと活動を続けている。
一応シリーズ第3弾となる「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」は、テレビシリーズ計2期が放送されたので次は劇場版で完結かなと思ったら、まさかのスピンオフショートアニメが作られると発表され、さらに、劇場版ではなくOVAが劇場でイベント上映されるということも明らかになった。まぁ、テレビシリーズ2期でメンバーを増やすという、「ラブライブ!」や「サンシャイン!!」でもやっていなかったことを実施したのだから、そう簡単にコンテンツをたたむ気はないんだろうなとは思ったかな。
担当声優のリアル世界での活動も続くようだ。ただ、せつ菜役の楠木ともりが体調不良を理由に降板するという「ラブライブ!」シリーズ初の担当声優の変更も行われることになってしまったが…。
第4のシリーズ「スーパースター!!」もテレビシリーズ計2期の放送を終えたが、これも次は劇場版で完結というパターンにはなっていない。というか、シリーズ初の正式なテレビ版3期制作が初めて発表された。
また、「スパスタ」は「ニジガク」同様、2期でメンバーが増員されたが、こちらはさらに3期でも増員することも明らかにされている。
メンバーを増やさないと、旧来のファンのみでの応援には限界があり、というか、こういう人たちが他界してしまうので、話題性を持続させるためには新規ファンをつけたり、旧来のファンを復帰させたり、兼任オタにさせたりできる新メンバーが必要ってことなんだろうね。
まぁ、秋元康系アイドルとかハロプロでおなじみの、メンバーは入れ替わってもグループは存続していくというやり方をアイドルアニメ業界の老舗である「ラブライブ!」も導入することにしたって感じかな。
そんなわけで、「スパスタ」の中の人たちによる声優ユニットLiella!(こちらは珍しく作中と同じ名称)も活動を続けている。というか、シリーズ初のNHK作品ということもあり、テレビ番組への出演はこれまでのどのユニットよりも多いようにも見える。
やっぱり、TOKYO MXを中心にしたローカル局やBS局での放送だとアニオタ以外にはなかなか広がらないが、NHKコンテンツになればそうではないということなんだろうね…。
これらに続く「ラブライブ!」プロジェクトとして、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブというバーチャル企画が動き出しているが、これのアプリのリリースを前に先に世に出てしまったのが、後から発表された舞台ミュージカル版だ。
それが本公演「スクールアイドルミュージカル」となる。まぁ、このロゴデザインを見たら多くの人はディズニーの「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのパクリだって言いたくなるよね。
アニオタはディズニー作品を今のようなポリコレ三昧になる前から毛嫌いしていたし、そもそも、洋画や海外ドラマ、それどころか国産も含めた実写作品をほとんど見ないから指摘されないかも知れないが…。
というか、アニオタの中にはいまだにディズニーの「ライオン・キング」を「ジャングル大帝」のパクリと言っている連中がいるけれど、「ラブライブ!」による「ハイスクール・ミュージカル」のパクリは批判しないんだから、本当、アニオタってダブルスタンダードが過ぎるよね。
好きなものは全肯定、嫌いなものは全否定って、ネトウヨそのものだ。嫌韓のくせに、何故、統一教会に言いなりの自民党を支持できるのか意味不明だしね。まぁ、アニオタにはネトウヨが多いから、そういうダブルスタンダードな奴が多くても不思議ではないが。
作品自体について語っておこう。
AKB48グループなどアイドル系舞台でおなじみとなっているカーテンコールを兼ねたミニライブコーナーが本編終了後についているのは、やはり、AKBの浅井七海、佐藤美波など現役アイドルや元アイドルが多数出演していたり、AKBやイノコイジョイの衣装を手掛けているオサレカンパニーが参加していたりすることからも、アニオタのみならず、ドルオタも巻き込もうとしている作品であることは間違いないと思う。
まぁ、このカーテンコールの挨拶をあくまでキャラクターとしてしていたのは面白かったけれどね。
そして、このカーテンコールを含めても上演時間は2時間5分しかないのに、途中で20分もの休憩が入っていたことに驚いた。
まぁ、演劇・ミュージカル経験のない出演者も多いし、ライブパートの身体的疲労も考えれば休息も必要ってことなのかな?
実際、セットの入れ替わりの音が目立つシーンもあったということは、演者の声量が足りない面もあるということだから、そういう演劇・ミュージカル初心者に向けた配慮として休憩を設けるのは良いことなのかも知れない。
ストーリー自体は王道のアイドルアニメという感じだった。
ライバル校2校の関係を描いた作品と最初に聞いた時には、それで、ラブライブ的展開が成立するのかと思ったりもした。
でも、この2校がどちらも存続の危機に陥り、最終的には統合するというのは、いかにもラブライブ的だと思った。廃校の危機とか廃部の危機というのはラブライブに欠かせない要素だしね。
そして、最初は片方の学校が新設した部活がスクールアイドル部とかスクールアイドル同好会でなくアイドル部と名乗っているのは何故と思ったりもした。タイトルがスクールアイドルミュージカルなのにねと。なので、もしかすると、これはスクールアイドルという概念がない、これまでのシリーズとは異なるパラレルワールドでの話なのか?それとも、ラブライブゼロ的なスクールアイドルの概念が初めて誕生した時の話なのかと思ったりもした。でも、それは杞憂に終わった。
終盤にはきちんと、スクールアイドルという言葉が出てきたからだ。
ライバル校2校がきちんと学校を背負って立つ意識を持つようになるまではスクールアイドルなんて名乗る資格はないというメッセージなのかな?
それぞれの理事長同士が昔から因縁がある関係というのも面白いよね。しかも、予想通りのベタベタな展開で最後はこの2人が手を組むというのもグッとくるしね。
ただ、高校の理事長なのに自分のところの生徒を学生と呼んだりするのはダメでしょ!
現実世界でも生徒や保護者は児童・生徒・学生の違いが分かっていない人が多いが、それは、きちんと学校で教えていないから仕方ないとは思う。
でも、教育者側の人間が誤用するのはダメだよね。というか、学生と言ったり、生徒と言ったり、統一もされていない。脚本を書いた人間が分かっていない証拠。映画・ドラマ・アニメ・舞台などの脚本を書く人、小説家、漫画家、そういった人たちの99%が間違った使い方をしている。そういう一般常識がない人が映画やドラマ、アニメ、舞台、小説、漫画を手掛けているから、日本のエンタメ作品ってリアリティがないんだよね。
それから、テレビシリーズなら1クールでやるような内容を無理矢理2時間程度の舞台にしているせいか、普通の台詞でいいような内容のものまでミュージカルナンバーになっているのはどうなんだろうかとは思った。曲調もありきたりなものだったしね。まぁ、舞台慣れしていないキャストで台詞もきちんとある内容にすると傾向時間が足りないってことなのかな。歌にしてしまえば、現役アイドルや元アイドル中心のキャスティングだから何とかなるって思ったんだろうね。
まぁ、それなりに笑えたし、終盤は感動できたし、単なる説明台詞扱いでない劇中アイドルのパフォーマンス用の楽曲は良曲揃いだから見終えた時の満足度は結構高いけれどね。テーマ曲のCDを買ってしまったくらいだし。
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