劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク
プロセカの存在を知ったのは、ゲーム好き・ボカロ好きの夜職の嬢の影響だ(会うのは大抵夕方だけれど)。もう3年数ヵ月以上前のことだが、お互いの趣味とかを手探りしてリサーチしているうちに彼女がこのゲームが好きだということが判明した。今度会った時の話のネタにしようと思い、試しにダウンロードしてみたが、容量は食うし、プレイする時間もないし、といった感じでほとんど手付かず状態だったが、関連CDはたまに買っていたりした。そのうち、彼女がこのゲームの話をほとんどしなくなったので、自分も気付いたらアンインストールしてしまっていたが…。
そんなどうでもいいエピソードを持つコンテンツがアニメ映画化された。
てっきり、イベント上映的な尺の作品だと思っていたが、上映時間はKINENOTEによると105分もあるらしい。それに冒頭と本編終了後には週替わりのオマケ映像(アニメだけれどライブ・パフォーマンス映像も含む)がついてくるので実際は2時間以上の上映時間があった。
そして、アニメというかバーチャルキャラのはずの初音ミクの舞台挨拶映像までついていて驚いた。といっても、ずっと広い画のままでミクの顔がアップになることがなかったのはなんだかなと思った。実際に映画館で生の舞台挨拶を見れば、観客の視点の演者のサイズというのは当たり前だけれどずっと変わらない。舞台挨拶中に立ったり移動したりはできないので。
でも、そんなのをリアルに再現して何が面白いんだかと思う。ライブ・アクション(実写)作品の舞台挨拶のライブビューイングが実施劇場以外で行われる場合は演者のアップも映るし、複数のカメラが設置されていればスイッチングもされて色々な映像を見ることができる。最初は広い画でもミクが話し出したらアップにするのがファンサービスというものでは?
というか、舞台挨拶風映像だけでなくライブ・パフォーマンス映像でもそれをやっていたので呆れてしまった。
本編自体は感動的なシーンはあったけれど、果たして、こんな内容で良かったのだろうかとも思った。
何かにつけて、“頑張って!”のメッセージを伝えようとするミクがうざがられてしまい、自分の歌を誰も聞いてくれないといじけたミクがセカイを破壊する話だ。実質悪役だ。
初の初音ミク映画なのにこれでいいのだろうか?
それから、プロセカに登場する5ユニット全てにそれなりの活躍の場を与えるために個々のユニットの存在が薄くなっているのも事実。
「BanG Dream!」関連の劇場版のように、今回はこのグループがメインですというのを明確に提示した方が良かったのではないかと思う。
あと、テンポが悪いから長く感じる。初の初音ミク映画は興行的にはどうかは知らないが、質の面では失敗作と言わざるを得ないと思う。