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生涯ワースト映画「君たちはどう生きるか」

本作の公開にあたり、事前情報がほとんどシャットアウトされていたことをスラダン商法などと言う人がいるが(というか、ジブリが言い出しっぺだ)、それは違うと思う。

「THE FIRST SLAM DNK」については、確かに過去のアニメ化作品とはガラリとキャストを変えたことを発表したのは劇場公開が直前に迫ってからだったが、特報(第一報的な予告編)はそれよりもだいぶ前から流されていて、どうやらCGによる作画になるらしいというのは明らかにされていた。

そもそも、原作コミックや過去のアニメ化作品があるのだから、作画方法を変えようと、キャストを変えようと、世界観は認知されている。また、タイトルに“FIRST”という文言が入っているのだから、過去にアニメ化された初期エピソードのリメイク的なもののか、それとも、エピソードゼロ的なものだろうという想像は簡単につく(実際はその両方の要素を含む内容だった)。

でも、本作は同名の吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」からタイトルは取られているが、原作ではないとアナウンスされている。というか、公開前日までに発表された情報は、それを除くと、アイルランドの児童文学にも影響を受けているらしいこと(確かにアイリッシュトラッドっぽい音も作中で聞こえた)、謎の鳥のようなキャラが写っているポスター画像が公開されたことなどごくわずかだ。

こうした情報統制作戦が全てダメだとは言わない。でも、大抵の場合、マスコミ向け、一般向けを問わず試写会を開催しない作品は、完成が遅れているものを除けば、ほぼ100%酷評されることを恐れたシャットアウトだと言っていいと思う。

しかも、本作は予告編やテレビCMも作られなかった。それどころか、劇場でチラシの配布もされなかった。だから、テレビや雑誌などでの紹介もできなかった。

それは、普通の試写会を開催しないパターンの作品以上に酷評されることを恐れていたのだと思う。

実際に作品を見てそうに違いないと思った。

これは酷いよ。

こんなに退屈な映画は滅多にない。映画を見ていて、あまりのつまらなさにあくびが出ることは時々あるけれど(というか、制作環境の変化の影響なのかコロナ禍になってからの作品にあくびが出るものが増えた)、200回くらいあくびがでた作品ってこれが初めてだ。上映時間は2時間4分だから、30〜40秒ごとにあくびが出ているってことかな?

別に難解な話で理解できないからつまらないと思うわけではない。

よく、ある映画を見た感想として、“つまらない”と言うと、“それは、お前が無知だからだ(=作中で描かれている背景を知らない)”とか、“映画を見るセンスがないからだ”みたいなことを言って攻撃してくる連中がいるが、年間100本以上、映画館で見ていて、きちんと新聞を読んでいる人なら、ほとんどの映画で描かれている内容は理解できているんだよね。

その上でつまらない、退屈だと言っているんだよ。それは、アカデミー作品賞を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」も、庵野秀明の“シン”シリーズ最新作の「シン・仮面ライダー」もそう。

でも、こうした〇〇賞受賞作品とか、巨匠の新作だと、こうした攻撃をしてくる連中のせいで、つまらないものを素直につまらないと言えなくなっているんだよね。本作もそうなりそうだ。

というか、“エブエブ”や“シン・仮面”だって、あくびは10回も出なかったぞ!つまり、200回も出た本作は自分が見た全ての映画でもワースト1位になるくらい、クソつまらない作品ということだ。今までの生涯ワーストは「残酷を超えた驚愕ドキュメント・カランバ」だったが、更新されてしまったかも。

年齢と作品発表のスパンを考えると、これがパヤオの遺作になる可能性が大だけれど、これが最後でいいのか?

クリント・イーストウッドのように90代になってもレベルの高い作品を撮っている監督もいるが、大抵の巨匠は年を取ると、テンポも悪く、思想面でも支離滅裂な作品が増えてくるんだよね。
黒澤明だって、最後の3本は出来が悪かったしね。というか、この「君生き」は黒澤で言うところの「八月の狂詩曲」みたいなクソ映画って感じかな。どちらも、第二次世界大戦を題材にした作品だしね。

そして、本作について壊滅的にダメだと言わざるを得ない要素がジブリの売りであったはずの作画がイマイチだったということだ。
背景の草木やモブキャラがほとんど動いていないんだよね。ジブリはスタッフをリストラしたせいで、きちんと作画できなくなっているのでは?

あと、高畑勲のように、パヤオにダメ出しできる人間がいなくなったのも大きいね。プロデューサーの鈴木敏夫にそれはできないからね。

普段は本業でない人が声優をやると、ブーブー豚のように文句を言う声豚やアニオタに対して、“うるせぇな!黙れ!だったら、お前ら声優が歌うのも批判しろよ!ダブスタなんだよ!”って思うが、本作に関しては批判されるのも当然という気がする。木村拓哉は相変わらず木村拓哉役を演じているしね。

あと、どうでもいいことだが、いつから、宮﨑駿表記になったんだ?何か老害思想が高まり、表記にこだわりだしたって感じなのかな?

本作を見た後だと、「レッドタートル」や「アーヤと魔女」が名作に思えてくるって感じかな?

とりあえず、“君たちはどういけるか”みたいなキャッチコピーを出す風俗店が出てきそうだよねとは思った。

《追記》
よく考えたら、パヤオ映画で睡魔に襲われるのは今回が初めてではなかった。

「風の谷のナウシカ」はテレビ放送のたびに後半でオチてしまい、通算で4度目か5度目のチャレンジでやっと最後まで見られたんだよね。

「紅の豚」は夜勤明けで見に行き途中でオチてしまった。当時は定員入れ替え制でなかったから、次の回もそのまま居座り、そこできちんと見直したが。

ヤフーとかツイッターを見ていると、本作を見て睡魔に襲われた人多いみたいだね。

余程の人でない限り、あの作品が言いたいことを全く理解できない人はいない。というか分かりやすいと思う。
なのに、信者がつまらないと言った人を無知とか言ってくるのは腹立つよね。作画、編集、演技指導を含めた演出能力が低下していてテンポが悪いんだよ。

こっちはパヤオのこれまでの全長編のDVDを持っているくらいのアンチ?なんだからパヤオのやり方は分かっているしね。

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