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パラサイト 半地下の家族
今年の映画納めは韓国映画「パラサイト 半地下の家族」になった。
何気に大晦日に映画館で映画を見るのは好きなんだよな。
この10年間だと、6回くらいかな?大晦日に映画館で見たのは。
そして、普通は大晦日の映画館はガラガラなのに、本作は先行上映ということもあり結構入っていた。それにしても、特別上映用特典映像の字幕おかしくないか?言語でストーリーと言っているのを物語と訳し、その一方でシークエンスなんて言葉はカタカナでそのまま出している。というか、本編の字幕もなんかぎこちなかったな。
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。
米国の賞レースで続々と受賞・ノミネート。
ネタバレ厳禁映画。
そういう情報が続々と出てきて期待値が高まってしまっていたので、正直物足りなく感じた。でも、2019年度の作品として、何年か後にも語られる作品ではあると思った。
まぁ、一言で言えば、テーマは「ジョーカー」と同じ上級国民批判で、今のG20にくくられる国ならどこでも起こりうる話って感じかな。
一つ確かなことは、米国の賞レースで「ジョーカー」が過小評価状態で、この「パラサイト」が若干、過大評価気味になっているのは、別に韓国人の捏造とかゴリ推しとかいうネトウヨ的思想で語られるものではないということかな。
「ジョーカー」の主人公はプア・ホワイトとか、ホワイト・トラッシュと呼ばれる貧しい白人。この層は、共和党支持者が多い。
逆に米国のエンタメ界はリベラル思想の人間が多い。だから、トランプのオッさんが当選した2016年11月以降の米国エンタメ系賞レースは、トランプ批判に結びつくような作品ばかり評価するようになった。そして、トランプ当選以降のクリント・イーストウッド監督作品は賞レースでは無視状態になってしまった。映画自体は左翼的なのに、イーストウッドが共和党支持者だから無視しているのがミエミエ。
そういう流れで、プア・ホワイトが上級国民に反撃する「ジョーカー」は、リベラル批判=トランプ賛美とされてしまったんだろうなと思う。実際、リベラル層って日本でも米国でもそうだが無知な金持ちが多いからね。
でも、「パラサイト」はアジアの話だから、素直に格差社会の話として評価できたって感じなんだろうな。
まぁ、環境保護思想の人たちが日米欧は批判しても、発展途上国の出す公害には寛容的なのと似ているのかな。要は上から目線であわれんでいるって感じ。
そんな話はさておき、「パラサイト」は出てくる風景が日本と似ているし、時代設定も現代だし、アメコミとも関係ないから、日本の観客から見れば、「ジョーカー」よりもリアリティのある映画には感じられると思う。
とりあえず、アカデミー作品賞ノミネートの可能性はあるかも。韓国政府は嫌いだし、韓国人も信用できない部分はあるが、エンタメに関しては完全に日本をこえたよな…。
日本映画が今まで一度も経験したことがないメインの方の作品賞ノミネートの可能性があるよな、この作品は。社会性とエンタメのバランスがうまい。日本映画はそういうのが本当、下手だからな…。
というか、アジア映画自体、これまで作品賞にノミネートされたのって、一応台湾映画とされている「グリーン・デスティニー」だけだったからな…。あれは、ハリウッド資本だし、主演のチョウ・ユンファは既に何本かハリウッド映画に出ていたし、共演のミシェル・ヨーも「007」に出ていたからな…。しかも、アン・リー監督は台湾人と言っても、NY大学映画学科出身で(同じ頃にはスパイク・リーもいた)、活動の拠点も米国だからアジアの映画人ってイメージはないしね。
そう考えると、この「パラサイト」がアカデミー作品賞にノミネートされたらアジア映画初の快挙と言ってもいいんだよな。
どうでもいいが、半地下家族の方も上級国民家族の方も、娘役が可愛い!
あと、クレジットが英語表記だったが、日本公開はインターナショナル・バージョンとかそういう感じのやつなのか?それとも、韓国でもそうなのか?