ヴェノム:ザ・ラストダンス
タイトルからも分かるけれど本作はシリーズ完結編ということになっている。もっとも、最近のアメコミ原作映画は原作がマーベルだろうとDCだろうとと、配給会社がディズニーだろうと、ワーナーだろうと、ソニーだろうと、マルチバースものが乱発されているし、本作の中でもネタにされていたので、単体作品かゲスト出演か、トム・ハーディ主演か別の俳優によるリブートかはさておき、何らかの形で復活する可能性はゼロではないと思うが。
ただ、一応の完結編ということもあって、感動的なクライマックス、ラストシーンは用意されている。もっとも、終盤にはヴェノムと同種の地球外生命体シンビオートが何人も出てきたので、ヴェノム以外のシンビオートをメインにしたスピンオフはいくらでも作れそうだが…。
そして、ヴェノムの毒というか残忍な部分は回を重ねるごとにどんどん薄れていて、本作では限りなくダークのつかない普通のヒーローに近い存在になっていたように見えた。
でも、前作よりは面白かったと思う。ソニーによる「スパイダーマン」シリーズのスピンオフ的作品で構成されている「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」の作品は、「ヴェノム」シリーズ以外の作品がなかなか、興行面でも批評面でもパッとしないし、同ユニバースの次回作「クレイヴン・ザ・ハンター」も予告編を見る限りではつまらなさそうだし、「ヴェノム」は何らかの形で簡単に復活しそうな気がする。
ところで、シリーズ完結編なのに前2作で主題歌を担当していたエミネムが参加していないのは何故?それから、エンド・タイトル&エンド・クレジットが長い!スコア曲含めて7曲も流れたぞ!ポスト・マローンのヒット曲を流すなら、既発表曲でもいいから、エミネムの楽曲を流して欲しかった…。
まぁ、アバの“ダンシング・クイーン”をハイパーなリミックス・バージョンでかけたり、ラストの感動的な振り返りの場面でマルーン5“メモリーズ”を使ったり、キャストが“スペース・オディティ”を合唱したりと、音楽の使い方自体は良かったけれどね。
ところで、最近の邦題表記って、メインタイトルとサブタイトルの間の“:”を全角表記するのが多いが、個人的には違和感あるんだよね…。
“:”などの記号にしろ、ローマ数字とかアルファベットにしろ、欧米由来の文字や数字、記号は勿論、こうしたものの間のスペースも全角ではなく半角の方が自然だと思うんだけれどね…。使っているPCやスマホによっては半角だとうまく表示されないからなんだろうが、やっぱり違和感あるな…。