
劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編 Paladin; Agateram
越境してTOHOシネマズ市川コルトンプラザで鑑賞してしまった。
墨田区内の自宅からだと、TOHOシネマズ日本橋(最寄り駅は三越前)に行っても、TOHOシネマズ市川コルトンプラザ(同・鬼越)に行っても、乗り換えとか待ち合わせの時間を除いた電車に乗っている時間って、どちらもほとんど同じ約20分なんだよね。
しかも、土日祝日というのは東武と東京メトロの直通列車の接続が悪いから、ドア・トゥ・ドアでいえば、圧倒的にTOHOシネマズ市川コルトンプラザに行く方が時間がかからない。
余談だが、このシネコンの最寄り駅である鬼越駅って、とてもではないが、ここから歩いて6分くらいでTOHOシネマズに着ける駅には見えないよね…。
都内ではミニシアター以外の映画館が休業しているんだから、越境して見に行ってしまうよねって思う。
23区、特に都心から下町方面の住民って簡単に他県へ移動できるんだよね。
だから、都内のシネコンだけ休業なんて意味がない。
おそらく、自分と同じ考えの者も多かったのだろうと思うが、結構、混んでいたしね。
しかも、都内ではまだ初日を迎えていないアニメ映画なんかを上映したら、そりゃ、越境して見に行くよねって思う。
まぁ、配給会社の方は、都民が隣接する埼玉・千葉・神奈川の劇場へ出かけさせないこと、つまり、人流を抑えることに協力しているというアピールをするために、来場者特典の配布を都内で上映開始となるまでは延期すると発表したけれど、作品そのものが見たい人は越境するよねって思う。
というか、それって、作品目当てではなく、特典目当ての観客が多いって、配給側が認めているようなものだけれどいいのかな?
まぁ、前編が興行成績的にも、ファンの声的にも不評だったから、今回の後編に期待している人も少ない。東京や大阪の感染状況が収まるまで待って、万全の態勢で公開しても大した成績は上げられないのは目に見えているから、とっとと東京や大阪を無視して公開してしまおうということなんだろうけれどね。
実際に本作を見た感想としては、現時点での今年のワースト映画候補と言いたくなるほど退屈な作品だった。延々とバトルが続き、時々、イケメンキャラがカッコいい台詞を言ったりするだけで、全然内容がなかった。
でも、男のアニオタってのはストーリーよりもアクション・シーン重視の連中が多いし、腐女子というのは元々、作品にヤマ・オチ・イミを求めていない人たちだから、人気声優がカッコいい台詞を放てば、それだけで満足しちゃうんだよね。だから、ネットの声では前編よりも好意的なものとなっているようだ。個人的にはクソだったが…。
本作の方が「シン・エヴァンゲリオン」より上映時間が約1時間短いけれど、体感的には本作の方が「シン・エヴァンゲリオン」の倍以上の上映時間に感じたかな…。
本当、自分はアニメでも実写でもアクション・シーンが延々と続く作品って苦手なんだよね。「トランスフォーマー」1作目を除く2000年代以降のマイケル・ベイ監督作品が退屈に感じるのも、それが理由。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」だって、そんなに絶賛する作品ではないと思っているのもそれが理由だし、絶賛されている「ガールズ&パンツァー最終章」の最新話を見て退屈に感じたのも同じ理由。
多分、集中力がないから、同じような場面が続くのがダメなんだよね。
アクションに限らず、長丁場の台詞の応酬みたいなシーンも苦手だしね。
それはさておき、マモが歌う主題歌の作詞って、前編の主題歌を歌っていた坂本真綾が担当していたんだね。これは良い曲だと思うな。
ところで、本作は元々は5月8日公開予定だったが、4月25日に東京など4都府県に緊急事態宣言が発令されることになり、当初の予定では5月12日に緊急事態が解除されることになっていたので、5月15日公開に変更された。そして、その後、緊急事態が31日まで延長されることになり、対象地域も増えたが、東京と大阪以外ではシネコンが営業しているということで、再延期することなく15日公開という形になった。
今回の緊急事態における映画の公開の仕方については以下のようなパターンがある。
①緊急事態宣言が発令される4月25日より前の公開だが、東京など主要市場で数日間しか上映されないのでは好成績が期待できないとして時期未定で公開延期した作品
⇨例:「クレしん」
②当初予定されていた緊急事態宣言の期間中(4月25日〜5月11日)に初日を迎えた作品だが、東京など映画館が営業していない地域を無視して、その他の地域では予定通り公開した作品
⇨例:「キラメイジャーVSリュウソウジャー」、「愛のコリーダ」、「プロジェクトV」、「ジェントルメン」
③当初予定されていた緊急事態宣言の期間中(4月25日〜5月11日)に初日を迎えた作品だが、都内の一部ミニシアターは小池の休業要請を無視して営業を続けているため、予定通り公開した作品
⇨例:「海辺の彼女たち」
④当初予定されていた緊急事態宣言の期間中(4月25日〜5月11日)に公開される予定だったが、東京など主要市場で上映されないのでは好成績が期待できないとして時期未定で公開延期した作品
⇨例:「アーヤと魔女」、「ヒノマルソウル」
⑤当初予定されていた緊急事態宣言の期間中(4月25日〜5月11日)に公開される予定だったが、東京など主要市場で上映されないのでは好成績が期待できないとして新たな公開日を当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月中に延期した作品
⇨例:「閃光のハサウェイ」、「ラブパト」(いずれも来週公開予定なので、一応ここにカテゴライズしておく)
⑥上記⑤の中で、緊急事態宣言が5月31日まで延長されたために、公開日を時期未定で再延期した作品
⇨例:「賭ケグルイ」
⑦上記⑤の中で、東京など映画館が営業していない地域を無視して、その他の地域では予定通り公開した作品
⇨例:「FGOキャメロット」(本作)
⑧上記⑤の中で、都内の一部ミニシアターは小池の休業要請を無視して営業を続けているため、予定通り公開した作品
⇨例:「くれなずめ」
⑨当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月公開予定作品で、東京など映画館が営業していない地域を無視して、その他の地域では予定通り公開する作品
⇨例:「いのちの停車場」、「地獄の花園」
⑩当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月公開予定作品だが、都内の一部ミニシアターは小池の休業要請を無視して営業を続けているため、予定通り公開する作品
⇨例:「ファーザー」、「ダーティ・ダンシング」
⑪当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月公開予定作品だったが、5月中の別日程に公開を延期した作品
⇨例:「アオラレ」
⑫当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月公開予定作品だったが、緊急事態宣言の延長発表を前に時期未定で公開延期した作品
⇨例:「ゴジラVSコング」
⑬当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月公開予定作品だったが、緊急事態宣言の延長により6月に公開を延期した作品
⇨例:「レヴュースタァライト」、「シドニアの騎士」、「クワイエット・プレイス」
⑭当初の緊急事態宣言解除予定日だった5月12日以降の5月公開予定作品だったが、緊急事態宣言の延長により時期未定で公開延期した作品
⇨例:「100日ワニ」
それ以外のパターンもあるかもしれないが、とりあえず、自分が気づいたパターンはこんな感じだ。
このうち、1、4、6、12、14以外は金銭的余裕がない自転車操業状態なのか、公開を焦っているように見える。おそらく、確実にヒットする見込みがないから、あるいは出来に自信がないから、とりあえず、劇場公開作品という箔付けだけとっとと済ませて、当初予定よりは少ないかもしれないが目先の金を手に入れようとしているのではないだろうか。
その一方で、1、4、6、12、14はヒットの可能性がある作品だから、きちんとプロモーションができる時期に公開し、きちんと集客したいという思いがあるのを感じる。
というか、この慎重派にカテゴライズされる作品で例としてあげた作品は「賭ケグルイ」以外は全部、東宝なんだよね…。
要は今の日本映画業界って、邦画・洋画、拡大系・ミニシアター系問わず、東宝以外は自転車操業ってことなのでは?
ハリウッド系でも、ワーナーは邦画作品「地獄の花園」の公開を急いでいるし、「るろ剣」は「クレしん」の当初予定と同じ緊急事態宣言発令2日前の公開日だったが、予定通り公開した。
それから、本作「FGOキャメロット」のアニプレックスはハリウッドのメジャー・スタジオのソニー・ピクチャーズとはグループなのに、東京を無視して公開に踏み切ったわけだしね。まぁ、それだけ本作はヒットが期待されていないってことなんだろうね。