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HKT48 LIVE TOUR 2022 ~Under the Spotlight~/よこすか芸術劇場 大劇場(昼公演)

フェスでも、メンバーのソロパフォーマンスでもない場でHKT48のライブを見るのは久しぶりだ。

フェスでは、去年のTOKYO IDOL FESTIVALで見ている。
ソロでは直近では今年1月に北九州映画「思い出を、ラブソングにのせて」の東京上映会で主題歌を歌う坂本愛玲菜、劇中歌を歌う秋吉優花、さらに主演の神志那結衣のソロパフォーマンスを見ている。
コンサート形式では、2020年1月に田中美久のソロコンサートを見ている。

でも、HKT自体のコンサートとなると、2019年4月の指原莉乃卒業コンサートまで遡らないとならない。
というか、これはあくまでもAKB48時代やユニットNot yetとしての活動も総括した指原莉乃のアイドル卒業コンサートであり、たまたま、卒業時点での所属がHKTだから、HKTメンバーとの絡みが多かっただけだという見方もできなくはない。

そう考えると、純粋なHKTのコンサートでは、彼女が卒業を発表した2018年12月のTDCホール公演が自分が見た直近のものということになってしまう。

ちなみに今回は指原莉乃卒業後の2019年夏から秋にかけて行なわれた九州7県ツアー以来のツアーだ。関東での公演もあるツアーとなると2018年の春のアリーナツアー以来となる。

自分がHKTのツアーを見るのは、この時のさいたまスーパーアリーナ公演以来だから、実に4年ぶりとなる。

2014年から18年までの5年間、毎年、HKTのツアーを見ていた(14年と15年は同一ツアー)自分が、これまでもの長い期間、HKTのツアーから離れていた理由はそもそも、HKTがツアーを行っていなかったからだ(関東を回るツアーはなおのこと)。

その要因としては人気メンバーの離脱がまず上げられるだろう。

2018年秋に宮脇咲良がIZ*ONEとして活動するためにHKTを離脱した(21年春に復帰後、一瞬だけHKTに復帰し、すぐに卒業)。

2019年にはプレーイングマネージャーとしてHKTの知名度アップに貢献した指原莉乃や、長期にわたって休業していたグループの顔だった兒玉遥も卒業した。

エース、リーダー、センターが立て続けに抜ければそりゃ、活動縮小せざるを得ないよねって感じだ。しかも、総選挙でトップ10入りを果たしたこともある矢吹奈子まで宮脇咲良と一緒にIZ*ONEの活動のために離脱しているわけだしね(現在は復帰)。

HKTは九州のグループでありながら、こうした総選挙上位ランカーのファンを中心に関東での人気が高かったから、そうした稼ぎ頭が抜ければそりゃ、全国ツアーなんて難しいよねという話になる。

だから、九州でのローカルアイドルとしての本来の活動に戻っていくのは当然といえば当然の成り行きでもあった。

また、2019年1月に発覚したNGT48メンバーへの“暴行事件”以降、AKBグループのイメージが悪化したが、その根本には運営のAKSがAKB48のみならず各地方の姉妹グループにも携わっていたことにより目が行き届かなかった面もあったと指摘されていた。

その結果、AKSは分社化され、HKTの運営はMercuryが担うことになった。
それに伴い、プレーイングマネージャーの指原莉乃とともに名物支配人としてHKTの広報活動に尽力した尾崎充もHKTの運営から去ることになった。
そして、この運営が変わった頃はちょうどコロナ禍に突入した時期でもあり、関東へ移動しての活動が制限されたことから、HKTはますます、ローカルでの活動に軸足を置くようになっていった。

おそらく、今回、久々に関東での公演を含むツアーをやろうとなったのは、なこみく人気のおかげだと思う。

さしさんが卒業し、さくらたんや奈子が離脱していた間のHKTを守っていたのは、みくりんだった。そして、今ではグラビアクイーンとして写真集も好セールスを記録し、多くの雑誌の表紙を飾るようになっている。
また、IZ*ONEのファンの中には、HKTに戻ってきてからの奈子を追っている人もいる。
つまり、なこみく目当てのファンが来てくれるというのが久々のツアー活動再開の背景にあるのではないだろうか。

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そんなわけで、久々にHKTのコンサートを見られる、しかもツアーで、そして、ツアー初日の会場が関東で、日程も行きやすい金曜日ということで、思わずチケットを購入してしまった。

でも、与えられたのはクソ席だった。

HKTの運営が変わって以降、HKTのモバイルサイトを通じて、HKTのコンサートや劇場公演のチケット購入もできなくなった。サイト自体も尾崎支配人が去ったことによりイベントリポートもアップされなくなってしまい、単なるスケジュール確認帳(しかも、HKT側が主催でないものは出ていないことも多い)になってしまった。

コロナ禍になってからは、HKT側が主催のコンサートはこれまで関東では開催されなかったので、モバイルサイトでない新しいシステムを通じてHKT関連のチケットを買うことはこれまで一切なかった。
だから、現在の運営からすれば、いくら、モバイルサイト時代に何度もチケットを購入していても、その情報は引き継がれず、自分は新規ファン扱いになってしまっているのだろう。

そして、人気上昇中とか、人気再燃をアピールしたい女性アイドルグループがよくやることだが、女子人気が高いというイメージを作るために、やたらと女性観客の当選率を高くしたり、やたらと女性にばかりに良席をあてがうということがあるが、おそらく、本公演でもそうした厳正でない抽選が行われたのではないだろうか。

男でも、若者優先とか、中高年でも女性や子ども同伴を優先とかあるしね。あるいは、ボッチ参戦は排除とか。HKTに限らず、アイドルの運営って、女子人気、若者人気、リア充人気アピールが好きだからね。結局、中高年ファンは冷遇されても金を出すからいけないんだよね。腹が立ったら出資しないという形で抗議すべきなんだろうね。

それにしても、久々のツアーの初日、しかも、久々の関東でのコンサートなのに、現在のHKTの顔であるみくりんが不在とはね。
体調不良とアナウンスされているが、最初に体調発表されてから結構経っているし、GWに開催されるイベントのメンバーにも入っていないし、心配で仕方ない。
コロナ感染なら隠す必要はないから、となると、メンタル的なものなのかな?グラドルとして人気上昇したけれど、多忙になり体が追いつかなくなってしまったのかな?それとも、大勢の前でヌード一歩手前の格好をすることを繰り返しているうちに精神をやられてしまったのだろうか…。

まぁ、アイドルグループ、特に曲ごとにセンターが変わるグループのライブの場合、メンバーが1人、2人欠席したくらいでは払い戻しされないのが普通だけれど、みくりんの場合は払い戻し対応してもいいんじゃないかなって気はするかな。
ロックバンドで言えば、リードボーカルやリードギターが不在みたいなものだと思うしね。

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ライブ自体の内容に関しては、色々と複雑な思いが去来した。

米国のバンド、シカゴに関する論評で日本では第一人者とされる人物は、デイヴィッド・フォスターと組むようになってからのシカゴをクソ扱いしがちで、ベスト盤にオリジナルの“長い夜”が収録されていないという理由で日本盤の収録内容を変更させてしまうようなとんでもない輩だけれど、今回のライブを見て、この人の気持ちがちょっとだけ分かった。

今見ているのはHKTのライブなんだけれど、何か違うんだよねという感覚かな。

コロナ禍の地上アイドルのライブでは発声禁止となっているし、本公演のようにスタンディング禁止となっているものもある(何故か本編最後の曲だけスタンディングOKだったが)。
HKTがライブモンスターと呼ばれていたのは、メンバーと観客によるコール&レスポンスによって盛り上がっていた部分も大きかったと思う。

でも、発声禁止、ましてやスタンディング禁止となると、そうした盛り上がりは期待できない。
そして、IZ*ONE経由で入ってきた若い女性ファンもいる。
HKTを取り巻く環境が変わった以上、以前のようなセトリは組めないということなんだと思う。

“メロンジュース”や“12秒”(♪テトラポッドに〜の部分を歌うのが奈子がいるのに奈子でなかったというのは衝撃的だった)、“最高かよ”、“桜、みんなで食べた”(生で聞いたの久しぶり!)というライブで盛り上がる定番曲をメドレー扱いにしたのもそういうことなんだろうと思う。

まぁ、さすがに定番曲全てを無視するわけにはいかないから、本編最後では“大人列車”、アンコール1曲目では“ロックだよ、人生は…”をやったけれどね。

全体的には良くも悪くも過渡期って感じだった。だから、“それは違うでしょ?”って思う演出も多かった。

例を列記すると以下のような感じかな。

●バンドによる伴奏をつけたアレンジで歌うのはいいが、そのバンドは会場で生演奏するのではなく映像出演というのがよく分からない。歌唱力のあるメンバーとして注目された豊永阿紀の見せ場を作りたい。でも、感染症対策を考慮してステージに立つ人間を減らしたい。昼公演と夜公演の2回まわしだから、ステージ進行をおさないようにしたい。その辺の調整なんだろうなとは思うけれどね。

●人気アーティストの楽曲をカバーするコーナーはおそらく、若いファンを獲得するためにやっているのだと思う。これまでのライブでもHKTは他のアーティストの楽曲をカバーしていたが、今回の選曲は今までとは趣旨が違うように感じた。

AKBグループや坂道シリーズの楽曲のカバーは、兼任オタが多いし、同じ秋元康作品だから、カバーという感覚はあまりなかったと思う。AKBの劇場公演曲“ロックだよ、人生は…”を自分たちのライブレパートリーにし、スタジオバージョンまでレコーディングしてしまったくらいだから、秋元楽曲のカバーにはそこまで深い意味はなかったと思う。
モーニング娘。“ザ⭐︎ピース!”をカバーしたのは、指原莉乃がハロプロ好きだからという理由だし、BOØWY“ONLY YOU”を取り上げたのは、HKTのオタには中高年が多いから、彼等が喜ぶ曲をやったというレベルでしかない。

そういう過去のカバーとは異なり、今回、ヨルシカやヤバイTシャツ屋さんなど若者受けするアーティストのカバーをしたのは、若いファンのためと言っていいと思う。イコラブがYOASOBIやLiSAをカバーしたのに近いのかな。

●ライブチケットを発売する時に“ゲストあり”という文字があったので、MCタイムに芸人とかが出てきてちょこっと絡んで終わりかな。あるいは、HKT卒業者が出てきて1曲一緒に歌って終わりかなくらいに思っていた。
まさか、AKBグループの選抜メンバーが出てきて(今回はNGT)、HKTとコラボするのみならず、自分たちだけでも1曲歌うという構成だとは思わなかった…。

●終盤のメドレーコーナーの扱いもなんだかなという気がする。これまでにリリースしたCDシングルの表題曲を全て振り返る映像を見せておきながら、表題曲以外の曲も歌うし、というか、メドレーコーナーより前のブロックで披露された表題曲だってあるしね。まぁ、定番曲に頼らない新規ファンにアピールするレパートリーでセトリを組みたい。でも一切やらないと従来のファンやライト層に批判される。その辺のせめぎ合いなのかな?

●それにしても、コロナ禍に入ってから見たライブでこんなにMCの入る箇所が多いのって初めてだな。3〜4曲歌うごとに入っていたしね。

●ステージ上のモニターに事前撮影した映像を流すのはいいんだけれど、今回の会場の横須賀芸術劇場って、見にくい席が多いホールだから、現場のパフォーマンスを流して欲しかったかな。まぁ、カメラマンを用意する予算がないんだろうが。

とはいえ、全てが不満かというと、そうでもないんだよね。初めて、“3−2”を生で聞けたしね。

とりあえず、ツアーが終わるまでセトリを上げるなとか言うのが出てきているということは確実にHKTのファン層が入れ替わったってことなんだろうね。

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《追記》
それにしても、なかなか入場できなかった…。横須賀芸術劇場なんていう待機スペースもないような会場でやるべきではなかったのでは?

そういえば、HKTのライブなのに、しかも、なかなか入場できなかったのに男子トイレが混んでいなかった。
やっぱり、女性観客の比率を増やしているんだろうね。IZ*ONE経由で奈子推しになった女性ファン優遇って感じなのかな?

それから、マスクを外さなきゃ判別できない顔認証システムってコロナ禍にやるべきことではないよね。結局、コンサートの運営側って感染症対策よりも転売対策の方が、というか、ぶっちゃけて言ってしまえば、金儲けの方が大切ってことでしょ。

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とりあえず、遠かった…。金曜日の昼の部じやなきゃ、絶対行かない会場だな。

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