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人生最大の危機⑦
金曜日に自分が見舞いに行った時は入院している部屋が変わっていた。
土曜日に妹が見舞いに行った時は車椅子を使った移動のリハビリが行われていた(傷も完治していないし、認知症も進んでいるのに)。
いずれも、事前に病院側から“いついつからこうしますよ”という告知はなかった。
本当、同愛記念病院のホウレンソウのシステムってどうなっているのだろうか?
ネット上に“連携がとれていない病院”とか“看護師の役割が分からない(=この人たち何をしているの?何もしてないよね?)”といった口コミが書かれるのも納得だ。
そして、この問題と並行して今回の母親の体調不良の件で墨田区役所に“連絡が取れない”と通報されたせいで、こちらが高齢者虐待の疑いをかけられるきっかけになった船橋の佐藤と名乗る男が自宅に押しかけるというトラブルもあった。
母親の密会相手だか、借金取りだか、何者だか知らないが、区役所の話だと、以前、自宅に様子を見に来て、体調が悪そうだと区役所に通報したようだ。ストーカーか?
こいつが“連絡つかない”と言ってきたので、“入院している”と伝えた。
すると、こいつは“どこに入院したか教えろ”と言ってきた。
相手は名字を名乗る以外は25年来の付き合いがあるということを言うだけで、名刺を見せるわけでも、どこどこで知り合ったということも話さない。
借金取りなら、家族だろうと“金を返してもらいたい”と脅してくるだろう。
仮に母親の浮気相手だったとしても、自分はこいつと会ったこともないから、普通に“どこどこで働いていた時にお世話になった同僚の何々です”と言えばいいだけだ。そうしたことを名乗ることすら拒み、25年来の付き合いのある人間なんだから教えるのは当然みたいな態度を示しやがった。
全く素性の分からない奴に入院先なんて教えられるわけがない。まぁ、会社に電話をかけてきて、電話を受けた方が“どちら様ですか?”と聞くと“俺の声で分からないのか!”と怒り出すような典型的な老害なんだろうね。
というか、見た目は完全に爺さんだった。うちの母親は体調を崩す前は実年齢よりも若く見えたが(我が一族のDNAか?これのせいでなめられてしまう)、この男は完全に後期高齢者の風貌だった。母親と同世代かちょっと年上って感じかな(まぁ、高齢者になったら一回りくらいの年齢差も同世代だとは思うが)。
25年来という言い方はきっかり25年ではないし、高齢者の言い方はいい加減なので、前後5年くらいはあると考えると、母親がおよそ四半世紀勤めた化粧品メーカーの下請け企業をやめた90年代末の頃の人脈か、その後、雇い主に騙されて借金を作ることになった漬物店や宝くじ売場で働いていた90年代末から2000年代初頭の頃の関係者か、あるいは、浅草橋の病院でヘルパーのヘルパーみたいな仕事をしていた2000年代初頭から半ば頃の知り合いだろうか?
でも、こうした仕事関係の者なら経歴を名乗ると思うんだよね。まぁ、漬物と宝くじは借金を作らせたから名乗りにくいとは思うが。
そういえば、浅草橋の病院で働いていた頃、ジャズバーみたいな所に出入りしていたらしいが、そこの店員かバンドメンバーか常連客と通じていたのかな?というか、この頃から四半世紀にわたり貢いでいたのかな?
食費以外にあまり金を使わないし、なかなか病院にも行きたがらなかった母親に金がないというか借金まであった理由ってこれか?
祖母が映画館で働いていた時に貧しい田舎出身の芸術家を目指す祖父と知り合い結婚したというのを考えると、同じ血が流れている母親がジャズバーで働くor常連のオッサンに同情して資金援助していた可能性も否定できないね。
そのバーに通っていた頃、まるで自分が音楽業界関係者になったようにうれしそうに話していたしね…。
元々、芸術系の専門学校に行っていたし、学生時代はスポーツ新聞社でバイトしていたし、あまりにも薄給なので断念したがアニメーターになろうとしたこともあったらしいから(当時と給与水準が今もほとんど変わらないアニメ業界ってダメだろ!)、自分がその世界にやっと入れたと思って浮かれていたのかもね。
というか、上から目線で“何で俺がお前に経歴を伝えなきゃいけないんだ?あの人の息子なら俺のこと尊敬しろよ!”みたいな態度、音楽関係者崩れと考えると納得。やる気がなくて態度が悪い、上から目線のライブハウスの受付そっくりだ。
色々と怖いな…。