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運上弘菜 卒業コンサート ~WHITE~
AKB48の姉妹グループのメンバーの卒業コンサートがそのグループの本拠地以外で行われることは珍しいことではない。
指原莉乃は東京でのテレビの仕事が多いことから卒コンは横浜で行われ、その後、地元・九州では卒コンではなく感謝祭という名称のイベントが開かれた。
矢吹奈子は東京出身だし、IZ*ONEのメンバーとしての“レンタル移籍”を終えHKTに戻って来てからは東京での仕事が増えていたので卒コンは横浜で開催された。
でも、なっぴの卒コンが東京で開かれるというのは正直ピンと来ない。彼女は北海道出身だし、さしさんや奈子のように東京での仕事が多いわけでもない。
しかも、会場はZepp DiverCityだ。奈子クラスでもパシフィコ横浜を埋めるのが精一杯というのが現在のHKT人気だと思うので、キャパ的にはこんなものだろうとは思う。でも、ライブスペースでやることには驚きを隠せない。同程度のキャパの都内のホールでいえばLINE CUBE SHIBUYAがあるわけだし、去年のツアーではここを会場に組み入れていたのだから、ここで良かったのではとも思う。勿論、なっぴの卒業時期と会場のスケジュールが合わなかったりもしたのだろうが。
そう言えば、アクセスが良いTOKYO DOME CITY HALLを最近、AKBグループは使わなくなったよね。ここがドリンク代を徴収するようになり、それをファンに負担させると客離れにつながると思い避けるようになったのかとも思ったが、今回をはじめとしてAKBグループはドリンク代を徴収するのがデフォルトのZeppで頻繁にライブしているのだから、それは関係ないと思うしね。
というか、本公演ではドリンク代を取られなかったから、運営サイドがドリンク代に相当する金を払っていると思われるで、そう考えるとTDCを使わなくなったのは別の理由なのかな?
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そもそも、HKTのファン層はIZ*ONE以降、多少は変わったけれど、基本は中高年ファンが多いんだから、スタンディング鑑賞が基本のZeppで卒コンというのは向いていないと思うんだけれどね。
ライブスペース、しかも、最前エリアなのに約3時間もの間、自分の立ち位置は全くと言っていいほど動いていなかったからね。そりゃ、そうだ。卒コンなんだからなっぴやメンバーの長めのスピーチもあるわけだし、その間に前へ詰めかける人なんていないしね。
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コンサートを見る前は、何故、本公演のタイトルの頭にHKT48がついていないのかということが気になって仕方なかった。
9月23日のHKT48劇場での卒業公演が正式な活動最終日で本公演の時点ではメンバーではないという判断なのだろうか?
そして、コンサート自体もHKT色の薄いものだった。“メロンジュース”や“最高かよ”、“ロックだよ、人生は…”といったライブの定番となっている楽曲はやらなかった。セットリストに組み込まれたのはAKB48などのカバー曲が中心だ。しかも、シングル表題曲以外が多かった。ぶっちゃけ、劇場公演をZeppで見させられてもねと思ったりもした。
卒コンなんてメンバーが泣くのが当たり前なんだから、ライト層も含めたオタクが簡単に合唱したりできる曲を選ぶべきだと思うけれどね。
ところで、まゆゆの卒業シングル“11月のアンクレット”をやったのは、やっぱり、運営サイドもなっぴがまゆゆに似ていると思ったということなのだろうか。
それにしても、今後の進路が決まらないのに卒業したということは、HKT運営はセンター経験者のなっぴクラスでも飼い殺し状態にしてしまっているってことなんだろうね。本当、指原莉乃卒業後のHKT運営はメンバーを活かすのが下手だね。
なっぴは、2020年の“3-2”、2021年の“君とどこかへ行きたい”で連続してシングル表題曲のセンターを務めたのに(後者は2つある選抜のうち片方のチームのセンター)、奈子がIZ*ONEでの活動を終えて日本に戻って来た途端、奈子プッシュのモードになってしまったからね。奈子不在の期間、グラビアクイーンとしてHKTの知名度向上に貢献していたみくりんですら格下げされてしまうんだから、そりゃ、悩むメンバーが多いのも当然だ。
なっぴセンターの2曲はいずれも名曲だから、コロナ禍でなければもっとファン層を拡大できたと思うんだよね。
ちなみに、HKTの定番曲では、卒業ソング的な“桜、みんなで食べた”や“大人列車”は聞くことができた。やっぱり、この辺をやると盛り上がるよね。
そういえば、HKTメンバーの卒コンを見たのって、さしさん以来だ。奈子の時は昼公演の普通のHKTコンサートは見られたけれど、夜の卒コンは見られなかったしね。
それにしても、fairy w!nkとしてコンビを組んでいたみるんって当時とは見た目から何からガラリと変わっているよね。個人的には最近の金髪キャラ好きだけれどね。
とりあえず、なっぴはビジュアルも性格も歌唱力も、どこを取っても良くも悪くも王道アイドルだったということを確認できた卒コンだったと思う。
客層を見ていると女子人気も結構あるみたいだから、彼女を飼い殺しにしてしまった運営には呆れてしまうかな。