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ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ

これまでにも劇場版の公開や新たなテレビシリーズの放送にあわせて、前シリーズを一本化した特別編集版を放送していた。
「遊郭編」の時は前作が劇場版だったので、放送前には逆にその劇場版「無限列車編」を解体したテレビシリーズ版が放送された。
おそらく、「鬼滅の刃」というアニメは今後、完結するまで、全ての「⚪︎⚪︎編」で、映画サイズの尺にまとめたバージョンと、テレビシリーズとして放送するバージョンを作っていくことになるのだろう。

そして、前シリーズ「刀鍛冶の里編」から始まったのがこのワールドツアー上映だ。

テレビシリーズの放送に先駆けて、全話もしくは冒頭の何話かを劇場で先行上映する、いわゆるイベント上映はすっかり定着している。

「鬼滅の刃」の最初のシリーズである「竈門炭治郎 立志編」の時は冒頭5話が先行上映されていたが、前シリーズからのワールドツアー上映はそれとはちょっとシステムが異なっている。

新シリーズの1時間スペシャル枠で放送される第一話の先行上映の前に、前シリーズの最終話のアンコール上映(映画館で上映するのは初だけれど)をくっつけるという構成になっている。
「遊郭編」はラストが2話でセットみたいな作りだったので前回のワールドシリーズは「遊郭編」ラスト2話+「刀鍛冶の里編」第一話が上映されたが、今回は「刀鍛冶の里編」最終話と「柱稽古編」第一話という構成だ。

今回のワールドツアー上映には前回と異なる点がある。前回はテレビ放送時の素材をそのまま上映したから、アバンもアイキャッチも入っていたし、エンドロールなんて合わせて3回も流れてしまった。

でも今回はエンドロールは最後にまとめて流れるだけだし、アイキャッチもない。
前回、こんなのは映画でないと批判されたことを受けて、少しでも映画っぽい雰囲気で見てもらおうということを意識して再編集したということなのだろう。
アニオタなら、テレビ放送用のものを数話まとめて垂れ流すだけのイベント上映には慣れているが、鬼滅だと非オタの観客も多いから、そういう批判が出てしまうのも仕方ないといったところかな。

ただ、冒頭にあったほとんど説明らしい説明をしていないこれまでのダイジェスト的な映像はいらなかったと思う。



内容自体に関しては、「刀鍛冶の里編」最終話を改めて見て思ったが、鬼って権力者のメタファーなのかも知れないなと思った。

最近、やたらと政治家や芸能人などが誹謗中傷されと主張する機会が増えている。でも、そのほとんどは、その当人が起こした不祥事に対する批判だ。
酷い出来の映画やドラマ、大根演技に対する批評も誹謗中傷のように主張する勢力が増え、日本では真っ当な評論が成立しなくなりつつある。

「刀鍛冶の里編」最終話でさんざん悪事を働いてきた鬼が、炭治郎に追い詰められて“弱い者いじめするな”と怒鳴ったシーンは本当、不祥事を起こした政治家や芸能人にしか見えなかった。

炭治郎の耳飾りとか(本来の意味の)歴史修正主義者が好きな大正時代が舞台となっていることなどから、ネトウヨっぽいイメージを持たれることもある鬼滅というコンテンツだが、実は権力を批判するタイプの作品なのかも知れないなと思ったりもした。

「柱稽古編」第一話に関しては、柱のシーンが中心なので、炭治郎の活躍を見たいと思っている人にはちょっと物足りないのかも知れないが、それでも、善逸や伊之助の出番は「刀鍛冶の里編」よりはあるので、二話以降に期待といったところだろうか。

それにしても、鬼にしろ柱にしろ刀鍛冶にしろパワハラ、セクハラ三昧な奴ばかりだ…。正義も悪も関係ないよね…。



とりあえず、今回の先行上映用の「刀鍛冶の里編」オープニング曲“絆ノ奇跡”(MAN WITH A MISSION×milet)のリミックスは良かったが、「柱稽古編」のオープニングがMY FIRST STORYとHYDEのコラボってのはどうなんだろうかと思った。どちらのアーティストもこれまでに複数のアニメ作品楽曲に関わっている。いわゆるアニソン歌手でない点も含めて、そういう意味ではMAN WITH A MISSIONやmiletと変わらないんだけれど、何かさらに非オタ受けを狙った人選になっていてなんだかなという気がする。

本人たちはアニソン歌手扱いされたがるのを嫌がっているような感じもするから、「竈門炭治郎 立志編」、劇場版およびテレビ版「無限列車編」のLiSA、「遊郭編」のAimerを再登板させるのは難しいのかも知れないし、藍井エイルは活動休止中だから起用は難しい。ReoNaやASCA、halcaあたりではそこまでの知名度はない(halcaは音楽性も違うし)。そう考えると、もうアニソン歌手以外から選ばさるを得ないってことなんだろうが、何か複雑な気分だ。




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