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劇場版IDOL舞SHOW
これを映画と呼んでいいのかどうかは分からない内容だったが、KINENOTEに登録されているということは映画業界の権威的存在のキネマ旬報が映画と認めているということなのだろう。なので、今年上半期のワースト映画はこれでほぼ確定ということになりそうだ。
次から次へとアイドルアニメが世に送り出されている。そして、こうした作品のほとんどはメディアミックスされていて、ソーシャルゲームやCD、グッズなどへの出費、いわゆる課金へと誘導することを主たる目的としているものが多い。
だから、課金したいと思わせる要素を増やすために多くのキャラクターが登場することになる。
テレビアニメとして放送されている作品であれば、12話なり13話なりの中で個々のキャラクターをストーリーの中で紹介することができるが、本作のように初めて映像化される作品ではそうはいかないから、どうしても、世界観とか登場人物の性格とかの紹介が説明台詞のオンパレードになってしまう。
2021年に劇場公開された「Tokyo 7th シスターズ」でもやっていたが、インタビュー収録とかコメント配信で個々のメンバーを紹介するという能のない展開をするのはやめてもらいたいと思う。
それから、本作では天下旗争奪戦というアイドル業界全体を通した謎のバトルシステムが採用されている世界が舞台になっているけれど、「IDOLY PRIDE」でも似たようなことをやっていたよね。
すぐに体調が優れなくなるメンバーといのも、「IDOLY PRIDE」で見たな…。
伝説のアイドルがシーンから退場し、そのポジションを手にするために他のアイドルがバトルを繰り広げるというのも「IDOLY PRIDE」だな…。
あと、本作でメイン扱いとなっているアイドルグループ“X-UC”のセンター役の声優が「ラブライブ!サンシャイン!!」の諏訪ななかだしね…。
結局、アイドルアニメのテンプレをつぎはぎしただけなんだよ!
面白いと思ったのは、解散する2人組アイドル“Fool's End”を悠木碧と竹達彩奈が演じていることかな。それって、petit miladyじゃん…。
さらに、本作には呆れてしまう展開が待っていた…。
何と、分裂しかけていた“X-UC”のメンバーが一致団結し(そのシーンは歌唱シーンなのに、何故かメンバーたちがステージ上で会話しているという謎の展開だった。心の声だとしてもおかしいよね。明らかに会話になっていたし)、天下旗争奪戦が本格的にスタートしたところでアニメ は終わってしまうのだ。
そして、その後には劇中のアイドルを演じた声優たちがリアルの声優アイドルとして行った配信ライブの模様が延々と映し出されるのだ…。
一体、自分は何を見させられているのかと思ってしまった。
男性アイドルアニメ「LIP×LIP FILM×LIVE」のように、ドラマパートとライブパートの両方がアニメならまだ分かるが、これは正直言って、理解不能な構成だ。
しかも、本作のライブパート、配信ライブそのまんまの荒い映像なんだよね。せめて、配信のラインをそのまま録画したものではなく、配信会場で収録した素材を改めて編集したものならまだ映画館で見られるけれど、これは全然、そんなクオリティにはなっていない。酷いとしか言いようがない。
「IDOL舞SHOW」というコンテンツのファン、出演声優のファンは絶賛するかもしれないが、アニメファン、映画ファンとしての立場で見れば、これはクソ作品としか言えないと思う。
そういえば、アニメ作品なのにエンドロールが黒味ベースに白い文字がスクロールするだけだった。ハリウッド作品でもアニメーション映画は背景に画があるのが当たり前なのに、国産作品でないとは…。予算がないのかな?