日本市場で存在感がなくなったディズニー映画
Real Soundで宇野維正が執筆した記事には賛同できないことも多いが、今週配信された“快作『クルエラ』初登場6位 配信から前倒しの公開もディズニー包囲網は変わらず”という記事には珍しく賛同できた。
この記事のヤフコメとかを見ていてもそうだけれど、映画にしろ、アニメにしろ、アイドルにしろ、政治にしろ、経済にしろ、何にしろそうだが、日本人って、ファンや市民、消費者の立場ではなく、運営側の目線で語る奴って多いよね。アホじゃないかって思うな。
ディズニー映画の日本での上映規模、興行成績が縮小している問題に関しては、ここ2作のピクサー作品や「ムーラン」のように、劇場公開を一切見送られた作品もあるけれど、「ラーヤ」や今回の「クルエラ」のように配信と同時に劇場向けにも供給している作品はあるわけだしね。
ディズニープラスと契約していない映画ファンや、契約していてもスマホやPCの画面ではなく映画館のスクリーンと音響で見たい人だっているわけだからね。
そういう人の鑑賞機会を奪っているということをディズニー映画の上映拒否をしている全興連は認識すべきだと思うな。
そもそも、邦画なんてテレビドラマやテレビアニメの劇場版だらけだし、映画オリジナル作品だって、テレビ局資本の作品が多い。テレビアニメの総集編映画も多いし、OVAのイベント上映も多い。なのに、ディズニーのネット同時配信作品を拒否するっていうのは意味不明としかいいようがない。
要は、排外主義。言い換えれば外国人差別でしょ。
ディズニーの同時配信作品を拒否するなら、公開と同時期にDVDが発売されたり、配信がスタートしたりするイベント上映の国産アニメも拒否しなくては辻褄があわないと思うな。
洋画市場で圧倒的なシェア、邦画を含めても東宝に次ぐ2番手だったディズニーを日本市場から追い出したいだけとしか思えない。
米国では、ディズニーの同時配信映画はコロナ前の作品に比べれば弱い成績かもしれないが、それでも、ランキング上位には入っているし、韓国や中国などディズニープラスがローンチされていない市場では相変わらず大ヒットとなっている。
ただでさえ、長引く洋画不振で日本市場はハリウッドから軽視されるようになっているのに、稼ぎ頭だったディズニーも日本市場で存在がなくなってしまうと、事実上、日本の洋画市場は一気に縮小することになる。
つまり、ハリウッドの日本スルーはさらに加速することになるわけで、映画ファンがハリウッド映画を見る機会が奪われていくことになるんだけれどね…。
まぁ、全興連としては洋画シェアが下がれば下がるほど嬉しいんだろうが、そんなの健全な映画市場じゃないよ!
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