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2人のローマ教皇

ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門作品賞にノミネートされたネトフリ映画「2人のローマ教皇」を鑑賞。これは、本当、賞レース向きって感じの映画だった。
それにしても、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門作品賞にはネトフリ映画が3本(他は「アイリッシュマン」と「マリッジ・ストーリー」)もノミネートされているが、3本とも素晴らしい映画だ!
本来ならメジャー、インディーズ問わず従来の映画会社がこういう作品を公開するのだろうが、安全パイに走ってしまい、じっくり見せる映画やテーマ性の強い映画には金を出さなくなってしまったってことなんだろうな…。
今回のゴールデン・グローブ賞では、ドラマ部門の3本以外にも、ミュージカル・コメディ部門でも作品賞にノミネートされていて、両部門合わせた作品賞候補10本のうち、4本がネトフリ映画になっているからな…。
こんなの賞取り合戦が最も過熱していた時代のミラマックスですらありえないもんな…。
しかも、ドラマ、ミュージカル・コメディ合わせた映画部門のみならず、テレビ部門でも最もノミネート数が多い会社がネトフリになっているからな…。
映画って何?テレビって何?配信って何?って感じだよな…。
もう、そういう枠組みは関係ないのかもな…。初公開の場が映画館であろうと、テレビであろうと、配信であろうと、ビデオソフトであろうと、単発的な作品は映画って見なさなくてはいけないって時代なのかな…。
まぁ、日本でヒットする映画には、国産のテレビアニメやテレビドラマの映画化作品が多いから、ある意味、日本は映画とテレビの境界線がなくなっているという面では先進国なのかもしれないな…。

それにしても、現職と先代の2人。しかも、両者とも存命の人物で実録作品を作るって、ローマ教皇(急に報道機関による呼び方が法王から教皇に変わったのは、安倍政権の「うちらが変えたぜ!」アピールに見えて仕方ないが…)だからできたって感じだよな…。
「2人の大統領」とか「2人の総理大臣」なんて内容だったら、右寄りか左寄り、どちらかのプロパガンダにしかならないもんな…。
そもそも、日本だと存命中の人物、ましてや政治家を実名で出す映画やドラマなんて、ほとんどないし…。
まぁ、最初の方は現教皇を善、先代を悪と捉えるような、現職の良く言えばプロモーション・ビデオ、悪く言えばプロパガンダみたいに思える部分もあるが(どっちも褒めてないか…)、話が進むにつれ、現職のダーク・サイドも、先代の優れた部分も描かれているので、意外とバランスは良い。
そして、この2人の教皇を演じる俳優の演技が素晴らしい。大半のシーンがこの2人の会話の場面だから、本当、この2人には圧倒される!
それから、結構笑えるシーンが多い。先代を演じるアンソニー・ホプキンスがピザにかぶりつく場面は、レクター博士かと思ってしまったし、音楽ネタも色々とあって面白かった。アバとかザ・ビートルズを知らない先代とか笑えたな。
あと、映像面でも、ボケているカットとか、急なズームとかがあったりしていて、その辺は配信作品ってのを意識したのかなという気もした。

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