見出し画像

ドラゴンボール超 スーパーヒーロー

2013年に17年ぶりの劇場版として「ドラゴンボールZ 神と神」が公開されて以降4作目となる「ドラゴンボール」シリーズの劇場版が本作だ。

とはいえ、「神と神」以前の17作品は「東映まんがまつり」(のちに「東映アニメフェア」と改称)の1本として上映されていて、そのうちのほとんどは上映時間が1時間に満たない作品だ。
それに、「東映まんがまつり(アニメフェア)」というのは、小学校高学年以上になると劇場に行くのは恥ずかしいと感じてしまうコンテンツだ。
だから、一般の映画ファンやアニメファンにとっては、劇場版として認識されているのは1本立ての長編映画として公開されるようになった「神と神」以降の作品のみと言っていいと思う。

劇場版製作が復活してからの作品は全て劇場で見ているが、個人的には本作が一番面白かったと思う。ぶっちゃけ、過去3作品は延々とバトルを繰り広げているだけで自分には退屈で仕方なかったが、本作はきちんと、ドラマパートも描かれていたので飽きたりはしなかった。実写だろうと、アニメだろうと、洋画だろうと、邦画だろうと、アクション・シーンが長々と続く作品って、自分はダメなんだよね…。多分、何が描かれているか分からなくなってしまうんだと思う。同様にアクションに乏しく延々と会話が続く映画もダメなんだけれどね。きちんと、起承転結があって、緩急がつけられた作品が好きってことかな。

まぁ、過去作に思い入れがある人からすれば、孫悟空の出番が少ないことやCGアニメとして作られていることに不満を述べる者も多そうだが…。

CGに関しては個人的には頑張っていたと思う。日本のCGアニメって、劇場版にもかかわらず、止め画が多かったり、モブキャラが全然動いていなかったりして、呆れてしまうものが多いが、本作のCGアニメは国産作品としては、かなり動いていた方だと思う。アニオタの中には、CG=手抜きと思っているのが多いのは、動かない国産CGアニメしか見ていないからなんだろうね。本来はレンダリングだなんだに時間がかかるから、言うほど、作業時間や人件費の削減にはならないんだよね。でも、日本のアニメ業界は作業時間や人件費の削減目的でCGを導入しているから、動かないCGアニメ だらけになってしまうんだよね。

そういう点から考慮すると、本作は頑張っていたと思う。前作「ドラゴンボール超 ブロリー」が全米興行収入ランキングでトップ5入りする大ヒットになったので、海外の観客を意識したってことなのかな?欧米は手描きアニメ=ダサい=一部のマニアのものというイメージが強いしね。
アカデミー長編アニメーション賞にちょくちょく欧州のアート系アニメーションがノミネートされているし、日本のアニメ映画も時々、候補になっているけれど、結局、受賞するのって、米国産のCGアニメーションだしね。
様々なアニメーション技術が混在しているけれど、あくまでメインはCGである「スパイダーマン:スパイダーバース」を除外すると、これまでの同賞受賞21作品の中でCGアニメーションでないのは、日本の手描きアニメの「千と千尋と神隠し」と英国のクレイ・アニメーションの「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」だけだからね…。
まぁ、コロナ禍になってからは、ハリウッド作品が配信シフトになり、大作やシリーズもの以外の大ヒット作品が減少した影響もあってか、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」や「劇場版 呪術廻戦 0」のような手描き作品でも全米興収が好調な作品はあるけれどね。

画像1

そして本作を見て思ったことがある。結構、小学生くらいの子どもを連れた家族連れが来ているんだよね。
同じオールド・コンテンツでもある「機動戦士ガンダム」の最新劇場版「ククルス・ドアンの島」なんて、オッサン・オバサンだらけだったが、本作はそうではないということは、「ドラゴンボール」というコンテンツが新規ファンを獲得しているということなんだろうね。まぁ、2015年から18年にかけて完全新作のテレビアニメを日曜日の朝という親子で見られる時間帯に放送していたことは大きいと思う。いわゆるファーストガンダム関連のイベント上映作品「THE ORIGIN」の再編集テレビ版の放送は深夜だったからね…。

そういえば、本作ってハッキング被害の影響で公開が遅れていたんだっけ…。そういうトラブルがあったようには見えない出来だったな。

いいなと思ったら応援しよう!