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自分の考え方の特徴を利用してやろう

思考のクセ

今回は自分が研究や研究開発を行うにあたって考えた難しいことを考える時にどうすれば自分の考えをまとめることができるようになったのかについて話します。
皆さんは、開発中に設計をしたり難しいアルゴリズムを考える必要があったり、難しい論文を理解しなければいけない時に頭の中で考えようと思っても何か脳に霧がかかったような感じがしてうまく思考が働かない時があったりしませんか?
開発に限ったことだけでなくても簡単なことでもいいです。上司に質問する内容があるのに具体的にどうやって文章を書けば良いのかなかなか思いつかない、会議中に同僚が話している内容がうまく入ってこないなどでも構いません。

とにかく「頭がモヤモヤして考え事が進まない」という経験がないでしょうか?

私はしょっちゅうあり、脳みその歯車が軋んでいる感覚がしてとても嫌な気持ちになります。
そんな中で考えたのが自分の思考のクセを知ることで、その軋みを少なくすることができるというものです。
誰しも考える時のクセがあり、また、それをもとにした思考を進めるための手法があるはずです。今回は私のクセ、またどうやって難しいことを考えているのかについて話します。

私の思考のクセ

私は基本的にいつも頭の中でなるだけ速く物事を考えようとしてしまいます。その甲斐あってか、処理能力が少し速く、文章を読んだり、多くの情報をもとにパッと要約したりすることが得意だったりします。
その反面、デメリットとしてちょっと難しいことがあると「そこの理解はすっ飛ばして後回しにしよう」としてしまいます。
例えば、LLMs のもとになっている「Attention is All you Need」[1]という論文を最初読んだとき、attention メカニズムという文章中の単語の関連性を計算する数式があるのですがすっ飛ばして読んでいました。そして結局その理解は後回しになり理解しようとしないまま時が過ぎる、、ということが往々にしてあるのです。
その習慣を小さい頃から積み重ねてきた結果、意識をしないと「難しいことを理解しようとすることを避ける」という脳みそになってしまっていました。

つまり、こういう状態です。

  1. 物事を理解しようとするときに、要点を押さえて全体像を捉えるのが得意

  2. 背景となる公式や詳細を理解しようとするときも同じように全体像を捉える時と同じ処理スピードで脳みそが進んでしまうので把握が難しい

このような状態になっているのが私の思考の時のクセなのです。
じゃあ、難しいことを理解するときにゆっくりじっくり考えれば良いのでは?と思うかもしれません。それがなかなかできないのが私の脳みその厄介なところなのです。。
そのせいで、なかなか難しいことを理解することができず、結果脳に霧がかかった感じがするという状態によく陥ってしまいます。

霞を取る方法

では、そういったときに私が実践している方法についてです。
まず、私は人間には 2 タイプいると思っています。
1 タイプ目は、思考が溜まっているときに文字で吐き出していって理解しようとする人
2 タイプ目は、図を書いて理解しようとする人
です。

私は基本的にはタイプ 1 で、会議中などではメモをバーーーと書いていくことで思考が整理できたりします。タイプ 1 に当てはまる人は、私と同じように基本的に情報を速く処理しようとしている人が多いのではないかと個人的に思っています。
しかし、このタイプの人は、「速く考える」ことが得意な一方で「難しいことをじっくり考える」ことが苦手なのではないでしょうか?

そこで、私は難しいことを考える時は「ペンを持ち、図を書くことで、あえて思考のスピードを遅くする」ということをしています。
ここでは、あえてスピードを遅くするために外部的要因を作るということがコツです。先ほどの文字への書き起こしのおかげで全体像は掴めていますから、詳細を図に落とし込みながらじっくり理解していくのです。
感覚としては思考の急ブレーキを踏んで徐行する感じです。
図に落とし込むと、詳細を理解するのに役立つだけではなく、全体像をより鮮明化させることができるという良い副作用もあります。
つまり、タイプ 1 と 2 の合わせ技をしているのです。
これを実践することで難しいことを考える時の抵抗感が減った時の感覚は今でも覚えています。

自分の思考のクセの知り方

まずは、自分が文字で吐き出して理解しようとする人なのか、図で理解しようとする人なのかをまず知ることが大切だと思います。
そうすることで、基本的な自分の思考タイプを知ることができます。
タイプを知った後は、じゃあなんで自分がその思考タイプかなのかを考えることが大事です。
私の場合は、順番が逆で自分の思考タイプが把握できていて、その次に仕事中の同僚の反応などから思考の種類ってさっきの 2 タイプに分かれるんだなということを把握し、そのタイプに自分を当てはめてみたという過程ですが、そもそも自分のクセを知るためにタイプで分類してみるという方が手軽だと思います。
自分の思考分析をした後は、意識的にそのタイプを試して思考を整理するか、私のように合わせ技をするかを試してみてください。基本的に図で理解するけど思考スピードを意識的に速めたい時は文字に頼るなどでも良いかもしれません。
自分に合った思考整理方法を編み出してみましょう!

[1] A. Vaswani, N. Shazeer, N. Parmar, J. Uszkoreit, L. Jones, A. N. Gomez, L. Kaiser, I. Polosukhin, Attention Is All You Need (6 2017). URL http://arxiv.org/abs/1706.03762


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