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幸先

忌明け。

意味をよく理解しないまま、家族に合わせて、故人をおくる手伝いをしてきたが。仏教では、死んだその日から、しじゅうくにちのカウントで、行先が定まり、遠い世界へ行く、とのこと。
犬は、間違いなく、安泰な場所で護られることだろう。
ひたむきで、嘘がなく、関係を大切にし、愛を傾けてくれる。
生きることに集中しているけど、生きることに執着は無い。

わが犬とは、もう会えないのか。
わかりきっていても、いよいよ遠くに行くのだな、と
仕来りが、けじめをつけたがるので、流れにまかれる。

おわかれだ。

ふたたび、さんざ泣いて、犬の名前をよぶ。
もう気配は、ない。
ありがとう。あたたかく、やわらかなところへ。


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