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「わらしべ長者」から学ぶ観光の価格設定

「わらしべ長者」の話を覚えていますか?

貧しい男が拾った一本の藁(わらしべ)を次々と価値のあるものに交換し、最終的に富を得る物語です。一見、子ども向けの単純な話のようですが、実は価格と本質価値の深い示唆を含んでいて、観光業界において非常に学びの多い内容だと思います。

この物語は、単なる「物々交換の成功」ではなく、男が交換のたびに相手のニーズを見抜き、その人にとっての本質価値を提供した点にあります。

例えば、最初にわらしべをみかんと交換した子連れの母親。彼女がわらしべに感じた価値は、単なる藁としての価格ではなく、「泣く子どもを黙らせるおもちゃ」として得られる心の安寧でした。本質価値は相対的であり、相手の状況や需要によって大きく変化する例だといえます

観光業界への示唆

観光商品や体験の価格の考え方にもこの「本質価値」の視点が欠かせないと思います。多くの場合、価格設定が原価積み上げ式で行われたり、過度に低価格で提供されたりしています。しかし、旅行者にとっての本質的な価値は「安さ」ではなく、体験を通じて得られる感動や思い出です。

例えば:

地元の風景や歴史 → ただ見るだけではなく、ストーリーや体験型観光として提供することで「価値」を生む。日本で人気の茶道でも地方の素晴らしい景色を見ながらできたら都心でやるより価値を感じますよね。山形で人気のスイデンデラスもまさに景色を価値に転換した例といえます

オンライン予約や即時予約対応 → 旅行者にとって、スムーズな計画や変更が可能なシステムは、快適な旅の実現を助ける「価値のあるサービス」となります。

「わらしべ長者」が示すように、価値は視点と工夫次第で何倍にも膨らむ可能性があります

日本の昔話にこのような知恵が含まれているのは、昔の日本人が非常に優れた商売感覚を持っていた証拠とも言えるでしょう。現代の観光業においても、この視点を活かし、本質価値を見つめ直していきたいですね

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