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7月聴いた音楽

Jeff Mills 『The Eye Witness』

ミニマルテクノの重鎮、Jeff Millsの新作アルバム。Jeff Millsは、長年ミニマルテクノのシーンを牽引してきたベテランDJ・プロデューサーですが、近年はミニマルテクノの枠を超えた、コズミックで実験的なエレクトロミュージックを展開しています。特に、サン・ラ的なスピリチュアル・ジャズの影響を感じさせる作風が増えてきた印象です。
この『The Eye Witness』も、サン・ラ的なスピリチュアル・ジャズと4つ打ちのリズムが見事に融合した、まさにJeff Millsならではと言える作品に仕上がっています。年々進化・深化していく彼のサウンドは、本当に聴き応えがあります。

KOKOKO! 『BUTU』

コンゴ・キンシャサ発のエレクトロニック・ミュージックグループ、KOKOKO!の新作アルバム。
ダブ、ベースミュージック、ハウスといったジャンルをベースに、アフリカの伝統的なボーカルやリズムを融合させた、唯一無二のサウンドが魅力です。KOKOKO!の音楽は、聴いているだけで心が躍り、楽しくなるような、まさにエネルギッシュな作品です。ライブも見てみたい!

salute 『TRUE MAGIC』

UKのハウスミュージックプロデューサー、saluteの新作アルバム。UKガラージを思わせる、グルーヴィーなハウスミュージックが展開されています。心地よいビートとメロディーに、思わず体が揺れてしまうような、まさにダンスミュージックらしい作品です。

The High Llamas 『Hey Panda』

ポップの魔術師、ショーン・オヘイガン率いるUK発のアヴァン・ポップバンドの新作アルバム。現行のR&Bやヒップホップの影響を感じつつも、ショーン・オヘイガンらしいポップネスが光る作品です。90年代から活動を続けるベテランバンドだけあって、安定したクオリティの楽曲が揃っています。

toe 『NOW I SEE THE LIGHT』

日本のポストロックバンドの雄、toeが9年ぶりにリリースした新作アルバム。バトルズ以降のポストロックを消化し、独自のサウンドを確立したtoeは、日本のポストロックシーンにおいて重要な存在です。複雑で変則的なリズム、エモコア的なギターサウンドが特徴的な、まさに日本のポストロックを代表するような作品です。

Mark Guiliana 『MARK』

USのジャズドラマー、Mark Guilianaのソロ新作は、ジャズドラマーが作ったとは思えないような、エクスペリメンタルなビートミュージックです。デヴィッド・ボウイのラストアルバムにも参加していた、実力派ドラマー。これまでの彼のソロ作品では、ビートミュージック的なアプローチが特徴的でしたが、今作ではそれがさらに深化し、実験的なサウンドに仕上がっています。

GUM, Ambrose Kenny-Smith 『Ill Times』

Tame ImpalaやPondのメンバーとしても活動するJay Watsonによるプロジェクト、GUMと、King Gizzard & The Lizard Wizardのボーカル、Ambrose Kenny-Smithによる共作アルバム。Tame Impalaのメンバーが関わっているだけあって、サイケデリックな要素が強く、ヒップホップのビートを基調としたインディーポップサウンドが展開されています。夏の暑い日に、クーラーの効いた部屋で聴きたい、ゆったりとした雰囲気の作品です。

Bad Breeding 『Contempt』

UKのハードコアパンクバンド、Bad Breedingの新作アルバム『Contempt』は、まさにカッコいいの一言!
UK伝統のD-ビートなハードコアを基調としながらも、クラストコアやカオティックコアといった要素も取り入れ、単調にならないサウンドが魅力です。

Los Campesinos! 『All Hell』

ウェールズ出身のバンド、Los Campesinos!の新作アルバム。Pitchforkで高評価を得ていたこともあり、聴いてみたのですが、予想を上回る良質な作品でした。ゼロ年代のエモメロやパワポップ、そしてオアシスやウィーザーを思わせるブリットポップ的な要素も感じられるサウンドは、まさに中毒性があります。

Ice Spice 『Y2K!』

今最も注目されている女性ラッパーの一人、Ice Spiceのデビューアルバム『Y2K!』。
トラップ色が強いサウンドは、USヒップホップ/R&Bシーンの現状を反映していると言えるかもしれません。正直、USのヒップホップ/R&Bは、最近は少しマンネリ化している印象もありますが、Ice Spiceは今最もホットなアーティストの一人なので、聴いておいて損はないでしょう。

Porter Robinson 『Smile!:D』

Porter Robinsonが3年ぶりにリリースした新作アルバム。これまでダンスミュージック主体だったサウンドから、ロック的な要素を取り入れた、よりポップなサウンドに進化しています。ギターを演奏するなど、新たな挑戦を見せているPorter Robinson。今後のワールドツアーもバンド編成で行うそうで、非常に楽しみです。

Klein 『marked』

ナイジェリア出身、UKサウス・ロンドンを拠点に活動するサウンドプロデューサー、Kleinの新作アルバム。ダークでインダストリアルなノイズ・ドローンサウンドが特徴です。Sunn O)))のような激重ドローンや、ブラックメタルを思わせるハーシュノイズなど、聴き進めていくと深い闇の中に吸い込まれていくような感覚に陥る、まさに異質な作品です。

DARUMAS 『DARUMAS』

土岐麻子さんのラジオで知ったバンド。中南米出身の女性3人組で、ファンキーでエネルギッシュなサウンドが魅力です。ハイチ、チリ、アメリカ、アルゼンチンと、多様なバックグラウンドを持つメンバーが奏でる音楽は、まさに唯一無二。


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