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大一番の”あのシーン”について述べる

 こんにちは。お久しぶりです。本当は、もう少し早く書いてみる予定でしたが、色々ありまして書ける機会が何気に少なかった感じです。今日は午前中が空いているので、気分転換も兼ねて前々から書きたかったことを書いてみます。先述しておくと、僕は以下試合のホームチームのファンで、この試合は現地で観戦していました。そのうえで、個人の見解を述べていこうと思います。

 J1リーグ第32節の大一番と言えば、3位浦和レッズと首位ヴィッセル神戸の直接対決でした。ホームチームは天文学的な確率とはいえ、まだ優勝の可能性が残されている状態。ただ、この試合で勝利できなければ優勝の可能性が完全に途絶えるという絶対に勝たなければいけない試合でした。一方のアウェイチームも首位とは言え、2位マリノスとは2差でもしも負けた場合は首位陥落するという両チームにとって大切な試合でした。

 問題のシーンが起こるのはラストプレー付近だったので、それまでの試合展開を簡潔に。前半はスコアレスでしたが、主導権を握っていたのは神戸のイメージ。まあ五分ではあるけど、攻撃回数は神戸のほうが多かったが、堅守が売りの浦和が体を張ってゴールを脅かされるというシーンはそこまで多くはなく。しかし、後半に入ってギアを上げた神戸と伊藤敦樹を負傷交代で失い、中盤のフィルターが少し薄くなったことが相まってマテウス・トゥーレルのヘッドでアウェイチームが先制。優勝の可能性を残すには2点が必要になった浦和が高橋、中島、リンセンを入れて攻撃の厚みを加えると、後半アディショナルタイムにカンテのシュートが決まって同点。その後も相手陣内で試合を進める浦和が右サイドでファウルを受け、FKを獲得。ここから、本日の本題のシーンが始まります。

 浦和はこの試合勝たないと優勝の可能性が消滅するという前提条件がある上で、西川周作がゴール前に上がってきます。西川の攻撃参加はその前週のルヴァンカップ決勝でも見られましたが、2週連続攻撃参加をするというGKではかなりレア?な形になりました。しかし、結果的に中島のキックは無情にも前川にキャッチされてしまい、そこから大迫に繋がって無人のゴールに大迫が流し込んで神戸が勝ち越して最終的に1-2で頭が勝利を挙げました。ただ、大迫の受けた立ち位置はオフサイドであり、浦和サポ内では結構炎上してしまうという結果となりました。というのが、この試合の問題シーンではあります。

まず、審判目線ではDAZNで配信しているジャッジリプレイで語られていたので、そちらをご覧いただければと思いますが、確実にこうであるということの確証が取れない限り判定を変えるということはできないものです。そして確実にこうであるという確証がない以上、判定を変更することはできません。あのプレーに関して現場で対応をすることは今のテクノロジーではできないので、VARのグレードアップを行われる日を待つのみです。

続いて決めた神戸目線。これに関しては西川が攻撃参加をしたことで準備をしていた大迫の経験則からくる判断、勇気を持って前に出てキャッチをするという判斷を実行した前川とその後の素早いパントキックと決めきる大迫の決定力が今の順位を物語っているなという印象。特に前川の前に出るという判斷はかなりの勇気がないとできないもので、もしも合わせられる、ファンブルしてしまうと詰められるというリスクが有る中で判断を正解にしたなと思います。それほど、あのプレーは勝点1を3にもするし、勝点0になってしまうようなプレーだったと思います。そして大迫もあそこで戻らないことで守備の枚数が1枚減ってしまうわけで少しリスキーではありますが、GKがいないことによってカウンターが発動すれば、ゴールを決められる可能性もかなり高いということで、残ると判断して受けてから確実にゴールネットを揺らせたのはストライカーとしての経験値は流石であるということを、知らしめるような形でした。最後の2試合で得失点差も考慮すると4を取ればかなり高い可能性で優勝するというだけに、どうなるか注目です。

最後に浦和目線です。前述の通り筆者は浦和ファンです。したがってこのパートが1番自論を持ち出し、かなりの主観の文章になります。まず、西川が上がるという判断をしたときに、個人的には過去の浦和からみた時に勝利に対しての執念を見せたことに感動しました。この試合は勝てればもちろんいい話ですが、ACL圏内ということを考えると、引き分けでもまあ御の字。ましてや内容的にも負けててもおかしくないという内容から、勝点1を取るということに関しては今後の2試合のことを俯瞰で考えるとまあ悪くはないのかなというような結果でした(優勝の可能性がなくなるという、感情的な側面は考慮してません)。しかし、あの場面で何が何でも勝ちたいという意志をチームから感じ(その後西川の個人判断と知っても)がファンとして嬉しかったです。

西川が上がった時点で1番NGなのが、GKにキャッチされることです。したがってキッカーとしてはニア寄りにボールを供給してそらしてシュートをすることもしくはトリックプレーでボックス内に進入することのどちらかが必須だなと思ったら、無情にもGK前川にキャッチされてしまいました。そして、西川がゴールにいない場合(居たとしても)あのプレーでは前川に対してカード覚悟でパントを蹴らせない、ディレイをすることがマストではありますが、フリーの状態でパントを蹴らせてしまって勝ち越しゴールを許してしまいました。

こういうやってはいけないことを重ねてしてしまうと、勝てないのがサッカーというスポーツです。大前提ミスをするなと言ってもプロレベルでもミスは起こりますが、常にリスクヘッジをする必要があります。あのプレーでも例外ではなく、本当に勝ちに行くという判断をすることは大事ですが、それと同時に負けないようにするプレーも必要不可欠になります。この場合西川はキャッチされてしまったときにディレイすること、西川以外でも少しでも遅らせるということができれば、もしかすれば勝点1を獲得できたのではないだろうかということを考えると、もっともっと細部まで勝利に対して貪欲になって欲しいなと感じました。まあ鹿島になる必要はないと思いますが。

ただ、この試合を通じて今年の浦和の良かったところと改善点がとても見られたと思います。今年でマチェイ・スコルジャ監督の退任が決まっているだけに、残り2試合のリーグ戦とACLそしてクラブワールドカップでは今年の浦和の強さを見せつけ、2023シーズンを終えてほしいものです。

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