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ベジータを改造してハギーワギー作ってみた


完成品です。ページの最後に他の写真もあります。

1. きっかけ

息子がポピープレイタイム(Poppy Playtime)というゲームにハマり始めたのがきっかけでした。一緒に遊んでいるうちに、私自身もゲームの世界観に興味を持ち始め、ハギーワギーのフィギュアが欲しくなりましたが、探してみても適当なものが見つかりません。そこで、自分で作ってみようと考えました。

ただ、ゼロから作るのは難しそうだったので、ベースになるモデルを探すことにしました。Amazonを見ていると、偶然ドラゴンボールのベジータの可動式プラモデルを見つけました。関節の多さと青い色が、ハギーワギーのモデルに適していると感じたので、これをベースにハギーの可動式フィギュアを作ってみることにしました。

以下、その過程を紹介していきます。

2. ベースにしたプラモデル

このベジータのプラモデルをハギーのベースにしました。
大変お手頃な価格にもかかわらず、素晴らしい可動域とシルエットです。
またプラモデルなので、分解や改造が容易にできる点も選定理由です。

3. 主な材料

私はリビングモデラーなので、無臭・低臭の素材を中心に選びました。
そのため、造形から塗装まで基本的には水性素材をメインにしています。
初めは中々の縛りプレイ感がありましたが、慣れてくると意外な利点に気づきました。
素材同士の相性が良いため、様々な組み合わせが可能になる点や、片付けや掃除が水拭きや洗剤で簡単に完結するなど実用的なメリットもありました。

ニューファンドハギーの表面の造形全般に使用
アロンアルフア光各所の接着全般に使用
エポキシパテ木部用骨格の土台になる箇所に使用
UVレジン目や強度が欲しい細かな箇所に使用
プラ材1mm丸棒ハギーの歯を作るときに使用
GSIクレオス 新水性ホビーカラーハギーの着色全般に使用


4. 改造の流れ

4.1 図面制作

⇧ベジータとハギーワギーの体型を重ね合わせた図面

はじめに、ベジータとハギーワギーでは、体型が違いすぎるので手足をかなり延長する必要がありました。そのため、画像編集アプリ上でハギーとベジータのシルエットを重ね、ベジータの胴体の長さをベースにして完成イメージの手足の長さを割り出しました。

4.2 体型の調整

ベジータの腕や足を関節部分だけ残して切断し、ランナーで長さを調整

先ほど作った図面を参考に、腕や足を関節だけ残して切断し、ベジータを作る過程で余ったランナーを図面で決めた長さにカットし[①:アロンアルファ光]で固定しました。
今回の制作で初めて使用する接着剤でしたが、UVライトを当てると一瞬で硬化してくれるのでめちゃくちゃ便利でした!

次に、固定したランナーを骨にして[②:ウェーブのエポキシパテに軽量タイプ]で肉付けしました。この段階ですでにハギー感が出てきました。


4.3 頭部の作成

⇧アルミホイルを土台に、ニューファンドでハギーワギーの頭部を造形

頭部は、丸めたアルミホイルを土台に[③:New Fando](石粉粘土)を薄く巻いて造形しました。石粉粘土が乾燥した後、口の中を掘り、アルミを摘出してベジータの首関節を埋め込みました。初めは唇も顔と一体化させて最後に塗り分けようと思っていましたが、途中で塗りづらいかなと思ったのでこの段階で切り分け別パーツにしました。

4.4 口の中の制作

⇧ハギーワギーの口の構造

ハギーは口の中が二重構造になっているので、加工や塗装がし易いよう、歯茎を前後それぞれ取り出せる構造にしました。

歯茎のベースはエポキシパテで制作し、歯は[④:プラ棒]を接着剤で固定したあと、カッターで細く削って造形しました。
最後に全体を滑らかな形状にするため、透明な[⑤:UVレジン(クリア、20g、速乾タイプ]でコーティングしました。

4.5 表面処理

⇧石粉粘土で肉付けした後、ミニルーターで毛の凹凸を削り出す

表面の毛の凹凸は[②:ウェーブのエポキシパテに軽量タイプ]の上から[③:New Fando]を肉付けし、ひたすら[⑥:Ginelson ミニルーター 5段変速 70PCS]で削り続けました。ハネ毛など強度が必要な部分は[①:アロンアルファ光]や[⑤:UVレジン(クリア、20g、速乾タイプ]を使用し固定しています。

肉付けした[③:New Fando]は色が真っ白なので、削っていると粉まみれになり表面の凹凸が分かりづらくなるため、定期的に[⑦:GSIクレオス 水性サーフェイサー500]を上から筆塗りし、色をグレーにして見やすくしながら作業しました。
また、[③:New Fando]はそのままではパテやプラに食いつかないので下記の工夫をしました。

⇧粘土とパテの間にアクリジョンを塗った図

石粉粘土とパテやプラを接着させるため間に[⑧:アクリジョン ベースカラー]をプライマー代わりに塗り、その上から粘土を押し当て接着させました。[⑧:アクリジョン ベースカラー]はプラモデル用の水性塗料のためパテやプラへ塗布でき、また水性なので石粉粘土と混ざっても分離せずに定着しました。

4.6 研磨工具

⇧使用した研磨工具のセットと仕切りケース

表面処理に使用した[⑥:Ginelson ミニルーター 5段変速 70PCS]は付属のケースが使いづらかったため100均の[⑨:SIKIRI 15(仕切りケース)]に収納して管理しました。
また買い足したビットなどはDAISOの[⑩:プラダンボール]をケースのサイズに合わせてカットし、その断面の空洞に入れることで取り出しやすくしました。

4.7 手足の変更

⇧ハギーワギーの手足の先端

手足の先端も基本的にはパテをベースに石粉粘土を肉付けして造形しました。
細かなシワや関節の表現のため、少量の石粉粘土を盛り付けては削る作業を繰り返しましたが、その際に粘土同士の食いつきが良くなるよう、盛り付ける際には[⑪:屋内用パテ 30ml 白]を接着剤代わりに使用しました。
粘土と同じ水性素材なので相性もよく、肉痩せも少ないので細かな穴埋めやディティールの調整にとても便利でした。

4.8 後ハメ加工

⇧関節パーツを後ハメ加工した断面図イメージ

ベジータのプラモでは、腕や足の関節の一部が返し構造になっていて、組み上げたあとからでは外せない構造になっていたので、分解して塗装ができるよう、関節パーツの一部を後ハメ加工しました。
返しの構造になっている凸部分を切除したあと[⑫:PPC-Tn76 関節技 球体ジョイントキャッチャー フレッシュ]を凹部分に固定し、そこに差し込む構造にしたことで、ポロッと取れることなく後から取り外し出来る構造にできました。

4.9 色付け

⇧エアブラシと筆塗りを併用して塗装したハギーワギーのパーツ

塗料は基本的に水性塗料の[⑬:GSIクレオス 新水性ホビーカラー]を使用しました。
また、塗装ブースや作業部屋もないので、取り回しが聞くよう、塗装作業は筆塗りか[⑭:RAYWOOD エアブラシ デルタ 充電式 コンプレッサー セット]を使用しました。

口の中はあえて奥行きが分からなくなるよう[⑮:ターナー色彩 アクリルガッシュ 暗黒ブラック 単品 20ml]を使用して真っ黒にしました。

⇧塗装後のパーツを並べた状態

上の画像は最終的に塗装した質感の異なるパーツを並べた状態です。
広い面積はエアブラシで塗装しましたが、歯茎や手のシワなどの細かな部分は[⑯:ウィンザー&ニュートン 水彩用筆 シリーズ7]で筆塗りしています。
目は[:手芸用樹脂粘土 ホワイト 30g]を土台に[⑤:UVレジン(クリア、20g、速乾タイプ]をコーティングすることでツヤ感を出しました。
目の直径と黒目の比率が中々うまくいかず何十個も失敗しました。。

4.10 塗料の管理方法

⇧タレビンを使って塗料用のスポイト代わりに

塗料は100均の[⑱:セクションケース]に収納し棚に並べて管理しています。
また、塗料をエアブラシや混色のために取り出す際には、各塗料1色に対して専用の[⑲:タレビン ソース 小 6.7ml]を一緒に格納し、それを使い捨てのスポイト代わりにして手間を減らしています。
エアブラシに入れた塗料が余った場合でも、新しいタレビンをカップに入れ、吸引し蓋をすることで保存出来るので無駄を減らせて便利です。

4.11 その他工夫したこと

⇧ネオジム磁石を使ってハギーワギーの首元のリボンを固定

首元のリボンですが、首からぶら下げる形式にしたところ、ポーズを変えるたびにブラブラして位置が定まらない感じになったので、ハギーの胸元とリボンの裏に[⑳:ネオジム磁石角形 4-4-1 (MGNSQ441)]を埋め込み、取り外しができる構造で固定しました。

5. 完成品


正面
背面
側面1
側面2
背中:肩の関節が二重になっていることで猫背を再現できます。
顔のアップ:奥の歯は手前の歯より奥に見えるよう、ワントーン暗くペイントしました。
カメラ目線:眼球はまんまるなので、動かせます。
獲物発見イメージ
ダクトの中を再現:ダクトの模型を作り撮影しました。
背面に赤いライトを焚いたらキレイな感じに

さいごに


今回の制作は、もっと気軽に楽しむつもりでしたが、気づけば半年以上かかり、思いのほか作り込んでしまいました。。
ただ、その過程で今まで使ったことのない新しい素材や技術を試す機会があり、良い経験になりました。
特に、無臭・低臭の水性素材に慣れたことで、家庭でも作業が出来る環境を見つけることができたのが大きな収穫です。
次は3Dスカルプトにも挑戦したいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました!!

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