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過去に審査落ちを経験した2人が総合優勝と3位を獲得!Incubate Camp 17th振り返り(iiba逢澤さん、Josan-she's渡邊さん)

10月11日、12日の2日間に渡って開催された伝統のIncubate Camp。今回で17回目とのことですが、子育て特化のマッププラットフォーム『iiba』が総合優勝。そして3位には産後ケアエキスパート『ジョサンシーズ』が入りました。Incubate Camp女性初優勝という快挙でもあったそうです。

そんな激闘を繰り広げ、高評価を勝ち得てきたiiba逢澤さんJosan-she's渡邊さんを都内某所のデニーズにお呼びして、慰労するとともに、激闘の裏側をお聞きしてきましたので、ぜひお読みいただけたら嬉しいです。


過去に審査落ち経験あったので、応募するか悩んでいた


大柴:
まずはIncubate Campお疲れ様でした。そして逢澤さん総合優勝おめでとうございます!渡邊さん総合3位おめでとうございます!

逢澤・渡邊:ありがとうございます!!

大柴:逢澤さんはベストグロース賞では2位、渡邊さんはベストグロース賞1位、スポンサー・オーディエンス賞も1位(タイ)と2人とも受賞ラッシュ!素晴らしい!

逢澤:参加するか悩んでいたんですけど、良かったです。実は過去2回Incubate Campに応募したことがあって、その時は落選したんです。それで今回早い段階でインキュベイトファンドの(松本)美鈴さんから応募を勧められていたんですが、「どうしようかな」と悩んでました。

大柴:そうなんだ。過去にも応募したことあったんですね。

逢澤:はい。それで悩んでるうちに時間が経って、応募締め切り直前に美鈴さんからリマインドの連絡いただいて、覚悟を決めて応募しました。

大柴:なるほど、そういう経緯があったんですね。渡邊さんは?

渡邊:私も前回応募したけど落選したんですよ。

大柴:え、そうなんだ。全然知らなかった。

渡邊:そうなんですよ。でも株主の矢澤さん(Yazawa Ventures)、Partners Fundの山田さん中村さんに勧められて今回も応募してみました。けど「どうせ審査通らないよなー」と思ってました。


過酷な36時間


大柴:ところで、僕はIncubate Campに参加したことないんだけど、どんなスケジュールなんですか?

逢澤・渡邊:初日は8時品川集合で、バスで木更津移動。会場についたらまず最初のピッチがあります。そしてお昼ご飯。その後、13分×16人のVC壁打ち。壁打ちが終わると1回目のピッチの順位が出ます。そこでは上位5人だけ発表されます。そしてペア決め。ペアが決まったら各チームでMTG。資料作成などは0時まで。ホテルの部屋にチェックインしたら作業。適宜就寝準備。翌朝7時から朝食が用意されていて、11時に資料提出。昼ごはんの後に最終ピッチ。ピッチ終わったら撮影会があり、その流れで交流会。交流会の最中に最終結果発表。19時30分にバス発車。20時半くらいに品川解散。そんな流れです。

大柴:凄い過酷…いや、まじお疲れ様でした…。ていうか、あのプレスリリースで使われてた集合写真って結果発表後に撮ったんだと思ってた。前なんですね。

渡邊:私、ど真ん中です(笑)。

大柴:さすがですね(笑)。逢澤さんも真ん中近くだったから、てっきり受賞後かと思ってました。

逢澤:受賞前ですね、あれ(笑)。
私は前日に福岡でピッチに出てたんで、最終便で福岡から東京戻ってくるというハードなスケジュールでした。そして翌朝集合時間を間違えて、7時には品川についてました。集合時間を間違えなければもう1時間寝れたのに…。

渡邊:私も早めに到着したんですけど、逢澤さんがもう居て(笑)。一緒にお茶してました。あとキレートレモンとエナドリを買いだめました(笑)。絶対必要そうだから!!(笑)

大柴:いつも渡邊さんはエナドリ飲み過ぎなんで心配してたんですが、今回はまぁしょうがない!

フライドポテトが好きみたいです


勝負はキャンプ前から始まっていた


大柴:さて、今回女性初優勝だったらしいんだけど、そんな快挙を成し遂げたiiba逢澤さんに聞いていこうと思うんですが、キャンプ翌日にTipsをXに投稿されていました。内容被っちゃうかもだけど、ざっと発表までどんな流れだったか聞いてもいいですか?

逢澤:キャンプの選考通過が決まってから1ヶ月くらいあったのですが、その間に過去のIncubate Camp参加者やVCさんなどにヒアリングをし、アドバイスをもらいました。それと事業の数字を伸ばすためにチーム全員で頑張りました。他の参加者も素晴らしい起業家ばかりで、トラクションも十分な会社も多いだろうと。なので、私たちも当日までできる限り数字を伸ばし、足元のトラクション実績を持ってキャンプに臨みたかった。チーム全員で心を一つにして、喉が枯れるくらい営業頑張りました。

大柴:すごい。実際に数字も出ましたもんね。

逢澤:はい。かなり伸ばすことができました。資料もブラッシュアップしたし、数字も出たんでそれなりに自信が出てきていたんですが、キャンプ前日の福岡でのピッチが完全に不発に終わりまして…。

大柴:そうなの?

逢澤:全然刺さらなかったんですよ。反応も薄くて…。自信が無くなりました。自信もテンションも下がった状態で(おまけに疲労もすごい)初日を迎えました。

大柴:そうだったんだ。まぁでもそんな状態でもキャンプはスタートします。ペアはグローバルブレインをお辞めになったばかりの立岡さんでした。

逢澤:はい。立岡さんとは以前少しだけお話ししたことがあったので、今回タッグを組ませていただき嬉しかったです!立岡さんからのアドバイスを端的に言うと「無駄を省こう」という感じでした。私はいろいろやりたくなってしまい、資料も盛りだくさんになってしまう傾向があります。だけど、それだと伝わりにくくなってしまう。ですので、シンプルに伝えたいことを伝えるような見せ方に変えていくよう、アドバイスをもらいました。基本的には立岡さんのアドバイス通りに改善していきました。

大柴:ピッチ時間5分という短い時間で相手に伝えるためには、ある程度シンプルにしないと伝わらないですからね。

逢澤:その通りです。それと立岡さんからは、私が普段特に凄いと感じていないポイントを推してくださりました。自分では普通だと思ってたポイントが投資家からはそうやって見えるんだという気づきになりました。あと単純に推してくれるとポジティブな気持ちになりますね。

大柴:前日のトラウマからの回復…!

逢澤:夜まで資料作成して、部屋に戻ってからも資料作成の続きをしてたんですが、もう眠くて…キーを打ちながら眠りかける。そんな状態になってたので、思い切って寝ることにしました。翌朝は早めに起きて、資料作成の続き。でもこの段階では資料が腹落ちしていないというか。無駄を省いた結果「これでいいのかな」という迷いがありました。でも最終的には腹落ちし、納得感ある資料を完成することができたかなと思っています。あとは発表。練習あるのみ。時間まで発表の練習をしました。

木下さんが随時2人の動向を教えてくれていました。起業しろおじさん、ありがとう!


一生使えるスライドを作ろう


大柴:渡邊さんはどうでしたか?

渡邊:私も事前に株主のPartners Fundの山田さん、中村さんの協力のもと、何名かのVCさんに壁打ちする機会を作ってもらいました。そこである程度資料の方向性が磨かれました。

大柴:2人とも事前に準備をちゃんとしてたんですね。

渡邊:Incubate Campではインキュベイトファンドの方がサポート担当についてくれるのですが、私の担当になってくれたのは(株主の)Yazawa Venturesで以前インターンをしていたなかまりちゃん(中村真理さん)だったんです。私たちのことを知ってくれているので、スムーズにサポートしてくれて心強かった。めちゃくちゃ優秀なんですよ!

大柴:心理的にも良いですよね。知ってる人というのは。担当投資家は?

渡邊:ITVの中野さんでした。中野さんはご都合で2日目の朝にお帰りになってしまうとのことで、2日目からはインキュベイトファンドの和田さんが担当を引き継いでくださいました。

大柴:そうなんですね。お二人からのアドバイスはどうでしたか?

渡邊:二人ともJosan-she'sの事業に共感していただき、嬉しかったです。あと客観的に事業のアドバイスをもらえたのは良かったです。ずっと事業に向き合ってると「(知ってて)当然」みたいな感覚になっちゃうじゃないですか。でも「助産師」という存在だって、実は一般的には認知度高くなかったりする。特に男性には。

大柴:そうですよね。僕も渡邊さんからお話を聞くまでは正直助産師という存在を知らなかったんですよね。

渡邊:オーディエンスは男性が多いし、男性にも伝わるような資料にしないといけない。ある意味、原点に戻れた感じがしました。助産師を取り巻く環境、お母さんが抱える問題など、客観視して、わかりやすく伝える。そのためにはどういう資料にすればいいか。そんなことを議論しながら資料作成していきました。和田さんから「一生使えるスライドを作ろう」って言われて、感激しちゃいました!

大柴:一生使えるスライド…パワーワードっすね。かっこいい。

渡邊:最高のスライドができたと思います!

大柴:えー、見たい!今度見せてください!


結論、ファクト、ファクト、ポジティブ!


大柴:さぁ、そして緊張の最終ピッチ。どうでした?

渡邊:そりゃ緊張しましたよ。人生であんなに噛んだことないくらい噛みましたわ。

逢澤:いや、愛子さんの最終ピッチ、エグかったですよ。凄かった。1回目と話し方変えましたよね??

渡邊:なかまりちゃんのアドバイスでいろいろ調整しました。

逢澤:質疑応答も凄かった。全ての質問に完璧に答えてて。

渡邊:想定質問、回答もなかまりちゃんと一緒に考えました。それに加えて和田さんから「ポジティブに終わるように」とアドバイスもらってて。

逢澤:結論、ファクト、ファクト、ポジティブ!」で完璧でした!!

大柴:「結論、ファクト、ファクト、ポジティブ!」(笑)。逢澤さん、大絶賛じゃん(笑)。一方で優勝した逢澤さんのピッチはどうだったん?

渡邊:え?「完璧やん」って感じ。

大柴:なにそれ(笑)

渡邊:わかりやすいし、めちゃ上手い。完璧。

逢澤:ありがとう(笑)。

ハンバーグセットとシーザーサラダ、フライドポテトを食べてご満悦の2人


こちらも「本気でやらないと」という気持ちになる素晴らしいイベント


大柴:(Incubate Camp振り返り以外にも話が多岐に渡ってしまい)もう5時間も話してるんで、そろそろ締めたいんですが、Incubate Campを振り返って総括というか、そういうのをお聞きしたいんだけど、どうですか?

逢澤:とにかく主将(Campのリーダー的な役割)の美鈴さんを始め、インキュベイトファンドの皆さんが素晴らしかったというのを言いたいです。準備段階からCamp期間中通してサポートが行き届いていて、素晴らしい運営でした。

渡邊:サポートについてくれたインキュベイトファンドのメンバーの方々も素晴らしくて、寄り添ってくれて。参加されたVCの方々含め、コミットがすごいんですよ。あれだけしてくれたら、こちらも「本気でやらないと」という気持ちになります

大柴:なるほど。インキュベイトファンドの方々、参加された方々、みなさん素晴らしいっすね。

渡邊:こんなに事業のことについて長時間集中して有識者と語れることはないので、すごい良い時間だったなって思いました。

逢澤:私はけっこういろんなアクセラやプログラムに参加してきたんですが、今回のIncubate Campは一番フェアに見てくれた感覚があります。メンター、審査員に「ちゃんと聞いてもらえた」感があって本当に嬉しかった。この素晴らしい体験ができたのも美鈴さんの努力の賜物だなって感じます。

大柴:(美鈴さんの)midiumも拝読させてもらったんですが、様々な取り組み、努力をされてて素晴らしいなって思いました。そういう前提はあったとは思いますが、逢澤さんがこの一年頑張ってサービスを成長させてきたのも大きいと思いますよ。フェアなジャッジだったからこそ、事業の進捗が優勝の大きな要因だったと思うし。渡邊さんも同じようにこれまで事業を頑張ってきて、成果も出てきた。だからこその受賞だと思うんで、そこは純粋に誇ってよいと思います。

逢澤・渡邊:ありがとうございます!

大柴:いや、しかしだよ、渡邊さん。Josan-she'sが受賞決まってすぐにプレスリリース出たじゃないですか。あれってどうしてたの?

渡邊:「絶対賞を取るから!」って、リリースの準備してもらっていて、配信に向けて夜も待機してもらってました!

逢澤:帰りのバスの中でコメント打ってましたね(笑)。

渡邊:「過酷な二日間でしたが」ってね(笑)。バスの中からインキュベイトファンドさんにプレスの確認とかもしました。その日のうちにプレスリリース打てて良かったです。チームメンバーに感謝です!

大柴:iibaの事前の数字作りもそうだけど、今回の2社の好成績はチームの勝利ですね!

逢澤・渡邊:本当にその通りです!

大柴:さて、いい加減長くなったので、この辺で終わろうと思います。それにしても改めて二人ともお疲れさまでした。

逢澤:ありがとうございます。さすがに疲れたんですが、何日か家を空けてたんで、しっかり日曜日は子供と遊びました。

大柴:大変だー。

渡邊:Camp初日の夜、疲れすぎてお風呂で溺れかけたりしましたが(笑)、良い時間過ごせました。品川について疲れすぎてたんで、30分だけマッサージに行ってから帰宅しました。寝ちゃいそうだったので、マッサージ受けてる時間、ずっとスマホ見てました(笑)。ちなみに翌日は私も子供連れて遊びに行きました。

大柴:子育てと経営の両立、ほんとすごいなと思います。これからも無理しすぎず、頑張ってください!

逢澤・渡邊:はい!ありがとうございます!



【お話ししてくれた方】
株式会社iiba 代表取締役 逢澤奈菜さん
株式会社Josan-she’s 代表取締役CEO 渡邊愛子さん
【聞き手、書き手】
takanori1976

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Takanori Oshiba
ゆるゆると書いています