27年経っても恋の行方を左右するのは電話
昨日から地上波で実に14年ぶり7度目の”東京ラブストーリー”の再放送がスタートした。(BSフジなんかでは結構再放送していた)
Yahoo!ニュースにもなるくらいネット界隈ではザワついていて、東京ラブストーリーが最初に放送されたのは小学生だった僕は、沢山の恋愛のイロハをこのドラマから学んだ。
27年という時間は結構長くて、今日もほんの少しだけ観る機会があったのだけど、服装やらメイクやら外見的なものから、東京自体の街並みの変化、そして画面のアナログ画質。。。27年前との違いを挙げればキリがない。
Twitterでも、今を生きる人達と27年前との違いを挙げている人に加えて、自分自身の27年前自体を振り返っている人も。
これが10年くらい前だと、結構時間は経っているものの、当時買った服も着れたりして、実際10年前のCanCanやAne-Canを観てもモデルが着る服は大きく変わっていない。
但し、スマホを持つことが当たり前の時代になって、電話の価値観だったり、形状だったり、果たすことの出来る役割は劇的に変化した。
東京ラブストーリーでも、公衆電話を使っている人が当たり前、ポケベルや携帯電話の駆け出しみたいな感じで、とにかく大きくてとてもじゃないけど携帯するのも一苦労の大きさだった。
そんな電話として劇的な形状の変化を遂げても結局携帯電話は電話なのだ。
このドラマの恋愛を左右する幾つかのターニングポイントも電話で、それが例え家デンであっても、かけるタイミングや出るタイミングで物語は大きく変わって行った。
東京ラブストーリーの最終回なんかは携帯電話があれば、メールやラインがあの当時存在していたなら、世論の大勢を味方に付けた赤名リカに軍配は上がって、月9史上最大のハッピーエンドで終わっていたかもしれない。
ツイッターやYahoo!ニュースでも「携帯やLINE、メールが当たり前の現代では成立し得なかった恋愛ドラマ」みたいな論説を散見したけど、果たしてそれはどうか?!
確かに連絡が取れない事によって不便を感じる事が日常的だった時代から、常に恋人に限らず連絡を取り合える携帯電話に当時の様なすれ違いを生じさせるような、視聴者をヤキモキさせるようなシチュエーションは現代において解消できたのか⁉︎
僕はやっぱりいつの時代も恋愛巧者というのは、その時代時代において、その恋愛対象に応じて電話を使いこなしている人のことだと思っている。
スマホが当たり前になった時代でも、ガラケーを未だに使い続けている人もいるし、LINEが嫌いだと言って使わない人もいる。
僕はその価値観と言うのは恋愛ではとても大きいと思っている。
つまり、ガラケーを持ち続けている人と言うのは、そのガラケーを持つ自分に一種の信念みたいなものがあるのだろうし、そう言う人を好きになったら、その価値観は十分に観察する必要がある。
LINEをやる人同士でも、既読が付くのが遅い人、スタンプを使う人、課金スタンプを使う人でそれぞれ価値観が違う。
僕の経験則では、課金してまでスタンプを買わない人は恋にも課金しない人だと思っていて、もっと簡単に言い換えればケチに近いものがあると言っても良いくらい。
だから、東京ラブストーリーの時代でも今の時代でも、電話の使い方や連絡の頻度、携帯依存度と言うのは人それぞれで大きな価値観が生じる。
例えば、僕はいつも恋愛相談された相手に「相手の携帯番号を暗記していますか?」っと聞く事にしている。
何故これを聞くのかと言うと、携帯電話が非常時に使えなくても、もしくは携帯電話を忘れてしまっても、自分でプッシュ番号を押して相手に連絡が出来るくらい大切な相手なのかどうなのかと言う確認。
ここでそう言うアドバイスをして暗記をしたからと言って、恋愛相談の案件が快方に向かったりする事がある訳ではないけれど、僕の尺度としてその恋愛対象は相談者にとっての本気度はわかる。
実際僕は今の妻の番号は当然暗記していて、それは交際当時から暗記している。
何故暗記できたかと言うと、末4桁が僕の誕生日だったからだ。
これはお惚気では無くて、僕の前に付き合っていた人と僕は同じ誕生日だったから。
1年365日もある中で、年齢も誕生日も元カレと同じ僕を良く選んでくれたと思っている。
きっと妻は僕の番号は暗記していないだろうけど、、、
話は少し脱線してしまったけど、結婚しても毎日妻とはLINEをするし、それは日常のたわいもない内容なのだけど、交際当時から電話で話すと言うことは殆どしなかったので、僕らにはLINEが向いていたのだと思う。
そもそも携帯に依存していたり、LINE中毒であったりしても、結局のところはそれら連絡手段、強いては電話をめぐる価値観でストレスを感じるような相手なら僕はその人との恋愛は再考に値すると思う。
連絡手段にストレスを感じて同棲したりしても、そのストレスは解消できない。
逆にもっともっと相手との価値観の違いに気付く事になるからだ。
結婚をして毎日顔を合わせている夫婦ですら、その顔を合わせている時以外にも語り尽くせない事もあるし、面と向かって言いづらい事もあるのだから、その意思伝達手段は文字に化けて、時にはスタンプに化けて伝える事で、言葉だけで伝える事よりもニュアンスが柔らかくなったりする事もある。
たらればで考えるのは余り好きではないのだけど、もし東京ラブストーリーの主人公達が、携帯電話を携帯できて、メールやLINEで意思疎通が可能な時代に恋愛を繰り広げていたとしたら、、、
お互いに恋愛対象にならなかったのではないかと思う。
カンチはもっと優柔不断になっていただろうし、既読が付くのが遅くてリカはイラついて、もっと自分の価値観を押し付けただろうし、三上くんは医者よりももっとチャラチャラした職業を選んだろうし、長崎直子は三上くんには出逢わなかったかも知れない。さとみはガラケーも携帯も持たない女性だったかも知れない。
考えればキリがないのが恋愛だ。