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#36 あなたが音楽を続ける理由は、なんですか。
遠征先、群馬からの帰り道にある1軒のハンバーグ屋。
北関東特有の、だだっ広い店の駐車場に停めた狭いハイエースの中で
バンドメンバーに囲まれながら、11/7に30歳の誕生日を迎えた。
仕事上の提案書が少し上達したと言われただけで全身に汗をかくほど
褒められたり、お祝いされることになれていない。
だからその瞬間は、爆笑することしかできなかった。機材車から吹っ飛ぶんじゃ無いかってくらい喜びを感じているのに。
普段、バンドマンの個人SNSで目にする「〇〇歳になりました」的な発信に対して「お前の誕生日がなんぼのもんじゃい」と思っているのに、当の本人がTwitterやインスタストーリーではなく、半年間放置されたnoteの重い腰を上げて発信しているのはなんとも皮肉なものである。
30歳を迎えても、バンドをやっている
やれている、やらせてもらっている。幸運にも
レーベルから全国流通をさせてもらっているのも
俺個人の人生でいえば、奇跡のような出来事だと感じている。
20歳の時には、全く想像できなかった。
しかし、誤解を恐れずにいうと、その活動は世間一般からみたら「趣味」でカテゴライズされるのがワーキング(家庭持ち)バンドマン。
などなど、たくさんの20代の経験からくる持論について、
祝われた後の帰りの関越道で1人考えていた。
その結果、最終的に行き着くのは
「あなたが音楽を続ける理由は、なんですか。」
という自分への問いかけ。
例を挙げるのが難しいほど多様な考え方があるし、1人がいくつ答えをもっていて良いし。その結果新しい価値観にも出会った。
俺は前提として、性格や仕事はじめとした人生経験を経て
・効率厨
・判断基準で損得優勢
・合理性や意味を求める
といったドライに映る部分がでかい人間だと思っている。
けどその考え方は大事だと思ってる
良い時もあれば悪い時もあるけど。
しかし、こと、音楽(特にバンド活動)となると、想いや熱量といった感情が非常に重要だ。人の心を動かす為に表現をするのだから。
歳を重ね、一丁前に仕事で経験を積んでくると、その実績の気持ちよさをバンドのコミュニティでも持ち込んで、前述した感情は濃度を落として、気づけばドライで嫌な感じのやつが簡単に出来上がる。
そんな時に、お客さんや身の回りの仲間から受けるピュアな気持ちっていうのは、忘れていた「人として」大切な愛情だったりを思い出させてくれるんだな、ということに気付かされた気がする。
家族でも仕事仲間でもない特別な関係性で続けるバンド。
そこにいたから、気づけたんだと確信している。俺の場合は。
改めて、俺の性格は
・効率厨
・判断基準で損得優勢
・合理性や意味を求める
そんな俺が30歳になった今音楽を続ける理由は
「忘れてはいけないことを、思い出させてくれる」
からである。
これを読んでくれているバンドマンに問いたい。
「あなたが音楽を続ける理由は、なんですか。」