見出し画像

“車の墓場”を第二の「ごみの島」にしないために我々が取り組むべきこと

「車の墓場」と昨日報道されたずらりと並ぶ路上放置車を確認しに新木場3丁目へ。言葉を失うということはこのことか。あまりにひどすぎる。しかもこの光景が我が江東区であることに強いショックを受ける。新木場は工場や倉庫が立ち並ぶ工業地域で、ほぼ人は住んでいない。その先に若洲があるが、バスの本数も少なく、特にコロナ禍以降は完全に「死角」になっていた。新木場駅から新木場agehaの跡地を少し先に行くと、常態化した路上駐車の列で、自転車が車道を通ることはもはやできない。さらに進むとナンバープレートはおろかタイヤもない放置自動車と路上駐車が交互に並ぶ光景が目に飛び込んでくる。多くのドラム缶も道路に放置され行く手を塞ぐ。極めて危険。だが、誰も気にも留めない。バス停で待つ人も。バスすらも。

こうした光景というのは、実は都議選落選後に派遣会社の役員をした時に川崎からバスでほど近い冷凍冷蔵倉庫群がある場所を訪問した際にも見たことがある。江東区新木場は、都市計画法の用途地域としては多くが準工業地域なのだが、住民がいないというところが、”スラム化”に拍車をかける。人が住まない家は傷みが早いというが、人が住まない地域もルールとメンテナンスがないと痛むのが早い。住民の声がないからだ。迷惑する人がいないので、ゴミは捨て放題、しまいには車も捨て放題。車が捨てられるとタイヤや金属は盗まれ、車の中に粗大ゴミが捨てられる。働く人はいるが、住民がいないので関心はない。住民がいないので、取り締まる警官も少ない。交番は駅前にあるだけ。

江東区は人口密度が高いとか、人口増加中と言っているが、それは集合住宅が多いだけで、実は土地の半分ぐらいにしか人は住んでいない。有明の先、東雲2丁目、辰巳2丁目、3丁目、塩浜の半分、越中島の大部分、枝川2丁目、潮見2丁目、新砂から南などあげればキリがない。

こうした住民の目が届かないが、大切な地域を守るためにも何かしらの対策が必要。早く手を打たなければ、第二の「ごみの島」ができるだろう。これらは埋め立てることができないごみであり、放置を許すと増え、いずれ多大な代償を払うことになる。

そして、埋め立て地の大部分が都有地ではあるが、江東区としてしっかりとしてビジョンを持って、転換を目指すならば、ゼロカーボン、排ガス規制、車中心の道路から自転車やベビーカー、歩行者に優しい道路などの政策を本気で考えていかねばならない。永代通りのトラックや貨物車の路上駐車の問題もある通り、車は必ずそこに至るまでには住宅のある場所を通るのであり、地域を分ければいいというものではない。人口増加する江東区。様々な場所にマンションができ人が住むだろう。そうなってからでは遅い。これからの魅力あるまちづくりのためにも問題提起をしていきたいと考えています。

都内最大級の若洲公園を作る前に、その隣にある都内最大級の放置路上車をまずなんとかしませんか。ここを通って若洲に行くのだから。

高野はやと@江東区

高野はやと@江東区