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一級建築士製図試験:計画の要点メモ(独学者支援)

【注意事項】

・当時、私が勉強した時にWordにメモしたものをそのままコピペしたものです。
・室名等は当時の課題そのまま記載していますので適宜置き換えてください。
イメージがつきにくい場合は自分で図を作成してみることをお勧めします。
・「計画の要点」は最近は内容が大きく変化しつつあるので
ご了承願います。
・誤字脱字等があるかもしれません。
また「?」と思った内容もそのまま記載しております。
が、ほとんど使える知識ですのでご利用ください。


設備計画・省エネ

【空調方式】
空冷ヒートポンプパッケージ方式(床置きダクト接続型)
・プレイルームは子供達が運動や遊び等、多目的に活動する場として利用する部屋で、天井高さ6.5mの大空間であるため、足元まで暖気が届き安定した温度分布が得られる空調方式を採用した。省エネルギー性に優れ、メンテナンスが容易であることも採用した理由の一つである。
・天井高が高いことから、暖房時には暖気が天井付近に滞留しやすいため、吹出し能力の高い空冷ヒートポンプパッケージ方式床置きダクト接続型を採用し、床面近くで吸込みを行い、室内空気を還流させるよう考慮した。また、室内の省エネ換気に配慮し、全熱交換器を用いて新鮮空気の入替ができるようにした。
 
【客室の空調設備計画】
・空調方式は客室ごとに冷房・暖房の選択ができ、省エネルギー性が高く環境負荷低減が望める空冷ヒートポンプパッケージ方式を採用した。
・換気や省エネルギーを考慮して外気処理機を自動販売機コーナー天井ふところ部分に設置し、予鈴熱した外気を廊下に供給、パスダクトで客室に取り込み、各客室から排気を行うことで新鮮空気がよどみなく循環する空調計画とした。
 
【空調機械室、DSの配置】
空調機械室は外気を取入れやすい外壁に面し、メンテナンスがしやすく、客室から離れた位置とするため1階の管理部門に設けた。DSは各階へ送る縦のDSを空調機械室付近に設け、各階の天井裏を横引きDSとし、各階へ配管した。
 
【厨房の排気計画、DSルート】
・厨房の直上で住戸の北側となる1階の屋上に排気ファンを計画し、上階の住戸に対して、厨房排気の臭気や煙に配慮した。
・排気ファンを厨房の直上にすることで排気フードから天井を経由する短いダクトルートにより、圧力損失は少なくなるように考慮した。
 
【給水方式と設備スペースの規模・位置】
・浴室や住戸による集中利用時にも安定した水圧、水量で給水でき、断水時にも一時的に給水ができるように、受水槽を用いるポンプ直送方式を採用した。
・受水槽容量はデイサービス6㎥、集合住宅6㎥、合計12㎥と概算し、受水槽及び給水ポンプを設置のための設備スペースとして約30㎥の設備機械室を計画した。
 
【給湯方式】
・デイサービス部門は浴室と厨房において多量の給湯が必要と想定されるため、熱効率の良いマルチタイプのガス瞬間湯沸かし器を採用した。
・集合住宅部門は入居者が高齢者であり、ガス漏れなどによる事故を防止するため、熱源は全て電気を使用し、安全性の高い電気温水器を採用した。
 
【給湯設備計画】
・ボイラーは屋内に設けることが望ましく、火気を伴うため、区画された機械室に設置し、その規模は、ボイラーと貯湯槽で30㎡程度必要となる。またメンテナンスを考慮して屋外に面して配置する。油焚きの場合は地中に油タンクを設ける。
・ヒートポンプ給湯器を地上または屋上に設置し、付属して貯湯槽を隣接して機械室に設置した。ヒートポンプ給湯器は1m×1mで2機程度必要で、貯湯槽はメンテナンススペースを含み20㎡程度のスペースを確保する。
・大気中の熱を利用するヒートポンプ給湯器は省エネルギーに有効であり、かつ環境に優しいことや、火気を使用しないことから安全性に優れることを考慮して電動空冷ヒートポンプ方式を採用した。
・温浴部門の浴室については営業時間中に常時大量の給湯を必要とすることから、熱源をボイラーとした中央熱源方式を採用した。浴室の下部に循環ろ過設備とともに熱源、貯湯槽を設置し、ポンプの搬送動力や配管からの放熱量を削減する計画とした。
・客室についても同様に、熱源を一元化するため、機械室の貯湯槽から給湯を行い、各階に設けたPSより配管する計画とした。
 
【集合住宅部門に採用した受変電設備】
・集合住宅部門は単身者用30戸、夫婦用3戸、食堂等の共用部が要求されており、高圧受電が必要と考えられるため、借室電気室を設け、各戸、各室に供給する計画とした。
・借室電気室の規模は約20㎡とし、1階に配置し、直接外部からアプローチできるように出入口を設けた。
 
【断面計画、PS】
水廻りからシャフトまでのスラブを200mm下げ、スラブ上で配管することにより下階への漏水や遮音に配慮した。
MB・PSは各階同位置とし、幹線ルートを短くするとともに、各階の廊下に面して点検口を計画することでメンテナンスに配慮した。
 
【光熱費削減(設備)】
換気設備方式として全熱交換器を採用し、給排気に伴う外気負荷を低減し、空調負荷を減らすことで電気料金の削減を図った。また、照明器具にはLEDなどの消費電力の少ない照明器具を採用し、場所によって人感センサーや照度センサー等を活用することで同じく電気料金の削減を図った。さらに節水型の衛生器具を採用し使用水量を削減するとともにポンプ動力の節減を図った。
 
【建築物の環境負荷低減】
・屋上緑化を行うことにより、日射熱の流入を抑え、水分の蒸発による冷却効果を図った。
・南面の開口部は1階・2階には庇を、3階には水平ルーバーを設けることで、日射調整を行う計画とした。
・設備的な対応として、LED照明、センサー制御、ヒートポンプ式熱源、節水型器具などの採用により、環境負荷低減に配慮した。
 
【吹抜けの省エネ】
・エントランスホールや吹抜けの外部に面する部分を開口とすることや上部にトップライトを設けることで北側部分にも安定した採光を確保する計画とした。
吹抜け上部や3階の共用部分にも開閉式のトップライトを設けることで気圧差による自然換気・通風を促し、中間期の空調負荷を低減する計画とした。
・自然採光、自然通風を積極的に取入れるために建物の中央部分に配置した。特に中間期の自然通風を促進するために最上部を1層分立ち上げ、ドラフト効果を活用した。廊下の間仕切りは欄間を設けることで外から事務室に風を取入れ、廊下を経由して吹抜けの頂部から排出される「風のみち」をつくる計画とした。頂部の窓は突出し窓を4周に設け、卓越風の風向に応じて開閉できるようにした。
 
【自然採光の確保、空調エネルギー抑制】
・南側の公園に面した2階に天井の高い空間で計画し、2層分の大きな開口部及びトップライトを計画することで自然採光を確保した。
・温水プール室を南東面に配置し、開口部を広く計画することやトップライトから直接日射を取り込み、暖房にかかる空調用エネルギーの抑制を図る計画とした。
 
【冷房時の日射負荷抑制のための窓面】
・東面、西面の窓を基本的に無くし南面の2階から5階の窓は充分開放感のある高さとした腰窓として窓面積が必要以上に大きくならないようにする。ガラスはLow-E複層ガラスとして、窓上部にルーバーの庇を設け、夏の日射を遮蔽し、必要な時は冬の日射を得られる計画とした。
 
【太陽熱】
太陽熱集熱パネルを屋上に設置し、温水を作り給湯や床暖房の熱源として利用することで燃料消費量とCO2排出量の削減を図った。
 
【井水】
井戸からポンプアップした水を雑用水(トイレ等)として利用し、水道使用量を削減した。また、緑化への散水にも利用し気化による熱負荷の制御を図った。さらに手動ポンプを設置し、災害時でも水を確保できるようにした。
 
【地中熱】
地中に埋設した地中熱交換器から取り出したエネルギーを冷暖房や給湯のヒートポンプの熱源として利用することで、電力消費量とCO2排出量の削減を図った。
 
【設備の災害対策】
・給水には受水槽方式の一つであるポンプ直送方式を採用し、受水槽を建物内に設置することで、断水時にも貯水分の給水を可能にする計画とした。また、緊急排水槽を設け、排水機能を維持できる計画とした。
・給水方式として、受水槽を持つポンプ直送方式を採用し、受水槽分の給水を可能とした。また、水道本管の破損により供給不能となった場合に備え、飲料水、簡易トイレ等を備蓄倉庫に確保する計画とした。
・発電機設備を建物内に設置し、長時間の停電に対応できるバックアップ電源を確保した。また、屋上に太陽光発電パネルを設置することで、コンセント等の補助電源も確保した。
・長時間の停電に対応できるよう自家発電設備を屋上に設けた。また、燃料については3日分以上を備蓄した。その他、屋上に太陽光発電パネルと蓄電池を設置することで補助電源として使用できるよう計画した。
・機器の転倒及び損傷を防止するため、防振架台を採用し、耐震ボルトで固定した。機器に接続する配管やダクトは、変位の集中による脱落や破損を防止するため、耐震用支持材や固定材を使用し、接続部には可とう継手を用いた。
 
【開架スペースの照明計画】
・閲覧席の机上平均照度は750lx以上とした。
・均斉度を高めるため、光源面と作業面の垂直距離に対して照明器具の感覚を2.3m~2.4mで配置を調整し、書架部分にも照明が適切に行き届くよう考慮した。
・初期照度補正制御や昼光補正制御を行い、適正照度の維持と省エネルギーを図った。
・児童開架スペースやお話コーナーには、一部に暖色系の光源を用いるなど、優しい雰囲気を創る計画とした。
 
【貸事務室の照明計画】
・照明器具はスパン割を考慮し2m間隔のライン照明とすることで室内の照度分布が均等になるとともに、オフィスレイアウトがしやすい計画とした。全般照明の照度は机上面で十分に確保できる計画として、照明器具にはルーバーを設け、直接光源が視界に入らないようにしてグレアを防止する計画とした。
・蛍光灯型のLED照明として電灯のエリア分けを細かく設定することで省エネに配慮した。

建築計画

【周辺環境】
施設利用者のアプローチは商業施設が建ち並び、歩道のある幅員16mの南側道路からとし、東側道路からの管理サービス動線と明確に分けて計画した。
子育て支援部門の外部に計画する運動広場は日照を確保しやすい南側とした。利用する子供達の安全を確保するため、外部から直接出入りができないように運動広場の周囲にはフェンス(H=1.8m)を計画した。
 
【周辺環境・配置計画】
敷地西側にある小学校からの児童の動線を考慮し、北側道路に面して建築物の主出入口を計画した。また、保育所部門の保育室、乳児室及びほふく室を環境のよい南側の公園に面して計画し、屋外遊技場を取り囲むように建築物をL型に計画した。
 
【敷地条件を踏まえた動線計画・ゾーニング】
・東と北に接する道路とその角地に計画するオープンスペースという敷地条件を踏まえ、基準階においては東側と北側に事務室、隣地側になる南側にコアを配置し、東と北面がビルのファサードとなる計画とした。
・1階の北東角のオープンスペースに面する部分はレストランとラウンジを配置し、視覚的コミュニケーションが生まれやすい配置とした。
・駐車場は東からの乗り入れが禁止されているため、ビルのファサードづくりに支障にならないように敷地の北西部分に配置した。
 
【建築物の配置計画・アプローチ計画】
・南側道路及び東側道路が同幅員であることから、間口の広い南側道路をメインアプローチとし、東側道路をサービスアプローチとして利用者と管理者の動線が交差しないように計画したほか、地下駐車場へのアプローチは北側の歩道のない道路から計画し歩車分離に配慮した。北側道路は幅員が6mであることから道路斜線による建築物高さ制限への適合と道路側への圧迫感を低減するため、建物2階部分からセットバックさせる計画とした。
 
【アプローチ、屋外施設】
・居住者・利用者の主たるアプローチを幅員が広く見通しの良い北側道路からとし、商店街との連続性に配慮して東側道路からもアプローチできるようにした。スタッフのアプローチは、利用者と明確に分ける計画とした。
・利用者用・サービス用駐車場は明確に分ける計画とし、車椅子使用者用駐車場は、バリアフリーを考慮して主出入口に近い位置に計画した。車寄せは利用者の利便性に配慮してエントランスホールの正面に計画した。
 
【アプローチ】
・利用者の利便性やより多くの人の流れを促すため、東側西側にそれぞれ出入口を設け、建築物内で通り抜けのできる計画とした。
・通用口及び荷解室へのアプローチは、サービス用車両とのかかわりが必要なことから、車道に面する東側からとした。
 
【ゾーニング、諸室配置】
・部門は階ごとにまとめて計画することで、利用者にわかりやすい明快なゾーニング計画とした。
・2階には、ものつくり体験部門を北側にまとめて計画し、宿泊者の利用を考慮して浴室をエレベーターホールに面して設けた。
・プライバシーやセキュリティを考慮して、宿泊部門は3階にまとめて計画し、他の部門と明確に分離した。また、宿泊室を東西に向けて眺望にも配慮した。
 
【ゾーニング、配置計画】
・児童・子育て支援部門は、児童の利用時間以外のプレイルームの一般利用を考慮して、管理・共用部門とともに1階にまとめて計画し、エントランスホールからアクセスしやすい配置とした。
・図書館部門は2階、3階に計画し、室の用途を考慮して対象年齢ごとにフロアを分けることでわかりやすく利用しやすい計画とした。
 
【駐車場、車寄せの計画及び動線計画】
・計画敷地は1面接道であるため、利用者の動線とサービスの動線が交差しないよう利用者のアプローチを東側にまとめ、サービスのアプローチは西側にまとめた。
・駐車場及び車寄せは、送迎車や駐車車両がスムーズに移動できるよう、通り抜けの車路を計画し、駐車場も車路から直接アプローチできるように配慮した。
 
【屋外施設計画(ものづくりプラザ)】
・旧街道の街並みを活かし、活性化を促すために郷土資料館に面した南西角に配置した。
・東側道路からも直接アプローチできるように通路を計画し、大勢の人が集まりやすくなるように考慮した。
・建物内部との結びつきを高めるため、エントランスホール、展示コーナー、コンセプトルームに面した位置に配置した。
 
【一体的利用】
・北側及び西側の視認性のよい位置に出口を設け、カルチャーセンター等の利用者も気軽に立ち寄れる計画とした。
・コンセプトルーム及び健康相談室をエントランスの西側及び北側の出口に近接させて配置することで利用者がアクセスしやすく、本建物に限らず隣地の既存建物やグラウンドの利用者が一体的に使用できる計画とした。
 
【履き替え、利用時間】
子育て支援部門は受付ホールのわかりやすい位置に下足箱を設け、部門内を裸足または上履きで利用できる計画とした。また、利用時間が他部門より短いため、まとまったゾーニングとし、エントランスホールに面した出入口で施錠できるように計画した。
 
【履き替え】
・児童館・子育て支援部門はエントランスホールに隣接して設けた受付前に、保育所部門は保育所玄関に、はきかえスペースを設けた。また、屋外遊技場へは各保育室から直接出入りできるようにするとともに、昇降口を設け利便性に配慮した。
・下足エリアはコンセプトルーム及び管理・共用部門とし、エントランスホールに下足コーナーを設け、1階の健康増進部門及び2,3階を上足エリアとした。
・動線計画については利用者が建物内部の東西南北の出口を見通せる計画とするとともに、エントランスホールを下足のまま通り抜けられることで利用しやすい計画とした。
 
【履き替え等に配慮した各部門のゾーニング及び動線計画】
・1階に共用・管理部門、2階に温浴部門をまとめて計画し、明快な動線となるよう2階のエレベーターを降りたスペースで上下足を履き替える計画とした。
・基準階の計画したホテル部門の宿泊客が、室内履きで直接温浴部門を利用できるよう考慮し、2階にも宿泊客用エレベーターを着床させる計画とした。
 
【セキュリティ】
・各部門の利用者の入退館をそれぞれ確認できる位置に受付及び事務室①を配置した。また、屋外遊技場に連絡する屋外通路及び公園への出入口には、施錠ができる門扉を設けるとともに、外周にはフェンスを設置することで部外者の侵入を防ぐ計画とした。
・1階エントランスホールのレセプションとセキュリティゲートで一元的にオフィス部門とテナント部門のゾーン分けと管理を行うこととし、オフィス部門の共用会議室も案内カウンターともどもセキュリティゲート内のゾーンに計画することで階段・エレベーターを含め、オフィス部門のセキュリティを確保した。
 
【動線計画・セキュリティ】
・建物の主たる出入口は車両の出入りの無い東側道路に設けた。駐車場の出入りは北側と西側道路の2面を活用し、歩行者の出入りと明確に分離した。駐車場側にサブエントランスを設けることで東西両方からアクセスできる計画とした。
・セキュリティについては各テナントの利用時間が異なることを想定し、各テナントの扉はカードキーなどで出入り管理をする計画とした。レストランは外から直接出入口を設けることで時間外も営業ができ、エントランスホールは閉鎖できる計画とした。
・時間外の入退出はビル管理室に面した通用口とし、警備と連動した鍵管理を行う計画とした。
・テナント部門は1階エントランスホールの周囲に集約し、オフィス部門とのセキュリティに配慮した上でアクセスしやすい計画とし、レストランと厨房の計画はサービス駐車場からのサービス動線や各階のケータリングサービス動線を管理側ゾーン内に計画することで、利用者(入居者)と管理者(管理職員)のゾーンを明確にゾーニングする計画とした。
 
【セキュリティ、平面計画】
・住宅部門の階段、エレベーターへ至る動線を明確に計画するとともに、入退室をチェックしやすい位置に管理人室を配置した。
・片側廊下型の住棟形式とし、住戸を全て南側に面することで良好な住環境を確保した。屋上庭園は公園との一体性に配慮して西側に計画した。
・メインエントランスとサブエントランスの2カ所の入り口があるため、両方の管理が出来る位置に管理事務所を設け、守衛室をサブエントランスに隣接させることで時間外の入退所への対応ができる計画とした。
・2階会議スペースの入退所は1階の管理事務所での受け付けを経て入退所する計画とした。
・エレベーターホール前にカードリーダーを設置して関係者以外の上階への出入りを避ける計画とした。
 
【避難計画】
・建物の東西に2つの屋内避難階段を配置し、各室からの重複距離が短くなるように計画するとともに、避難時に見通しのよい直線上の廊下となるように計画し避難の安全性を担保した。
・南北の各エントランスからの避難経路を確保し敷地内通路は道路まで段差の無い計画とした。
・「建築物移動等円滑化基準」より高度な「建築物移動等円滑化誘導基準」に準拠した廊下の幅員を確保することで多数の利用者が安全に避難できるように配慮した。
 
【諸室計画】
プレイルームはその使用目的から、子供達が日当たりの良い明るい空間で、安全かつ自由に運動が行なえるように南側に配置し、無柱空間の計画とした。
運動広場へと繋がる南面に大きな開口部を計画し、また、天井には開閉式のトップライトを設けることで、十分な採光と通風を確保できる計画とした。
運動広場と一体的に利用ができるよう1スパンに1カ所ずつ出入口を計画した。
 
【事務室のフレキシビリティ、室内環境】
・3つの事務室は奥行きが約12m~14mの整形な無柱空間とし、北側に2室、東に1室を配置し、融通性のある貸方が出来るように各事務室とも概ね半分に分割できる形状とした。均等スパンとそれに対応したモジュールの家具配置、設備や照明の配置により、組織や働き方の変化に応じて柔軟に対応できる計画とした。
・室内環境については安定した採光が確保できる北面を採光面としてフルに活用し、日射負荷の大きい西面には窓を設けない計画とした。
 
【要求室の配置】
・デイサービス部門を2階にまとめて計画し、利用者動線及びスタッフ動線を短くすることで利用及び管理運営のしやすさを考慮した。
・スタッフルームを中心に利用者の主要な機能訓練室、浴室、及び吹抜けを環境の良い公園に面するよう配置した。
 
【エントランスホール、吹抜け】
・デイサービス、住宅、レストラン及びギャラリーへの利用者動線を短くするため建物の中央に計画した。
・南側の公園に面して吹抜けを計画することで、公園の景観を建物内に取り込み、施設全体が明るく開放的な空間となるようにした。
 
【住棟の計画について、その位置とした理由及び周辺環境について配慮したこと】
・各住戸に均等な日照を確保できるよう、全ての住戸を南面させた片廊下型の住棟形式とした。
・敷地の南側が一戸建住宅地、北側が道路であるため、南側の住宅地のプライバシー及び採光に配慮し、住棟の計画位置を北側に寄せて計画した。
 
【集合住宅部門の食堂、談話室の計画についてその位置とした理由及び周辺環境】
・高齢者にとって日々の生活の中で楽しみである食事が明るく開放的な環境で行なえるよう、南側に配置し、前面に屋上庭園を計画した。
・食堂や談話室は入居者にとって憩いの場であるとともに、入居者同士の交流の場でもあるため、食堂と談話室を隣接させ、一体的に利用できるように計画した。
 
【図書、資料の管理について考慮】
・異なる階の図書及び資料の利用や、親子連れの利用を考慮すると、他の部門を含めた各階を事由に行き来できることが望ましいため、1階の主出入口前にBDSを設置することで、図書・資料の館外への持ち出しを防止する計画とした。
・カウンター形式による管理に比べ、利用者はカバンなどを持ったまま入館でき、閲覧する場所の選択肢も広がるとともに、図書資料の管理がしやすくなるメリットがある。
 
【その位置とした理由、動線計画で工夫したこと】
・「陽だまり」というイメージから日照条件がよく、かつ、施設利用者に分かりやすい位置としてエントランスホールに面した南東角に計画した。また施設利用者だけでなく、公園からもアクセスしやすいよう、東側の公園と直接行き来できる出入口に近い位置に計画した。
・集会部門としてまとめて3階に計画したが、天井高の高い施設であることから、西側からの道路斜線を考慮し、南側に寄せて計画した。また、用途から不特定多数の利用者が想定される室であるため、災害時の避難経路は特に考慮して階段を配置し、重複する避難動線が短くなるように計画した。
 
【東側公園に避難することが想定されている地域住民に対する支援活動の場として考慮】
・管理ゾーン内に計画した災害用備蓄倉庫は、敷地北側に設けた屋外の通路を使用し、迅速に公園側に物資を届けられるように考慮した。
・建物の公園側に直接行き来できるように出入口を計画し、本施設内の便所等も利用しやすくなるよう考慮した。
・被災時に本施設が受ける損傷が少なくなるよう、安全性の高い施設として計画した。
 
【厨房から食堂1及び2へのサービス動線について工夫したこと】
・2階に計画した集合住宅部門の食堂2にデイサービス部門の厨房から食事を運ぶため、サービス用エレベーターを設置し、サービス動線と利用者の動線が交差しないように配慮した。
・2階のエレベーターに隣接してパントリーを設け、サービス動線が短くなるようにした。
 
【コンセプトルームの使用方法、設い】
・伝統工芸の伝承のため、制作の実演コーナーと紹介コーナーを設けた。
・実演コーナーやものつくりプラザの様子をうかがうことができる休憩コーナーを設けた。
・実演コーナーの実演スペースは周りから観覧できるよう、コーナーの中心に配置した。
・紹介コーナーには掲示用のパネルや設置台を設け、休憩コーナーにはベンチや自動販売機を設置した。
 
【コンセプトルーム使用方法・設い】
・休憩ラウンジと健康増進を啓蒙する展示ギャラリーを設置し、世代間でスポーツ観戦や健康づくりに関する情報交換ができるスペースとした。
・休憩ラウンジには桜並木や公園を眺められるような開口を広く設け、ソファを設置した。また、展示ギャラリーには大型モニターや可動パネルを設えた。
・宿場町として栄えた歴史を紹介する展示スペースと郷土料理の調理体験スペースとして使用する計画とし、旅行者と地域住民が交流することで歴史や文化を伝承する効果があると考えた。
・樹林等の周辺環境を考慮して、床や壁の内装に地場の木材を用いた。また、展示スペースには展示用パネル、調理体験スペースには調理機器(調理台、コンロ台、流し台)、テーブル及び椅子を設けた。
 
【音楽室の設え】
・防音性を考慮し、室をコンクリートの壁で囲む計画とした。また、内壁を二重壁とすることで、内外の音の影響を抑える計画とした。
・吸音性を考慮して天井の仕上材は岩綿吸音板、壁の仕上げは有孔ボードとした。さらに吸音性を高めるために下地にグラスウールを充填した。
 
【パッシブデザイン】
エントランスホールは3層吹き抜け空間とし、上部にトップライトを設けることで安定した自然光を各階の共用部に供給できるようにした。また吹き抜け空間の温度差や圧力差を利用した自然換気を促し、各共用部の快適性を向上させる計画とした。南側には庇や水平ルーバーを設置することで開口部からの日射を調整し、日射による空調負荷の低減を図った。
 
【吹抜け、自然採光、自然通風】
・吹抜けはエントランスホール及びラウンジの上部に計画し、外壁面は極力大きな開口部、天井面にはトップライトを設け、暗くなりがちな建物内部まで光りを取り込む計画とした。
・トップライトは開閉式とすることで重力換気による通風を促し、中間期の空調エネルギーの低減を図った。
 
【パッシブデザイン】
・各室の開口部を大きく計画するとともに、共用部の廊下に開閉式トップライトを設けることで建物内に自然採光、自然換気を取入れられるよう工夫した。
・各階で外部に開放できる開口部を設け、自然通風に配慮した。
・井水を利用した建物や植栽に対する散水による放射冷却によって夏季における熱負荷の抑制を図った。
・東西面の開口部を小さくして熱負荷を削減し、屋根、外壁、窓部の断熱性能を高めることで一次エネルギーを削減する。
・エコボイドによる自然通風、自然採光による空調、照明エネルギーを削減する。
 
【客室バリアフリー】
車椅子使用者が安全に利用できる間取りとし、便所・シャワー室のほか室内の要所に手摺りを設けた。
客室及び便所・シャワー室の出入口は床の段差をなくし、幅員90cmの引き戸で計画した。
室内で車椅子が展開できるスペースとして直径1.5mの円が入るスペースを確保した。
室内の通路幅は90cm以上確保し、ベッドと壁の間隔も90cm確保した。
 
【自然採光・自然換気】
・エントランスホールに3層の吹抜けを計画し、トップライトを設けることで北側でも各階が明るい空間となるように考慮した。また、主要な室の開口部を大きく計画し、採光を取り込むようにした。
・卓越風を建築物に取り込むため、共用部の南面及び北面には開口部を設けるようにした。また、吹抜けに設けたトップライトは開閉式とし、気圧差による通風の促進を図った。
 
【防火区画】
・面積区画として1500㎡以内に建物を区画するよう、耐火構造の床・壁及び特定防火設備により各階で区画を行った。
・竪穴区画として階段・EV・三層吹抜けを防火設備により区画した。
・面積区画と竪穴区画が重なる部分については特定防火設備による区画とした。
・各階の床面積が1500㎡以下となっているため、耐火構造(鉄筋コンクリート造)の各階の床及び90cm以上の垂れ壁を設けることで面積区画を形成した。
 
【防火区画】
本建物はスプリンクラー設備を計画するため、3000㎡以内ごとの面積区画が求められる。合計床面積が6000㎡を超えることから、各階ごとに面積区画を形成することとし、階段及びエレベーターの竪穴区画を防火設備でなく、竪穴区画と面積区画を兼用することとした。また、地下1階の駐車場部分は異種用途区画が求められることから、駐車場まわりの開口部を特定防火設備とし異種用途区画を形成した。

【防火区画】
・面積区画は階毎の水平区画として形成した。竪穴区画は階段、EV、3層吹抜け及び3階の見学コーナーに隣接する温水プールを区画した。吹抜けの2,3階部分及び温水プール室の3階部分については面積区画を兼ねるため、耐火構造の床、壁及び特定防火設備により区画を行った。
・各階の床面積が1500㎡以下となっているため、耐火構造(鉄筋コンクリート造)の各階の床及び90cm以上の垂れ壁を設けることで面積区画を形成した。
 
【延焼ライン】
・隣地境界線又は道路中心線からの1階は3m以内、2,3階は5m以内の外壁の開口部には網入り磨き板ガラス等を施した防火設備を設け、開口部からの延焼防止対策を考慮した。
・本施設は総合運動公園の中央に計画する建物で、東側及び西側に隣接する既設建物との中心線から発生する延焼のおそれのある部分に該当する各階の外壁開口部には、網入り磨き板ガラス等を施した防火設備を設け、開口部からの延焼防止対策を考慮した。
・既設建築物の開口部においても防火設備の改修・取り替え等を行う計画とした。
 
【道路高さ制限】
・建築物を東側道路境界線より4m(屋外階段手摺外面で2.5m)離して配置し、かつ、3階から7階の基準階部分を1スパン(7m)セットバックさせ西側の5スパンに計画することで、道路高さの限度(2.5m+6m+2.5m+1.1m[屋外階段手摺外面から1・2階の柱面の距離]+7m)×1.5=28.65mに抵触しないように考慮し、パラペット天端の高さを26.7mで計画した。
 
【道路高さ制限】
・敷地は3面を道路に面しており、幅員の一番狭い西側道路について特に配慮する必要がある。
・西側の道路斜線は12mの道路の幅員が適用される北側部分と6m道路幅員が適用される南側部分の2つを確認する必要がある。西側道路からの後退距離は1.6mであり左図はそれを踏まえて2つの道路斜線を図示したものであり、いずれの箇所も斜線制限に適合している。

構造計画

【構造種別】
構想種別は、建築物の規模及び子供たちが利用する施設であることを考慮し、耐久性、耐火性、遮音性、耐震性に優れた鉄筋コンクリート造を採用した。
架構形式は、靱性に優れ、空間構成の自由度が高い純ラーメン構造とした。
スパン割は平面計画との整合性や経済性に配慮し、柱1本当りの負担面積に無理のない7m×7mの単一グリッドを採用した。
・各階の平面形状をできるだけ整形にするとともに建物の剛心と重心の距離が小さく偏心率も小さくなる計画とし、応力集中や変形の少ない鉄筋コンクリート造のラーメン架構を採用することで耐震性が高くなるように計画した。
・柱一本あたりの負担面積が過大とならないよう、7m×7mのスパン割を採用し、50㎡程度とすることで経済的な部材断面で躯体効率の良い構造計画とした。
 
【構造上の特徴及び構造計画上特に配慮したこと】
・構造種別は建築物の規模と高齢者が利用する施設であることから耐震性、耐久性、耐火性、遮音性に優れた鉄筋コンクリート造を採用した。
・架構形式は平面、立面計画の自由度が高く、将来的な間取りの変更にも対応しやすい純ラーメン架構とし、雑壁には構造スリットを設け、地震力に対する靱性を確保した。
・スパン割は計画との整合性や施工性、経済性に配慮し、柱一本あたりの負担面積が過大にならないよう6m×7mグリッドを採用した。
・基礎免震構造を採用していることを配慮し、建物を整形で計画し、建物の重心と剛心が大きく偏らないよう配慮した。
・整形の平面形状とすることで局部的な応力集中や変形集中を避ける計画とした。
・壁が北側のコア部分に集中するため、コンクリートの壁としないで内壁は軽量間仕切壁として、外壁についてもALC板やカーテンウォールを採用して偏心を避けるように計画した。
・壁が中央のコア部分に集中するため、コンクリートの壁にしなくて内壁は軽量間仕切壁として、外壁についても軽量気泡コンクリート版やカーテンウォールを採用して、偏心を避けるように計画した。
 
【構造種別(SRC)】
・事務所用途なので架構形式は平面計画の自由度の高い純ラーメン架構とした。
・事務室は無柱空間で大スパンとなるため構造は基本を鉄骨鉄筋コンクリート造とし、長スパンの部分は大梁と小梁を鉄骨とした。それにより合理的な階高で空調のダクトルートを確保できる計画とした。
・平面計画が容易な7m×7mグリッドとして事務室は無柱空間とするために東西方向は14mスパンとした。大スパンとなるため構造は鉄骨鉄筋コンクリート造とした。
・梁が鉄骨部材なので床板の板振動を考慮した部材サイズとした。空間の制約となる耐震要素は設けず、外壁も構造スリットを設け、偏心を生じさせないシンプルな架構とした。
 
【プール構造種別】
耐震性、耐火性、遮音性、防水処理の施工性から鉄筋コンクリート造を採用した。また靱性に富んだ柱と梁で構成するラーメン架構とし、スパン割は温水プール室の幅を考慮し7m×14mとした。上部の屋根構造は大スパンを構成するためPC梁を用いた。
 
【基準階の階高設定】
・各階単一ダクト方式の条件から天井内にダクトルートを確保と天井高2700以上、フリーアクセスフロアH=100の条件を満足する階高h=4000を設定した。13mスパンの鉄骨梁の梁せいを800とし、ダクトは梁貫通とした。また、廊下の天井を下げて、廊下部分は梁下にもダクトが通る計画とした。
 
【PC梁】
・建物全体をシンプルな構造システムとするため、異種構造とならないようPC梁による鉄筋コンクリート造とした。架構形式は大空間をフレームで構成し、開口部を計画しやすいラーメン架構とした。
・プレイルームは東西2スパン、南北3スパンで計画したことから、無柱空間を構成するうえで、柱と梁に過度の負担がかからないようにするため、短辺となる東西方向にPC梁を採用し、12m×7mのスパン割とした。
・無柱空間を構成する大梁(14mスパン)については鉄筋コンクリート造の本体に対し異種構造とならないようPC梁を採用し、長期たわみやひび割れを抑制する計画とした。
・PC梁を受ける柱についてはより大きな力が加わるため、一般の柱よりもサイズを上げ、配筋量を増やすことで耐震性や耐久性を高められるよう考慮した。また、床や天井については振動等を考慮して計画した。
 
【吹抜け部分の構造計画】
・吹抜け部分の地震時における水平分の分担において偏りが生じることを避けるため、スラブの剛性を高くし(スラブ厚200mm)剛床の確保を図った。
・隅部には局部的な応力が集中し、ひび割れが生じやすくなるため、スラブに補強筋を施した。
・図中の○で囲んだ柱についてはX方向に対してY方向の支えの無い長柱となることから座屈に配慮して補強した。
・吹抜け周囲のスラブは水平力が構造要素の各部に伝わりやすくするため配筋を増やすことで通常のスラブより剛性を高める構造とした。
 
【スラブ及び小梁のかけ方について工夫したこと】
・スラブについては応力が大きくなりすぎないよう、スラブの短辺を4m以下とした。
・スラブの過大なたわみはひび割れや振動障害を伴うため、厚さを200mmとした。
・小梁については連続梁とすることにより、梁中央部の応力を抑え、たわみを小さくする計画とした。
・スラブは短辺方向の長さが4m以内となるように小梁を配置することでスラブの振動やたわみの抑制を図った。
・小梁については、できるだけ連続梁とすることにより、剛性を高め、たわみを小さくするように考慮した。浴室においてはスラブに段差が発生する部分に小梁を設け、スラブが負担する荷重が周囲の梁に安全に伝達できる計画とした。
・スラブは水平剛性を確保するとともに、上下階の遮音性能と床衝撃音遮断性能に配慮し、厚さを200mmとした。
・小梁はスラブの応力が過大になることを避けるため、間隔を4m以下とし、出来るだけ連続梁となるように配慮した。開架スペースや閉架書庫は積載荷重が大きくなるため間隔を2.5m以下とした。
・必要階高が異なる室を計画する場合でもスラブレベルを揃えることで水平力の伝達を行いやすい断面計画とした。
・浴室及び中庭廻りはバリアフリーとするため仕上げレベルを揃え、防水に配慮し、スラブを200mm下げた計画とした。
・一般開架スペースの小梁は床荷重を適切に伝達できるよう7mスパンの中に2本とする連続梁とした。
 
【屋上庭園断面の構造計画】
・梁断面を400mm×800mmとし、水平力が伝達しやすくなるようスラブ厚さを200mmとして客土部分とデッキ下のスラブ高さを合せた。
・屋内の床とデッキ面を同レベルで計画するため、デッキ下のスラブを200mm下げて乾式床組によりデッキ面のレベルを調整した。
・植栽部分(客土)やデッキの下になるため、耐用年数に優れたアスファルト防水を採用した。
 
【勾配屋根】
・勾配屋根はRC躯体で計画し、同一構造によるシンプルな架構とした。
・東西方向に下る屋根形状とし、棟と柱(大梁)の位置を合せ、応力の伝達がシンプルな架構とすることで構造部全体の安全性を高められるようにした。
・屋根勾配は2/10とすることで、棟部分の柱長さが過度に長くなりすぎないよう注意して計画した。
 
【天井落下防止】
吊天井とした場合、特定天井となるので、天井構成部材の質量を20kg/㎡以下とし、壁との取り合い部には6cm以上のクリアランスを設けた。
吊材は1本/㎡となるように適切に配置し、振れ止めとして斜材を設けた。
重量のある設備機器等はスラブに吊材で固定し、単位面積質量を下げる計画とした。
・吊天井とした場合、特定天井となるので、天井構成部材の質量を20kg/㎡以下とし、壁との取り合い部には60mm以上のクリアランスを設けた。
・吊材は1本/㎡以上となるように適切に配置し、振れ止めとして斜材を設けた。
・重量のある設備機器等はスラブから直接吊ることにより、天井構成部材に重量をかけないように計画した。
 
【基礎構造】
GL-1.2m以深はN値=30以上の地盤であることから、鉄筋コンクリート造3階建ての建築物の支持地盤として十分であると考え、基礎構造は独立基礎とした。
べた基礎や布基礎に比べ、土留め、根切り、残土量及び躯体量が少なく、最も「経済性」に優れていることも採用した理由の一つである。
 
【基礎構造】
・支持層に確実に荷重を伝達させるため、基礎底面レベルをGL-2.2mとした。
・支持地盤はN値30と良好であり、杭打ちの必要がないため、鉄筋コンクリート造3階建ての基礎構造としては十分な耐力のある独立基礎を採用した。
・独立基礎はべた基礎等に比べ掘削土量や躯体量が少なく、経済性にも優れるため採用した。
 
【基礎構造】
・敷地は平坦で杭打ちの必要が無く、GL-1.5m以深にN値=50以上の砂礫層があり、地上7階建の建築物であるため、不同沈下が生じにくく接地圧を小さくできるべた基礎を採用した。
・建物規模より地中梁は500×2500で計画、砂礫層への根入れ深さを0.9m確保し支持層をGL-2.4mとした。ピット部分は設備配管スペースや消火水槽などに有効活用する計画とした。
 
【基礎構造】
・斜面であることから不同沈下が生じにくく接地圧を小さくできるべた基礎を採用した。基礎底面のレベルは砂礫層(支持層)への根入れ深さを確保するために、基礎梁の寸法を500mm×2700mmと500mm×2000mmとした。
 
【基礎構造】
・支持層が傾斜していることから不同沈下が生じにくく接地圧を小さくできるべた基礎を採用した。
・基礎底面のレベルは支持層への根入れ深さを確保するために、基礎梁の寸法を500mm×3000mmと500mm×2000mmとした。
 
【斜面地のおける地下構造】
・土圧・水圧を受ける地下1階の外壁の厚みを300mmとし、鉄筋を密にいれることで曲げ強度を上げ、ひび割れを抑える計画とした。また、構造スリットを設けない耐力壁とし、漏水対策を考慮して2重壁とした。
 
【目標耐震性能】
・数十年に一度は起こりうる稀に発生する中程度の地震(震度5強程度)では建物は無被害とし、数百年に一回は起こりうる極めて稀に発生する大地震(震度6強~7程度)においても、構造体に補修不要の軽微な被害にとどめるものとした。
・大地震(震度6強~7程度)後も、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて、十分な機能確保が図られるものとするため、必要保有水平耐力の割り増しを1.25とした。
 
【耐震ルート】
・ルート3とした。
・純ラーメン架構とし、靱性の高い建築物とするために、柱・梁のせん断補強筋を密にした。
・柱の曲げ降伏を避け、梁先行降伏となるように、梁の耐力に比べて柱の耐力が大きくなるような断面寸法、配筋とした。
 
【耐震ルート】
・ルート3
事務室のフレキシビリティを考慮し、将来の区画変更等にも対応できるよう、無柱空間として計画したため、長スパンとなる梁部分は鉄筋コンクリート構造とも親和性の高いプレストレストコンクリート梁で計画し、保有水平耐力計算を行うルート3を採用した。ラーメン架構の短柱化を防ぐため垂れ壁、腰壁等と柱の間には構造スリットを設けた。また、偏心率低減のため階段・エレベーター等は分散配置し、柱・梁は余裕のある断面寸法を確保する計画とした。
 
【耐震ルート】
・ルート3
基準階の事務室スペースのフレキシビリティを考慮し、将来の区画変更等にも対応できるよう無柱空間として計画したため、長スパンとなる梁部分は鉄筋コンクリート構造とも親和性の高いプレストレスコンクリート梁で計画し、保有水平耐力計算を行うルート3を採用した。ラーメン架構の短柱化を防ぐため垂れ壁、腰壁等と柱の間には構造スリットを設けた。
 
【騒音・振動】
・下階への振動及び騒音に対しては、平滑で適切な弾力性や緩衝性能を有し、強度のあるクッション材付きの鋼製支持脚による二重床とした。
・間仕切り壁をRC造とすることで遮音性を高めるとともに音の影響が少ない温水プールに隣接させた。
・事務室間の界壁はスラブからスラブまで立ち上げる壁とし、遮音及びスペース間の区画が確実にされるよう配慮した。また、床に関してはOA対応の上げ床(OAフロア)とするためスラブを100mm下げ、配線スペースを確保する計画としているが、上げ床の固定部に振動騒音を防ぐ緩衝材を挟みこむことで遮音対策を講じることとした。

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