犬の十戒
これをご覧になっている皆さんは『犬の十戒』という詩をご存知だろうか。まずはそれを書き出すので読んでいただきたい。
(※この文章は私が15年程前に書いたものを、敢えてほぼそのまま載せています。当時の気持ちとか書き方とかを尊重したかったので)
犬の十戒
① 私の寿命は、10年。長ければ15年。何があっても最後まで、あなたのそばにおいてもらえますか。私を飼う前に、どうかそのことをよく考えてください。
② あなたが私に望んでいることを、ちゃんと分かるようになるまで少し時間をください。
③ 私を信頼して下さい。それが何より嬉しいのです。
④ 私のことをずっと叱り続けたり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには仕事や楽しみもあるし、友達もいるけれど、私にはあなたしかいないのです。
⑤ 時には私に話しかけて下さい。たとえ、あなたの話す言葉はわからなくても、あなたの声を聞けば、私に何を言ってくれているのか、分かるのです。
⑥ 私のことをいつもどんな風に扱っているか、考えてみてください。あなたがしてくれたことを、私は決して忘れません。
⑦ 私を叩く前に思い出して下さい。私には、あなたの手の骨など簡単に噛み砕ける歯があるけれど、決してあなたを噛まないようにしているということを。
⑧ 言うことをきかないとか、手におえないとか、怠け者だと叱る前にそうさせてしまった原因が無かったか、思い起こしてください。ちゃんとした食事をさせてもらっていたでしょうか。太陽が照りつけている中に、長い間放っておかれたことはなかったでしょうか。老いた私の心臓が弱っているせいで、動けないのかもしれません。
⑨ 私が年老いても、どうか世話をして下さい。私達はお互いに、同じように歳をとるのです。
⑩ 最期のお別れの時には、どうか私のそばにいてください。「辛くて見ていられない」とか「立ち会いたくない」とか、そんなこと言わないでほしい。あなたがそばにいてくれるなら、私はどんなことも安らかに受け入れます。そして、どうか忘れないで、私がいつまでもあなたを愛していることを。
この詩に出会って想う
この詩に私が出会ったのは今から1年ほど前だった。あまり感動しない自分が、いたく感動したことを憶えている。その頃の私は、チロちゃん(♀・15歳・シェットランドシープドック)と一緒に住んでいた。チロちゃんはもう年で老犬だったせいもあったかもしれない。もっと早くにこの詩に出会っていたかったと少し後悔した。
この詩は犬だけではなく、猫にだって、鳥にだって、ペットであればほぼどんな動物にでも当てはまるだろう。残念ながら最近は不幸な動物達が増えている。動物に愛情を持って接する人が増えてほしい。だから、是非ともこれから動物を飼う方、そして現在動物を飼っている方に知っていただきたい詩である。
チロちゃんはつい半年ほど前に亡くなった。16年間一緒に暮らしたこととなる。チロちゃんと一緒に過ごせて私はたくさんの幸せをもらうことができた。しかし、チロちゃんはうちに来て幸せだったのだろうか。ふと、そんなふうに考えてしまう。
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