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「Gemini 2.0 Flash Experimental」GPT-4o、o1との比較
2024年12月11日、Googleが「Gemini 2.0」を発表しました。今回のニュースリリースでは、マルチモーダル機能の強化や新機能「Deep Research」など、多岐にわたる重要トピックが取り上げられています。本記事では、「Gemini 2.0 Flash Experimental」と「GPT-4o」・「o1」の間で行った簡単な出力比較のファーストインプレッションを簡潔にまとめます。
モデル概要
「Gemini 2.0 Flash」の主な特徴として、スピードの速さが挙げられます。この「Flash」モデルは、前バージョンである1.5の時代から高速かつ低コストを特徴とした下位モデルとして位置付けられていましたが、「Gemini 2.0 Flash」でもそのスピード性能は健在で、主要なベンチマークにおいて1.5 Proの2倍の速度を誇ると公式ページで発表されています。また、スピード性能だけでなく、各種ベンチマークにおいても上位モデルであるProを上回る結果を示しており、全体的な性能向上が期待されています。
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この「Gemini 2.0 Flash」の実験版である「Experimental」は、Google AI Studioから無料で利用可能です。ご興味のある方は、ぜひ試してみてください。
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「GPT-4o」、「o1」との比較
試しに、以前「GPT-4o」と「o1」を比較した際に使ったものと同じプロンプトを、「Gemini 2.0 Flash Experimental」に与え、簡易的な比較を行ってみます。
日本で生成AIの活用が企業で浸透しない原因を深く分析してください。
なお、「GPT-4o」と「o1」の出力結果については下記の記事でご確認ください。
「Gemini 2.0」の回答
以下が「Gemini 2.0 Flash」の回答です。
日本企業における生成AIの活用が浸透しない原因は、単一の要因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられます。以下に、その主な要因を深く分析します。
1. 組織文化・意識の壁保守的な企業文化: 日本企業は一般的に、変化を嫌い、リスクを避ける傾向が強いです。新しい技術の導入には慎重で、実績や成功事例が少ない段階では、積極的に投資や導入に踏み切ることをためらう傾向があります。
トップダウン型の意思決定: 意思決定がトップダウンで行われる場合、現場のニーズやアイデアが吸い上げられにくく、生成AIのような新しい技術の導入が遅れることがあります。
失敗を恐れる風土: 失敗を許容しない風土は、新しい技術の試行錯誤を妨げ、生成AIの導入を躊躇させる要因となります。
デジタルリテラシーの不足: 経営層や従業員のデジタルリテラシーが低い場合、生成AIの可能性やリスクを正しく理解できず、導入の必要性を感じにくいことがあります。
既存業務への固執: 長年培ってきた既存の業務プロセスやシステムに固執し、生成AIによる業務効率化や変革に抵抗感を示すことがあります。
2. 技術的な課題日本語対応の遅れ: 生成AIは英語をベースに開発されているものが多く、日本語の自然言語処理能力が十分でない場合があります。そのため、日本語での業務利用において、精度や使い勝手に課題が残ることがあります。
データ不足: 生成AIの学習には大量のデータが必要ですが、日本企業はデータ収集や管理が十分でない場合が多く、生成AIの性能を十分に引き出せないことがあります。
セキュリティへの懸念: 生成AIの利用に伴う情報漏洩や不正利用のリスクを懸念し、導入に二の足を踏む企業も少なくありません。
技術者の不足: 生成AIを導入・運用できる専門的な知識やスキルを持つ人材が不足しており、導入を検討しても実現できないことがあります。
既存システムとの連携の難しさ: 既存のシステムやデータとの連携が難しく、生成AIを導入しても業務効率化につながらない場合があります。
3. 制度・規制の壁法規制の不明確さ: 生成AIの利用に関する法規制がまだ整備されていないため、企業は法的なリスクを懸念し、導入に慎重になることがあります。
個人情報保護への懸念: 生成AIの利用に伴う個人情報保護に関する懸念が強く、導入を躊躇する要因となります。
知的財産権の問題: 生成AIが生成したコンテンツの知的財産権に関する問題が不明確で、企業は利用に慎重になることがあります。
倫理的な問題: 生成AIの利用に伴う倫理的な問題(偏見や差別、フェイクニュースの生成など)を懸念し、導入に慎重になることがあります。
4. 経済的な要因導入コストの高さ: 生成AIの導入には、ソフトウェアやハードウェアの購入、人材育成、システム構築など、多額のコストがかかるため、中小企業にとっては導入が難しい場合があります。
効果測定の難しさ: 生成AIの導入効果を定量的に測定することが難しく、投資対効果が見えにくいため、導入に踏み切れないことがあります。
投資回収期間の長期化: 生成AIの導入効果がすぐに現れない場合、投資回収期間が長期化することを懸念し、導入をためらうことがあります。
5. その他情報不足: 生成AIに関する情報が不足しており、企業は導入のメリットやリスクを十分に理解できていない場合があります。
成功事例の不足: 日本企業における生成AIの成功事例がまだ少なく、導入の参考となる情報が不足していることがあります。
ベンダーへの依存: 生成AIの導入をベンダーに依存しすぎると、自社で技術を内製化できず、長期的な競争力につながらない可能性があります。
まとめ
日本企業における生成AIの活用が進まない原因は、組織文化、技術的な課題、制度・規制、経済的な要因など、多岐にわたります。これらの要因を総合的に理解し、それぞれの課題に対して適切な対策を講じることで、生成AIの活用を促進していく必要があります。
今後の展望
今後は、政府や業界団体が生成AIに関する法規制やガイドラインを整備し、企業が安心して生成AIを活用できる環境を整えることが重要です。また、企業は、生成AIの導入を単なる技術導入として捉えるのではなく、業務プロセスや組織文化の変革と合わせて取り組む必要があります。さらに、人材育成やデータ活用戦略を強化し、生成AIを最大限に活用できる体制を構築していくことが求められます。
読後の印象としては、GPT-4oの出力文を読んだ際と同様に、全体的に一般論を挙げている印象を受けました。締めくくりの文章は「GPT-4o」よりもボリュームがあり、形式的には好印象を与える一方で、「o1」に比べると分析が浅いというのがファーストインプレッションです。後者との比較については、「Flash」がGoogleの下位モデルであり、「o1」がOpenAIの上位モデルであることを考慮すると、仕方のない結果です。
「Claude 3.5 Sonnet」による採点結果
回答結果の採点は、中立的な立場から「Claude 3.5 Sonnet」が担当し、その結果を「GPT-4o」で表形式にまとめました。評価スコアは80/100と厳しめの結果でした。
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3モデルの採点結果は以下の通りです。「Gemini 2.0 Flash Experimental」は最下位という結果となりました。
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主観的な印象としては、「GPT-4o」と大きな差は感じられませんでしたが、「解決策の具体性に乏しい」という点が減点の要因となったようです。ただし、今回のプロンプトでは解決策の提示を求めていないため、この評価基準が必ずしも公平であるとは言えないように思います。そのため、本比較が厳密なものでないことをご承知おきください。
おわりに
今回は超簡易的な出力文の比較として、3つのモデルを競わせてみましたが、いかがだったでしょうか。この記事で取り上げられなかったGemini関連のニュースについては、別の記事でご紹介する予定です。今後とも引き続きご注目いただけますと幸いです。
それでは次のnoteでお会いしましょう。