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失恋墓地 【#毎週ショートショートnote】

お母さんは幼い私にいつも
「遥ちゃん、お母さんに何でも話してね」
そう言って私の頭を撫でてくれていた。
私は優しいお母さんが大好きで、撫でてくれる手の温かさが嬉しかった。
高校生になった今でも私はお母さんに何でも話している。


隣のクラスの桜井君が事故で骨折して手術し、やっと退院して学校に登校してきた。

「お母さん、今日桜井君が学校に来たよ」
私はお母さんに話した。
「そうなのね、遥の好きな桜井君」
お母さんは私の頭を撫でてくれた。
「ううん、桜井君はもう好きじゃないの。今は橋本君が好きなんだ」
「そうなのね、遥が好きになった男の子がどんな子なのか気になるわ」
お母さんはにっこり笑った。

「お母さん、今日橋本君に告白したら、君の事は好きじゃないって言われちゃった」
私はお母さんにそう言って泣いた。

お母さんは

「そう、それなら今度は橋本君に復讐しないとね」と言ってくれた。

「お母さん、いつもありがとう」

私はお母さんのお墓に向かって笑顔を見せた。


たらはかにさんの #毎週ショートショートnote 今週のお題「失恋墓地」を書かせていただきました。

ホラーテイストの話しを書きたかったのですが、やはり失恋墓地というタイトルからオチがわかりそうで何度も書き直し、悩みました。
お母さんは遥ちゃんの為に、今まで何人に復讐し、これからも復讐していくのでしょうか?
これ以上被害者を増やさないためにも、遥ちゃんには早々に幸せになってもらいたいですね。
きっとそれがお母さんの一番の願いだと思います。
お読み下さりありがとうございます。

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