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日本の未婚率が高い理由

少子化を解決するためには、まず未婚率の高さの原因を理解する必要があります。
では、なぜ、ここまで未婚率が高くなったのか、その理由を4つ考察したいと思います。

1、「お見合い結婚」から「恋愛結婚」に移行

戦前は、9割の結婚がお見合いで決まっていたにも関わらず、
1970年代には半分に、今では数%程度になってしまったことです。
誰もが恋愛してから、結婚したいという文化に変わったということです。

しかし、日本には、ナンパをするような文化は、そもそも根付いていません。
ナンパができる、したことのある日本人男性は、ほんの数%でしょう。
特に、女性から男性に初対面の状態で、声をかける状況は、ここ日本ではあり得ないと言ってよい環境です。
ナンパもお見合いも避ける日本人にとって、出会いの機会がない若年の男女が圧倒的多数という状況が生まれています。

見合いをしない、ナンパをしない日本人が、恋愛結婚に至る理想的な方法は
学校、職場、知人、家族からの紹介等に限定されます。

つまり、学生時代に結婚相手を見つけられずに、年配者や同性ばかり職場に勤めると、未婚となる可能性が跳ね上がります。
そもそも好きになれる可能性のある年代の未婚の異性との新たな出会いが1年間に何人いることでしょうか。
何年もゼロ・・・そんな若者も珍しくないはずです。
そういった恋愛の機会を得ることができない若者が、どれぐらいいると思いますか?

恋人ができない理由の第1位は、「出会いがない」です。
となると、マッチングアプリで探すしかないよね。
しかし、マッチングアプリは、ヤリモクだらけで、もはや健全な恋愛の相手を探す場といえるか疑問です。

そもそも、お見合いではないということは、出会った相手の素性を何も知らないところからスタートしないといけません。
相手は、既婚者かもしれません。
働いていないかもしれません。
犯罪歴があるかもしれません。
特殊な宗教、団体に所属しているかもしれません。
もし、相手が既婚者だったら、ろくに働いていなかったら・・・
それが判明するまでに費やした時間が全て無駄になります。
知り合ってから、交際するまで何か月かかることでしょう。
そういった相手のセンシティブな情報を得るまでどれぐらいかかることでしょう。
素性がわからないことからスタートするという点は、時間を無駄にするかもしれないという非常に高いリスクを背負うことになります。

どれだけ注意しても、相手が騙される可能性はあります。
なにより、日常会話で「源泉徴収を出せ」だの「戸籍謄本を見せろ」など言えるわけはありません。
つまり、相手が本気で騙そうとすれば気づくのは極めて難しい状況で、運の要素に左右されるわけです。
しかし、この状況を恐れて行動を何もしないと、時間だけが浪費するという状況ですね。
日本で出会いを求めるのは厳しい現状があると言わざるをえないです。

・・・・困りましたね。
「出会いがない」この点だけでも未婚化、少子化が進むことは必然ですね。

2、結婚の条件の変化

結婚相手に求める条件が変わったのも、未婚化を加速させています。
そもそも、昔は、結婚するのに必要な最低条件は、男も女も二つです。
・健康であり、子供を望めること
・働き者であること
以上です。

容姿、身長、性格、そういった個人の特徴よりも、家柄や紹介者、地縁、つながり、コネ的な要素のほうが大きいです。

つまり、「好きになれる人」を探すのではなく、「生活費を稼げる男性」、「家事をする女性」を探すのが、婚活だったわけです。

昔の女性も、希望条件はあったはずですが、
少なくとも、現代のように身長、容姿、服、会話、年収、学歴、立ち振る舞い、家事、性格等、条件に多くを望んでいなかったのは明らかです。

男性も同じです。
SNS、インターネットには、レベルの高い女性の動画、画像が、ポルノも含めて溢れています。
当然、女性に対する希望も、身の丈を越えて高くなります。
テレビやネットによって見ている世界が、村や町にいる女性ではなく、日本全国の”容姿がすぐれている”女性を基準に見るようになりました。
昔の男性よりも、今の男性は、かわいく、美しい女性を求めるようになったのは明らかです。

現代で、結婚相手を探し出すということは、
・健康であり、子供を望めること
・働き者であること
を満たす人を探すということではなく、
『好きになれる人を探す』という、難易度が高い課題となってしまいました。

結果として、条件のハードルが高くなったがために、年収が低い男性、容姿が優れていない人、コミュニケーション能力が低い人などが、結婚市場からはじき出される状況となりました。

誰もが結婚相手に多くの条件を求めるという状況が、婚活をより難しいイベントにしてしまい、未婚率の増加を加速させているわけです。

3、女性の社会的進出、環境変化

現代社会において、未婚率が上昇している理由の一つに、女性の社会的進出とそれに伴う環境の変化が挙げられます。
女性の社会的地位の向上、そしてこれに伴う価値観の変化が、結婚という選択肢を複雑にしています。

かつては、結婚するのが当たりまえの世界でした。
特に女性は、生きていくために男性を探す必要がありました。
しかし、今は、結婚せずに男性も女性も生きていけます。
結婚は、必ずしも人生の必須要素ではなくなり、結婚したい相手がいないなら、結婚しない、それが普通の世の中になったのです。

キャリアを重視する女性にとって、結婚や出産は一時的にキャリアを中断させる可能性があり、そのため結婚を後回しにするか、あるいは結婚そのものを選択しないという選択肢を取る人が増えています。
特に、管理職や専門職など、時間や労力を多く必要とする職業に従事する女性は、結婚や家庭を持つことが仕事に影響を与えるリスクと考える傾向があります。

また高学歴や高収入の女性は、パートナーとして自分以上の経済的・社会的ステータスを求める傾向があり、そのような相手が見つかりにくいことが、未婚率の上昇につながっているとも言えます。
高収入の女性にとっては、経済的に同等かそれ以上の男性が理想ですが、そのような男性は数が限られており、結果として結婚のチャンスが減少することになります。
男性にとって「収入がないけど、優しい、性格がよい男性」は、十分に結婚相手として考えられます。
しかし、女性は男性と同等に稼げたとしても「収入がないけど、優しい、性格がよい人」を結婚相手として考えません。

つまり、こと”結婚”ということに関しては、女性の社会的進出が進めば進むほど未婚率が高くなります。
そして女性の社会的進出は止められないし、止めるべきではありません。
ゆえに、このままでは、さらに未婚率は高まっていくでしょう。

4、結婚に対する魅力の減少

最後に、若者にとって結婚し子供を持つという当たり前の生活スタイルが魅力的に見えなくなってしまった点です。
「結婚するメリット」について疑問視するような声が、ごく普通に上がるようになってしまったということです。

子育てには大きな経済的負担が伴います。
子どもを育てるための費用には、住居費、食費、教育費、医療費などが含まれ、その総額は年々増加しています。
例えば、子ども一人を大学まで進学させるためには、数千万円が必要になると言われています。
この現実を目の当たりにした若者たちは、将来的な生活の安定やキャリア形成を優先し、子どもを持つことに躊躇するケースが増えているのです。

また、共働きが一般的となった現代社会においても、育児にかかる時間的コストも無視できません。
特に、長時間労働やフルタイムの職業を持つ若者にとって、子育てと仕事を両立するのは非常に難しく、結果的に「今は子どもを持つ時期ではない」と判断する人が多くなっています。
ある意味、子供を持つことは、苦行となってしまったわけです。

もう一つの大きな要因として、子育て以外に楽しめることが増えたことが挙げられます。
現代の若者たちは、趣味や旅行、自己投資など、結婚や子育てをせずとも充実した生活を送る手段を多く持っています。
特にインターネットやSNSの発展により、世界中の情報や体験、コンテンツにアクセスすることが容易になり、独身であっても多様な活動に参加できるようになりました。

結婚せず子供を持たなければ、海外旅行や趣味に没頭する時間やお金を確保することができ、自由な時間を楽しむことができます。
若者たちは「子どもを持つことで自由な時間が制約される、経済的に不自由を強いられる」という考えを強く感じ、結婚や子育てではない選択肢を選ぶ傾向があります。

まとめ

まとめると・・・
ナンパもできない、お見合いもしない日本人に、結婚相手と出会う場は、ほぼありません。
しかし、結婚相手に望む条件だけは、男女ともにバカみたいに高くなりました。
また、女性のライフスタイルも変わり、結婚を必ずしも必要としなくなりました。
そのうえ、結婚して子育てすることが金と時間を食う苦行になりました。
また、結婚以外にも楽しいことがいくらでもある時代になりました。

この状況で未婚化が進まわないわけがない。
いわば、必然であり、当然であり、当たり前の現状なわけです。
これを解決するには、この状況を真正面から見据えた解決策が必要です。
ちなみに東京都はマッチングアプリを作ったそうですね・・・・。

次回は、今回の原因を踏まえた、私なりの未婚化問題の解決策を提示させてもらいます。
すくなくともマッチングアプリより良い案を、ご提示しましょう。

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