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シャンパンの値段に込められた生産者のこだわり

BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」。本日朝の「値段の方程式」のコーナーで取り上げたのは「シャンパン」です。シャンパンとは泡が出る発泡性ワインの一種です。スパーリングワインとは、発泡性ワインの総称でその中にシャンパンが含まれます。

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シャンパンと名乗るには厳しい基準があります。

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すべてフランスの法律で定められていて、この条件を満たしたものだけ
シャンパンを名乗れます。読み方の問題でフランスではシャンパーニュと呼ばれています。

日本の輸入量は10年で2.6倍

日本のシャンパン市場は急拡大しています。2018年の日本の輸入本数は1358万本。これは米国、英国に次いで世界第3位の市場規模になっています。この10年で日本へ輸入されたシャンパンの量は、およそ2.6倍。

キャスターの天明麻衣子さんが「今年2月に日本とEUの間でEPAが発効しました。関税が撤廃されてワイン自体の値段が
下がっている。シャンパンも同じですか」と聞いてきました。

シャンパンもワインの一種ですから関税分はEPAによって下がります。関税分は750ミリリットルのボトル1本で約100円。ただ、この春、ドンペリなど高級シャンパンは本体価格を引き上げました。関税撤廃による値下げ効果はあまり実感できません。
ワインやスパークリングワインと比べて安いものが出回らないのは
 「産地限定で生産量が限られている」からです。日欧EPA協定の地理的表示を巡る協議でも日本でシャンパーニュ地方以外のスパークリングワインをシャンパンと表示して販売することを禁止しました。

ビンテージ物は高額に

高級シャンパーニュの代名詞と言えばドンペリですよね。一番お手頃なものでも1本1万5000円。最も高級な「P3」の30年物になると、40万~50万円する。普通の「ドンペリ」であっても7年熟成されています。P3にもなれば25年以上もの年月をかけて熟成されます。

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高級シャンパンは熟成にかける時間こそ高価な理由です。熟成期間が長いものほど生産量が少ないこともあり、希少なため数十万円もの高値で取り引きされているというわけです。

世界初の「品評会」

問題はシャンパンにワインのような格付けがないことです。日本だけでなく世界でも「シャンパンに精通したプロによる公平・公正な評価」がありません。
そこで、世界初の試みとなるシャンパンの品評会を私と天明さんで取材してきました。

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なぜこのような品評会を始めたのでしょうか。発起人に聞いてみました。
実行委員長の阿部誠さんは「シャンパーニュとスパークリングワインの違いが一般の方々はまだ分からない。まずシャンパーニュという1つのブランドを世の中の方に知っていただくという大きな機会にもなるかなと」

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阿部委員長「シャンパーニュというのはやはり、普通のスパークリングワインと比較しても味も香りも全く違いますので、そういった魅力をより多く知っていただけたらと思います」
この品評会で私もテイスティングに参加しました。普段、あまりシャンパンを飲まない私でも何種類か試飲していくうちに、ブドウの品種や年代によって味の違いが分かるようになってきました。
きょうの値段の方程式はこうなりました。

シャンパンは「徹底的なこだわりで高値を維持している」

最後にキャスターの八木ひとみさんが「売れているならたくさん作ったりしないんですか」と尋ねられました。シャンパンは世界的な販売戦略にもこだわりがあり、毎年、欧州大陸には何千万本、北米やアジアには何本とおおよその割り当てを決めています。年の途中である国ですごく売れ出したからといって他の地域から回すようなことはまずありません。
いろんな商品で爆買いが目立つ中国に対しての販売も同様です。日本が3位になった輸入ランキングで、中国はいまだベスト10にも入っていません。こうした価格や売り方、ブランドなどでのやや強気な戦略は徹底的なこだわりによる商品への絶対的な自信から来ているのだと思います。


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