「お試し無料」で壁壊すネット通販
チャーリーさんの「丸わかりビジネスモデル」。5回目は米国の電子商取引(EC)サイト「Warby Parker(ウォービーパーカー)」を取り上げています。送られてくるメガネのサンプルを試着してお気に入りを選び注文すると新品が届きます。この企業は数年前、米国メディアの「世界で最もイノベーティブな50社」ランキングでアップルやグーグルを抑え1位になってました。
メガネは肌に触れる商品であり個人によってこだわりがあり、写真をみただけでは伝わらない微妙な着用感というものがあります。「店頭で確かめなくては安心できない」という消費者も多いです。Warby Parkerは「お試し無料」でこうした不安を減らしました。
日本でも試着サービスが広がっています。ファッション大手のマルイの通販サイトでは靴の試し履きができます。シューズを含む注文は配送料がゼロ円、返送もゼロ円です。利用者は靴を気軽に試すことができます。ロコンドも靴のサイズ交換や返品が無料です。
ちょっと考え方は違いますが、話題になったスタートトゥデイのZOZOスーツも個人のサイズを細かく計測することで、通販で品選びするという不安感を減らしています。いずれもネット通販で購入するハードルを低くするための取り組みといえるでしょう。今後は食品にも広がるかもしれません。
ネット通販がリアルの店舗とのギャップを急速に縮めているのに対し、リアルの店舗が「逆襲」する動きは限定的にとどまっています。
逆に家電量販店では購入を検討している人が店頭で実際に製品に触って操作したあと、家に帰って自宅で「価格コム」で最も安い価格で購入するという動きも出ています。どちらの動きを見ても、リアルの店舗には厳しい状況が続きそうだな、と思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO35466120Y8A910C1H46A00/