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BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」。本日朝の「値段の方程式」のコーナーで秋の味覚、クリを取り上げました。今年は高値が目立ちます。テレビでもよく報道されているサンマ不漁のほか、マツタケも高い。今後は台風の影響で野菜も高くなりそうです。味覚の秋は高値の秋でもあります。

栗ご飯に栗きんとん、栗羊羹……。食べ方もいろいろですね。よく見かけるのは①マロングラッセ②生栗③天津甘栗があります。

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マロングラッセは渋皮をむいて砂糖やシロップで煮たものです。洋菓子のジャンルに入ります。生栗は栗ご飯や栗きんとんに使います。スーパーではネットに入った状態で売られています。天津甘栗は鍋の中で熱い砂と一緒に栗を熱したものです。

国産のクリ値上がり

この3種類の中で、1つだけ値上がりしているものがあります。③の生栗です。同じ栗でも使用している栗の品種に違いがあるためです。マロングラッセに使うのはヨーロッパ原産の栗、生栗は日本原産の栗、天津甘栗は中国原産の栗を使います。つまり国内の栗の価格が値上がりしています。

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東京都中央卸売市場の平均価格をみると直近の8月に急激に値上がりしているのが分かります。前年同月と比べ1.7倍の値段になっています。9月以降も高く推移しています。
値上がりの理由は今年7月の長雨で品質が低下、市場に出回る量が減ったことです。7月から8月にかけて雨が多かったので、中の果肉が太ってしまい殻が割れるという現象も。見た目が悪く価値が下がってしまいました。
生産地が限られているのも響きました。こちらの図表でわかるように日本産のクリは茨城県と熊本産で出荷量の半分近くを占めています。大量にとれる産地が限られると、その地域で不作になると一気に生産が落ち込み、価格が上昇します。

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9月に入っても台風の影響で収穫前のクリがかなり落果してしまいました。果実が熟する前に落ちて、売り物になりません。この影響はとても大きいです。あまりにも高いので、販売単位を減らして見かけの値段を抑えている小売店もあります。例年は1キロ単位で販売していたが、今年は750グラム単位といった具合です。

加工品への影響は

今後、国産のクリを使っている栗きんとんや甘露煮といった加工品への影響はどうなるのでしょう。
すぐに価格に反映されるかはわかりません。どこで皮をむいているのかで影響されそうです。栗の皮むきは日本ではなく、中国で行われているケースが多いです。皮むき作業は日本では9月~12月だけが労働期間となる季節産業であり、人手の確保が難しい。中国のほうが人件費が安いのもあります。

大量にクリを使う業者は一度、皮を剥くために中国に送っています。日本のクリ輸出のほとんどが中国向けなのはそのためです。そうやって皮を剥いたものを日本で加工します。加工品、例えば甘露煮や渋皮煮などの製品になるには時間がかかりますし、値上げまでにも多少の時間のずれが予想されます。
フジッコが今年11月から栗きんとんや甘露煮を含む製品を値上げします。ただこれは昨年までのクリの値上がりを反映したものです。

ということで、今回の値段の方程式はこうなります。

クリの値段=海外で皮を剥くため、加工品の値段への影響には時間差

キャスターの八木ひとみさんから「食べやすいクリという品種は開発されていないんですか」と質問が出ました。
なんと、食べやすいあるんです。「ぽろたん」という品種が開発されています。

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皮がぽろっとむけることからこの名前になっています。お湯で3分ゆでるだけで簡単に渋皮をむくことができます。簡単なのでビックリ!!


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