上がる結婚式費用 ご祝儀相場も上昇?
世の中の様々な値段がどうやって決まっているのかを解き明かす「値段の方程式」。今日のテーマは「上がる結婚式費用 進むコロナ脱却」。6月と言えば「ジューンブライド」。結婚式を挙げるカップルが多いと言われています。今、その結婚式にかける費用が上がっています。物価高であらゆるモノやサービスの値段が上がる中、お祝いの場も例外ではないようです。ご祝儀相場にも影響が及ぶかもしれません。
2022年の全国平均は303万円
リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」によると挙式と披露宴・パーティ費用の総額は2022年が全国平均で303万円でした。コロナの影響で落ち込んだ2021年(292万円)から回復傾向にあります。
招待客1人当たりの費用で見るとより大きな変化があります。2022年は9万8000円とコロナ前を上回っています。コロナ前の2019年の時点で平均66.3人だったのが、2021年に42.8人にまで減少しました。招待客の人数は減っていますが、その分、お客さん一人一人を大切にする気持ちが高まっているようです。1人当たりの料理にかかる費用をみると2020年は1万5600円だったのが2022年は1万6700円。ここ2年で伸びが大きくなっています。
結婚式件数の回復鮮明
2021年以降の結婚式場における結婚式の件数も回復が鮮明です。2020年に年間3万件台にまで落ち込みましたが、2022年は7万3000件とコロナ前の水準に戻りつつあります。結婚式場の売上高を見てもその動きは明らかです。
ここで、きょうの方程式です。
結婚式費用の上昇=件数の回復+招待客へのおもてなし強化
結婚式費用の上昇は、コロナ禍から脱却したことで結婚式の規模が徐々に戻ってきたことに加えて招待客1人1人を重視する姿勢が強まったことで起こったのですね。
広がるフォトウェディング
コロナ禍を経て結婚式が変わっていく中で、最近人気を集めているサービスがあります。それが挙式や披露宴を開かない代わりに写真だけを撮る「フォトウェディング」です。ワタベウェディング スタジオ営業部長の井川直人さんは「2020年以前と比べると1.5倍くらいに増えています。結婚式を挙げるということが人の制約があったことによってできなくなった。写真だけでも撮ろうっていう人が流れたのがやはり大きかった」と話します。フォトウェディングは外で撮るロケーション撮影でも20万円程度からできるので、挙式や披露宴よりも安価な価格でできるのも利用拡大の背景の一つです。単に費用を抑えるというだけでなく、若者を中心にSNSでの「映え」を意識する人が増えているのも追い風です。自分の好きな衣装を着て、自分の好きな場所で撮影できる、大学の同級生夫婦が自分たちの思い出の大学で撮るーー。結婚するカップルの自由度が高くなっています。
結婚式のご祝儀は5万円が相場に!?
今後もコロナ禍からの経済回復で結婚式が開催される数が増えていくでしょう。最近のインフレで値上がりした食材や引き出物の値段上昇分も反映されていけば費用も上がっていくかもしれません。
気になるのがご祝儀です。結婚式に呼ばれた場合、ご祝儀の額は一般的に「友人や同僚の場合、3万円」というのが相場でした。この30年間変化はありませんでしたが、脱デフレで上がるのでしょうか。「ご祝儀は奇数の金額を選ぶ」のが慣例とされます。また、4と9は日本では縁起の悪い数字として扱われるので、3万円から上がるとすれば5万円が相場になるんでしょうか。注目していきたいと思います。