夫に家事を協力してもらいたい~更年期に相手を動かす方法~
更年期で心身の不調が出てきて辛いという方は一定数おられます。
夫に家事の協力を得たい、でもこちらの不調に気づいてくれない…
そんな方におススメのお話です。
今回は「どうやったら人は動くのか」という視点で考えましょう。
まず最初に気をつけたいこと
まず、大事なのは自己開示。
上手く伝えられない人は「こんなこと言ったら嫌われるのでは」という葛藤から伝えることそのものをやめてしまうことがあります。
家事の場合背景に「本当は自分がやるべき分担なのにできていない」とか「専業主婦なのにこんなことを言ってはいけないのではないか」という負い目が生まれておられる方もおられます。
そういった方ほど遠慮が働くがゆえに、回りくどく話して最終的に相手にどう動いて欲しいかが伝わらないこともあります。
よく多いのがダラダラ色々話したうえで自信なく「~してもらえませんか?」という表現。
こんな風に伝えてませんか?
聞いてる側は「世間話なのね~」とそのままスルーしてしまうことも…。
相手に何らかのアクションを促す場合、おススメは「こんなこと言ったら嫌われるのではと思ってなかなか言えなかったんだけど」という自分の想いから話し始めたうえで「~してほしい」と明確に伝えるのことです。
この最初の枕詞が「自己開示」にあたり、どんな気持ちで自分はお願いしているかが伝わるのです。
おススメの例を読んでいただくとわかりますが、コンパクトでありかつ「申し訳ない」という気持ちと「具体的に相手にして欲しい」ことが明確になっていることがわかります。
「~してくれませんか?」というと相手は自己開示してくれていない、つまり聞き手を信用してくれないという心理が働くのです。
しかし、ただ「~してほしい」だけいきなり言われるとカチンきますから、注意が必要です。
「忙しくて申し訳ないんだけど」「無理なら断ってもらったらいいんだけど」など自分の想いをつけた枕詞を必ずつけて「~してほしい」ということを言ってみましょう。
相手の意志を尊重することも大事です。
他人でも起こりうるコミュニケーション問題
こういったことは、家族だけでなく他の人間関係でも応用できます。
これは実際に我が家であったご近所さんとのやりとり。
先日玄関のチャイムが鳴ったので、出てみるとお隣の奥さんでした。とても良い方なのですが、
「あの、テレビのアンテナが倒れているのだけど、ご主人に言ってもらってうちの家の2階から見てもらえますか?」
というのです。
私はお隣さんの家のアンテナが倒れて直してもらいたいのかなぁ?と思って夫に伝えたら
「それ、うちの家のアンテナの話でしょ。倒れてるの知ってるし、使ってないから大丈夫だ」というのです。
それでも「ご主人に来てもらって」とさんざん言われていたので夫に
「家に来て2階からのぞいて欲しいって言われたんだけど」というと夫はブツブツ言いながら隣の家に私と行きました。
よくわからないやり取りの典型例
そしてこれが実際の会話です
ここで何となく「この奥さんは倒れているアンテナが不安だから手当てして欲しい」と私が気づき
隣の奥さんの回りくどい言い方に、私たちは最初何を言っているのかもわからず、そのあと夫はえらい怒っていました。
お隣さんがして欲しかったことは「アンテナの状態を見て欲しい」ことがゴールではありません。ゴールは「お宅の倒れているアンテナを何とかして欲しい」ということです。
相手の奥さんは恐らく丁寧に言っているつもりでしかも遠慮も働いているのでしょうが、伝える相手にはモヤモヤが残ります。
実際夫は帰ってから「何が言いたいんじゃ!」と腹を立てていました。
まわりくどいためにかえって不信感が出るのですね…そうなってしまうと問題が複雑になり、「内容」よりも「言い方」で伝えた相手に負の感情が出てきたり、伝えた側も伝えたい内容が伝わらないことで不満を抱えることになります。
どう言えば伝わりやすいのか?
このケース、どういえば相手に伝わりやすいかわかりますか?是非考えていただきたいのです。
そうです、「忙しいところ申し訳ないのですが、お宅の家のアンテナが倒れていて、雨風でこちらに飛んで来たら怖いので事故の無いよう対応して欲しい」
だけで伝わるのです。そうすると、相手が申し訳なく思っていることや、恐怖を感じていることが伝わるからです。
実はこの件、実際に電気屋さんが確認してくれたところ「完全に倒れてるし固定されてるから問題なし。雨降りの今日は危ないので晴れてるときに撤去に行きます」とのことでした。
ただ、夫が伝えるよりも第三者が言うことの方が信憑性があるので、相手の奥さんには電気屋さんに来てもらったことを伝えて上記内容を説明して納得してもらいました。
実際に実験をしてみるとよい
どうですか?「疑問形をやめるなんて信じられない!」
という方は、「~してくれませんか?」を1週間やめてみる実験がおススメ。
ただし、先ほども言った通り丁寧に「申し訳ないんだけど」とか「お手数ですが」などの枕詞を伝えたうえで「~して欲しいんです」と言ってみましょう。この枕詞はいわゆる「自己開示」になるからです。
これは実際私もやってみたのですが、実際に1週間続けてみたら、周りの人間関係は何もマイナスになっていないことに気づくと思います。
いえ、むしろそのように伝えた方がプラスに働くのです。
いきなりは難しい、という方はまずメールやラインなど文章で使う時に意識することがおススメです。
下手な遠慮や回りくどい言い方は逆に不信感を与えるのです。
丁寧な表現は残しつつ自分が相手にして欲しいことは自信をもって明示することがおススメです。
その方が相手を尊重している気持も伝わりますし、人間関係が豊かになりますよ。
更年期になって辛いのに周囲の人に遠慮してないですか?
更年期で辛いのに、周りに遠慮して我慢したりしてませんか?我慢しすぎで逆にストレスをためてしまったりしてませんか?
できないときはできないと伝えましょう。仕事がさばけなくなってきている、近所の分担が辛くてできなくなっている、などのときは「最近不調がひどく、とても申し訳ないのですが~ができないんです。納期を伸ばしてもらえませんか?(もしくは代わりに誰かにやってもらえないですか?)」
とお願するとよいでしょう。このように伝えると周りには理由が「明確」になり、何を相手にして欲しいかが明確に伝わります。
相手を動かすときは丁寧さと明確さが大切ですよ。
相手にNOを言われたら
そのように伝えても相手から断られることもあります。伝える時の心得として「断られることはあり得る」と思っておくことは大切です。
お互いに「相手に言われたことに必ず同意しなければならない」という関係はかえって辛いです。
健全な関係ほど「NO」を言っても受け入れ、どこで折り合いをつけるか話し合えます。
そしてNOを受け入れることに加えて大切なことは
「なぜ断ったか」という理由を知ることです。
‐単にめんどくさいから
‐こちらの不調の深刻さを理解していないから
‐この方法が嫌だから
などなど
理由別に対策はあります。
例えば先ほどの様に夫に不調の際総菜を買ってきて欲しいと頼んで断れたとすれば
‐単にめんどくさいから→断られても機嫌が良い時になんどか根気よく働きかける
‐こちらの不調の深刻さを理解していないから→理解できるようなものを見せたり、実際にご飯を作らずに寝込んだりする
‐この方法が嫌だから→デリバリーを頼むなど、別の方法を一緒に考える
これはあくまで一例ですが、できることは沢山あります。
互いにコミュニケーションを積み重ねながら最終的に「相手が動いてくれる」方法を見つけていきましょう。
もともと会話があまりない、という根本的な原因をお持ちの方は是非こちらもご一読ください▼