見出し画像

幼い頃の思い出は知らぬ間に再編集していそう

小さい頃の思い出は断片的で、どれが一番はじめの記憶か分からないけど、ひとつだけ思い出とともに今も証拠が残っているものがある。
たまに思い出す、かわいらしい思い出。


「えんぴつさんもかわいそうですね」

小学生にもなる前の頃、家族で一番早く起きるのは私だった。
両親が寝ている間に布団からそろっと抜け出し、寝室のある二階から一階のリビングにおりて早朝のテレビをひとりで見たりしていた。
たしかお姉さんがぬいぐるみと英語で話す番組があったような…。
早朝って子ども向け番組ばかりじゃないから他に何をしていたのかは不明。

そんな感じで一階と二階を行き来していたわけだが、階段の壁が白かったのよ。
なので(?)、落書きをしたくなったんだろうね。

「えんぴつさんもかわいそうですね」

鉛筆で曲がりくねった縦書きで書いた。
「さ」とか逆になっていた気がするな。
ひらがなを覚えたての頃だろう。

いつ書いたのかは覚えていはいないけど、そのときの感情ははっきり覚えている。
鉛筆を使って文字を書くようになって、使えば使うほど鉛筆が短くなっていく。
自分の身を削って字を書かせてくれる鉛筆をかわいそうだと思ったのよ。
たしかね。
ただ子どもだったので、そのかわいそうな鉛筆を酷使して、自分も書いている矛盾には気づいていない。笑

子どもの頃の記憶はすべて良い思い出にしちゃってもいいか

優しい子だねー。
今は鉛筆を使ってもそんなこと思わないし、鉛筆を使うことはなくなってしまった。
なんで壁に書いたのか。分からない。。
鉛筆で書いたから両親は消そうと思えば消せたと思うが、今も壁に残っている。
家族以外見る場所でもないし、面倒だったのだろう。

「えんぴつさん」みたいに証拠が残っていて、はっきり記憶があるものは間違いないと思うけど、他の人が関わっている記憶に関しては自信がない。
小さい頃の記憶はいくつかあるけど、知らない間に改ざん・捏造していそうでこわいんだよなあ。
自分の記憶は曖昧でも、両親や友達からの話で曖昧な部分を補完して思い出を再編集していることって、、あるよね?
たまに小説や映画を観て強い感情を覚えると、自分の経験かのように感じるようなこともある。
ちゃんと自分の記憶かどうか自信がないなあ。
まあ、いっか。
良い記憶なら作ってもいいよね。
昔の記憶で自慢することもないだろうし、自分の中で良い思い出として残しておこう。

いいなと思ったら応援しよう!