見出し画像

【短編小説】二人の星の下

私たちは、彼女の自宅の庭で、手作りのハンモックに浮かぶようにして寝転んでいた。夜風が心地よく、さわやかで、星空は輝かしい光を放っていた。彼女は、星空を見ながらこんな言葉を口にした。


「星を見ると、いつも新しい世界が広がっているような気がするんだ。」


私も彼女と同じ思いだった。星空は、ほんの数秒前まで見ていた場所とは別の景色を見せてくれる。それはまるで、時間が停止したかのような感覚を味わうことができる。


「ねえ、君、あの星、何て名前だろう?」


彼女が親指で指し示した星が、私たちのすぐ上に輝いていた。

ここから先は

578字

¥ 150

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?