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知っていますか

誤算と常識

老人ホーム暮らしで苦悩している老人達がいます。大誤算に気づく入居者達がいます。泣いている老人達がいます。泣かせているのは誰でしょう?そんな暮らしの嘆きを知ってか、知らぬか今日も老後のその先を見据えて老人達がやってきます。
では、老人ホームってどんな所でしょう?一言で表わすならば自分が試される所と言えるでしょう。あなたの今までの生き方は、なんの参考にもならない程の新発見があります。
生き方、考え方、ものの見方、かつての生活知識、一般社会常識や、家族観、さらには友人関係を含め全てが、これでもかと打ち寄せる波の様に筋書きのないドラマが展開する所。それが老人ホーム暮らしと気がつくはずです。

老人ホーム暮らしをしている老人達はこう言います。
「つまんない。」「つまんない。」「早くお迎えが来て欲しい…。」「もう人生、おしまいにして欲しい…。」
子供の頃、ちょっとした事で母に叱られた事を思い出してみましょう。
あなたは、きっとこう思いませんでしたか?「死にたい・・・」と。
今、老人達の切実な願いが「早くお星様に」だとしたら、なんて切ない老後と思ってしまわずにいられないのです。あなたの昨日までの常識、非常識が通用すると思っていたら、とんでもない曇天返しの目に合うかもしれません。
試練の連続に「こんなはずでは・・・」と自問自答の繰り返しにきっとあなたは子供に助けを求めるでしょう。でも子供達はあなたの思いとは裏腹に「それはお母さんの我侭!」とバッサリ切り捨てるはずです。
それが世間の常識だからなのです。
あなたの心の叫びなんて、たとえ子供の心にだって響く事はない非常識が老人ホームにあるのです。

そんな事も知らないで老人ホーム。大集団の中に意気揚々と夢の世界、フロントのシャンデリアに目を輝かせて来る老人達がいます。
安心、安全、そして快適な居心地。誰もが約束されているものと信じて疑わない老人ホーム暮らしの夢。夢が妄想と気がついた時、もう全てが後の祭り、我家は遠い存在。今さら喜んで迎えてくれる人達だっていないのです。だってみんな羨ましがる夢の楽園だ。しかし少し元気、老後の終の棲家を先取りした老人達が今、老人ホーム暮らしで苦戦しているのだ。

老人ホームの老人達

毎月の様にある日突然に、あるいは計算された様に体力、気力を失った老人達が必ず?お星様になって旅立ちます。一つ屋根の下、観たくなくてもそんな場面に遭遇するのは老人ホーム暮らしをした者達の宿命なのです。
たとえ偶然あなたがお出掛けしていたって隣の居室の大掃除が始っていたら、「うん?これは、何かがあったんだわ」と閃くはずだ。
そして私だって明日は我身と外の暮らしの数十倍も残りの人生を想像してしまうと入居者達は証言するのです。
つまり老人が老人との暮らす日常では、前後左右、その前も斜め後も老人達の大行進が朝、昼、夕と食堂前のエレベータに列をつくるのです。
賑やかを通り越して煩い老人たちのグループ、我関せずを通す一匹狼もいれば、いつも誰かの悪口を言わなければ気が済まないグループもいます。
あっちのグループから弾かれて、新しいグループに移籍しようと媚びを売っている者もいるのです。

これらの老人たちの大半は夜、自らの居室でぐったりしています。
日中の過度の神経疲れは夜、介護職の見回りで訪室するとみんなが死人のように爆睡しています。
八方美人は必要以上に体力を消耗するのだろうか?そのせいもあって99%の老人は朝寝坊でもある。
老人はちっとも早起きでない老人ホーム事情だ。
そんな老人ホーム暮らしの大多数の先輩老人たちの事情も知らぬまま、あなたがやってきました。

現役介護職員の告白

私が暴露する老人ホームのほんの1部分の塀の中の出来事?をあなたがどのように受け入れるかは、私の勝手なおせっかいの位置づけになるかもしれないのですが…。
しかし、老人ホーム暮らしをはじめ1か月、2か月は気遣いにつかれながらも緊張を維持できるはずである。
やがて気づくであろう自らの早まった判断と勘違いは、日々の暮らしは、重荷に変わり、夜な夜な後悔と反省を繰り返すとしたら、自らに苦笑いしてしまうだろうと感じてしまいます。
いつも同じ反省にきっとこうつぶやくはずです。
「きっと…。やっぱり…。そうよねぇ~。そんなもんだったのね」
言葉たくみの老人ホーム側のセールスのせいなんて言ってはいけない。
だってあなた方は人生60年以上も生きてきた人たちなんだから、今さら何を泣き言をとなるのです。
子どもの頃、欲しいものが手にできないのを親のせいにしたことを覚えているだろうか?
今、老人ホーム暮らしをしている老人たちは意外や意外、その理由を子供のせいにしている人たちが多いのだ。

この記事は、老人ホーム暮らしをいろんな理由で暮らしている老人たちの苦悩の証言に基づいたものと、そして聞いたこと、見たこと、盗み聞きしたこと、さらに私介護職員の実際にやってきたこと、やっちゃったこと、見たことや多くの介護職員の日常の会話の中で知ったことや他の多くの施設で働く介護職員たちの介護現場での話題を集約したものでもあるのです。
近い将来?いやすぐにでも老人ホームに親を委ねたい子供たちに警鐘を促せたとしたら少しは?介護職員としての責任を逃れる想いになる…。残念ではあるが、介護現場の衝撃の告白をありのまま正直に伝えるべきと考え、迷いの中で老人ホーム暮らしで泣いている心優しいおじいちゃん、おばあちゃんに代わって声を大にして訴えるその相手は、これから老人ホーム暮らしを決断したいあなたと、今現実に親を委ねている子供たち、そしてもっともっと訴えたいのは、日本中の介護職員にでもあるのです。

今日一日、心の底から思いやりとやさしさをもって応えられましたか?感謝されていると感じましたか?おじいちゃん、おばあちゃんの目を見て話しましたか?
見せかけのやさしさは、ベテランの老人は簡単に見抜くことを知っていますか?
老人ホーム暮らし、その大半の老人たちは介護職員の対応にちっとも満足していないのも確かであることを痛感していますか?
日本中の老人ホーム暮らし予備群の高齢者に、今一度老後のその先の老後をじっくり見つめて欲しい。
今、もし元気で家で暮らしている老人たちの淡い夢、老人ホームに描く期待と妄想。
夢が大きいと失望も大きいことを肝に銘じてほしいものだ。

老人ホームでの生活

もしもあなたや回りの者達(子供)が寂しがり屋のあなたに「友達一杯できるわよ」。はあり得ない忠告でもある。
毎日の食事の心配しなくてせいせいするでしょう?なんて考えていたら包丁を持たない暮らしのつまらなさを実感するでしょう。
夏の暑い日、庭の草むしり、もうこりごりなんて思いませんでしたか?でも老人ホーム暮らしは季節感を味わう事はできないのです。
変化のない24時間、365日、のんべんだらり…。平々凡々…。何もしなくて良い暮らし…。想像した事なかった老人達の多くが無気力人間に育っていくのです。

老人ホーム見学に来る人達が言います。みんな同じ、みんな同じ笑顔だと…。それが何を意味しているのかを知っている人達もいる。老人ホーム暮らしは同時にその人の良さ、個性もあっさり奪い去るのです。老人は学習したのだ。つまり妥協の満足の居心地、笑顔を。老人ホーム暮らしをするという事はこういう事でもある。
あなたが想う夢の楽園、そこは想定外の暮らしの始まる所であるのだ。
老人ホーム暮らし、そこにはあなたが嫌だなぁ〜と感じる老人も少なくないでしょう。それは逆にあなたを嫌う老人達が同じ数、いやそれ以上いるだろう事を覚悟しなくてはならないと考えた方が賢明でもある。
またあなたがある一人の介護職についてあの人は「ちょっと嫌い、若手よ」と誰かに話したとしたら、あっという間にその噂話は広まるのである。つまり、老人どうしの内緒話は内緒話にならないのだ。
やがて介護職員達の耳に届き、倍返しとなってあなたを悩ますのである。つまり、しかとされるのである。老人ホーム暮らしは団体生活、あなたがたまたま考え事しながら誰かと出合い素通りしてしまう事があったとしよう。
きっとあなたは「知らんぶりされたのよ!」と誰かに嫌味の告げ口だってあるかもしれないのです。人に監視される暮らし、人に観られないでいられない日常、しかも学校の様な大集団。
さてあなたはどの位、いや、いつまで背筋をピンと張り詰めていられるだろうか?

体力と神経を擦り減らす老人達の老人ホームの居心地は決して甘いものではない事は確かなのである。全ては想定内の事でしたと覚悟の上の老人ホーム暮らしを望む人はいないだろうと思う時、勇気を持って告発した私の居心地だって決して穏やかではない。
しかし、それ以上に重い荷物を背負わせられる老人を思えばちっぽけな問題に過ぎず、私の助言と受け留めていただきたいのです。安心の勘違いで始まる老人ホーム暮らし。あなたの痒い所に手が届く介護職員なんて存在しません!

現役介護職員よりあなたへ

これは、もしもある日、突然にあなたの子供達から老人ホーム暮らしを告げられたとしたら(宣告)…。そんな記事です。

そしてもしも人生に少し弱気になりかけた時、読んで元気を呼び戻したい時の…そんな記事です。

さらに付け加えるならば「じゃあどうすれば良いの?!」になるあなたへの私の提言。
「這ってでも歯を食い縛り家に居ましょうね!!」…だ。

老人ホームはその何十倍もの不自由を味わうのですよ。
あの頃は私も若かったわ…。今、老後は駆け足よりはるかに早くやって来るを実感している老人達が暮らす、いや生かされているを実感している老人達です。
日本は世界一の長寿大国、喜べない老後、泣いている老人達の事を知ってますか?
暮らしてみて住んでみて初めて解ったわよ…。老人は言葉を投げ捨てました。
観念できないと老人ホーム暮らしはさらに不幸なのである。
それでもこれでもあなたは老人ホーム暮らしをしたいのですか?
それでもこれでも親を老人ホームに委ねたいですか?

この記事を読んだあなたはそれでもこれでも「そこは特別でしょ!」と言いたいのです。
そしてより高額な入居一時金のホーム探し…。日本人の頭の構造は変な方向に行きたがる。
団体生活、グループ、講堂。あなたの生きたいところに必ず大勢がいますよ。
八方美人でも息苦しくならないほうが不思議な世界の、老人ホームへようこそ!

これは老人の日記。

これを読んで、あなたは何を想うでしょう。

たかみ まさし

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