ビリヤニとピラウ。その1 ケニア/ラム島への激震バス旅行
自宅でビリヤニを作った事から思い出したビリヤニとピラウの思い出。
今回に先立つプロローグ編はこちら
第一弾は2007年2月に訪れたケニアのラム島に行くまでの旅路と、ラム島で初めて食べたピラウの思い出話です。
2007年正月をエジプトの日本人宿「スルタンホテル」で過ごし、ケニアに飛んでマサイマラ国立公園のサファリを楽しんだ後、インド洋に面した東海岸側を20日ほどかけて旅してみようという事になりました。
ナイロビを出て最初に訪ねたのが、東海岸北部にあるラム(Lamu)という場所です。ガイドブックを読んで、お隣のマンダ島に比べて格安で同様のビーチリゾートを楽しめる風な事が書いてあったのでいく事を決めた場所でした。
格安で高級リゾートと同等のバカンスが楽しめる島、ラム島。
ははは。世の中にそんな美味しい話はないという事を学習した旅でもありました。
マリンディという比較的都会で交通の要所からラム島方面に向かうバスに乗ったのが朝9時過ぎ。横4列座席のバスチケットは売り切れていたので、改造して横5列バスに乗る羽目になりました。それでもまぁ、順調に走っていた1時間半後、舗装道路が終わってダートになってから旅路は過酷になっていきました。
雨季にバスが走った事で出来た縦横無尽の深い轍(わだち)は、乾季のこの時期はガチガチに固まって道路全体に網の目のような地形を創り出していました。バスはその上を猛烈なスピードで走り抜けます。窓ガラスが一斉にガタピシと恐ろしい音を立て、その音に恐怖を感じた乳飲み子達が火のついたように泣き出し、車内はもう戦場の様相を呈しておりました。
夫と私はといえば、一昨年の2005年にボリビアでウユニ塩湖に向かう同様のダートのバスで、足元にPCバッグを置いていたためにPCがバスの揺れで壊れてしまった経験から、PCバッグに揺れが伝わらないように必死に抱えていたのでした。
11時半に休憩で停車した時も、まだ体が振動している感覚を持ちながら、窓の外で頭に商品を乗せて売り歩く現地の人々をぼんやりと眺めたりしていました。
そして午後1時、ようやくバスは港に到着しました。ん、港?
そうなんです。ラム島は島なんです。しかし不確かな地図で見ると、ほとんど大陸にくっついている感じだったので、何となく橋がかかっていて陸続きで行けるんじゃない?とかお気楽に考えていました。
しかし、そこはアフリカ。島は島。大陸からは、はしけとも言える屋根のない小舟にぎゅうぎゅうに詰め込まれての移動となりました。40分くらいの船旅でしたが風は強いわ、波は高いわ、水はふりかかってくるわで、午後2時半近くにラム島に到着した時には疲労困憊でした。
ガイドブックに掲載の宿にチェックインして、宿の人に勧められたレストランにたどり着いたのが午後3時半。ここでようやく遅いランチとして食べたのが初ピラウでした。
ラム島から次の場所に移動する時にもあの小船と悪路が待っているのかという思いと、こんなに苦労して来たラム島の海の色が茶色く濁っていて、全然ファンタスティックじゃない事への失望感の中、安くて美味しいピラウには相当励まされました。
さて、次回はこのラム島から行ったシュノーケリングツアーの思い出、そしてビリヤニとピラウの思い出話です。