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【車中泊旅2024夏7/2~】8/27 Day57:沼津観光。人気スポット2か所を訪ねた!

修善寺を出て向かったのは沼津。今日は沼津観光の中でも人気の二か所を観光してきました。

この夏、熱海から伊豆半島をほぼ海沿いにぐるーっと旅してきましたが、こんなに干物が充実していた街はありませんでした。夕飯はもちろん干物とご飯。朝から晩まで充実の沼津滞在のご報告!


〇コンビニ店員に怒られた朝

さて今日の観光は沼津。まずは沼津御用邸記念公園を見学するのですが、例によって早起き過ぎて時間が余っている我々。停車した駐車場の目の前にコンビニには、イートインコーナーがありました。足元に電源コンセントもあったので、あそこで作業してから沼津に向かおうと、コンビニでコーヒーを買ってイートインコーナーに着席したのでした。

ところが足元のコンセントに電源コードをさしても電気が来ていない。あれ?使えないのかな?

コンセントを抜き差ししていたら、イートインコーナーの隣の事務所の扉がバッと開いて、男性が「これ、お店が使う為の電源ですから。そんな事したらあなた、電気泥棒ですからね!」と語気強く言われました。

「えっとぉ。最近イートインコーナーで電源が使えるお店が多いから、こちらも使わせて頂けるかと思いました。っていうか電気来ていないから使ってないし!」という暇もなく店員の男性はまたバッと扉を閉めてしまったので、憤りを感じている私だけが取り残されました。

あーぁ、電源使えるか聞いてからコーヒー買えばよかった。朝から泥棒呼ばわりされるなんて情けないし、気分悪い。

グチグチ言う私に夫は「あれ、意外に繊細なんだねー」ですって。意外じゃない。私はずーっとガラスのハートを抱えて生きてるんです。

とにかく、コンビニには酷い客が押し寄せてきているし、24時間営業で疲れているし、コンビニ本体への上納金は高いしと色々ご苦労もあるから、あぁいう言い方になってしまったのだろうと思う事にしました。

〇沼津御用邸記念公園

そんな巷の薄汚い闘争心からかけ離れた所を観光して、心を浄化する事にしましょう。と向かったのがこちらの観光地。

明治26年、大正天皇(田牛皇太子)のご静養先として造営された沼津御用邸。本邸は増築もされて完成時には100室を超える大邸宅となりましたが、太平洋戦争で全焼しました。

今、内部が見学できるのは西付属邸。明治38年、皇孫殿下(昭和天皇、秩父宮、高松宮)の御用邸として設けられた26室の邸宅です。本邸が消失してからは、こちらの西付属邸が本邸として利用されてきました。

しかし建物の老朽化を含む諸事情から昭和44年に御用邸は廃止され、沼津市に無償貸与されました。翌45年から市民に解放されたそうです。平成5~8年にかけては西付属邸の建物の改修が行われ、今日見た建物は、元の素材やデザインを可能な限り復元したものだそうです。

お部屋は様々な棟に分かれて中廊下でつながった寝殿造りのような感じの建物でした。海側の並びと海側ではない並びに大別されているのですが、海側が天皇家の方の使われる空間、反対側は使用人の使う空間になっていました。天皇家が使う空間にはところどころに絨毯が敷いてあったり、洋風の椅子やテーブル、チェストなどが置かれてはいるものの、基本的には使用人側とあまり違っては見えませんでした。

ヨーロッパですと、例えばヴェルサイユ宮殿など王の居室はまばゆいばかりに装飾されています。そういう影響を受けてか、アジアの宮殿なども華々しくするのが常だと思います。それに対して日本の皇室の質素なこと。力で他の人をのして上に立った権力者として君臨する王と、神として降臨して、民の幸せな生活を望み、国の発展を希求するという立場の天皇家との違いを、しみじみと感じる建物でした。

それで思い出すエピソードがあります。ヨーロッパで出会った日本人男性から聞いた話です。彼は日本の機械メーカーを経営する会社の二代目。親父さんの仕事を拡張してヨーロッパ進出を果たして10年目という事でした。親父さんから、「ヨーロッパに進出しても、人として謙虚に振る舞い、時には率先して掃除などを行って、人々の信頼を得るように」と言われてきたそうです。

しかしね、と彼は言葉を継ぎました。

ヨーロッパで謙虚にしていて、掃除なんかしてたら、誰もついて来ないというのです。自分の意見をしっかり言う。時には反対する者をねじ伏せてでも意見を通す。社長としての貴重な時間を誰でもできる掃除などに費やすのは愚の骨頂。という真逆ともいえるのがヨーロッパの常識だと、彼はこの10年ひしひしと感じて来たと言っていました。

今日見た建物といい、思い出した彼の意見といい、日本とその他の国では物事の考え方が非常に異なっている。そして我々日本人はある程度、日本人としての考え方を無意識のうちに共有している。それがいい場合も良くない場合もありますが、そういう状況に暮らしているんだと、認識しておく事が大切なんだろうなと、思ったわけです。

お屋敷の見学を終えて、お土産ショップで菊の御紋と沼津御用邸の入口にある監視小屋の刺繡が入ったハンカチをお土産に買って、御用邸を後にしました。

御用邸の敷地を出たところが駐車場です。お屋敷はそんなに煌びやかではありませんが、駐車場近辺の松林のある空間が、とてもゆったりとして心安らぐ豪華な雰囲気を作り出していました。自分にとって豪華とは、贅沢とはという事に思いを馳せるきっかけとなり得る場所かもしれませんね。

〇沼津港飲食店街

沼津漁港のお隣にある「沼津みなと新鮮館」は新鮮な魚介類を買えるお店や食べさせてくれるレストランが入った、シーフードショッピングモールだそうです。案内に従って無料の漁港駐車場に車を停めて「沼津みなと新鮮館」に向かうと、なんと「本日定休日」の札が。あららら。

しかし、道をはさんだ向かいが様々なシーフードを扱うお店の集積地帯になっているので、全く問題がありませんでした。

そいういう事情をご存じなのか、観光客がぞくぞくと車でやってきて海鮮ショッピング街には、どんどん人が増えていっていました。沼津のこのエリアがこのような観光地として、平日にもかかわらず賑わっているなんて、全く知りませんでした。

海鮮メニューとしてはよく見る海鮮丼に加えて、干物定食やしらすを使った生シラス丼やシラスのかき揚げ丼などが沼津らしさを出していました。レストランの合間に見かけるのは干物屋さん。

沼津港界隈の干物店は扱う魚の種類が豊富なのに驚きました。アジ、鯖、金目鯛、エボ鯛、カマス、スルメイカ。魚は必ずしも駿河湾で獲れたものではないそうですが、沼津で捌いて干物にしているそうです。今Googleで「干物の聖地」と検索したら沼津だとAIが答えてくれました。そうなのか。

生産量、技術、干物を作るのに適した気候、風など様々な条件から沼津が干物の聖地となっているそうです。熱海から伊豆半島を海沿いにぐるっと周回してきた目から見ても、そう思います。他の地域では真空パックに入って冷凍されている事が多かったんです。しかし沼津に来たら、私が期待している干物の姿。むき出しで店頭に並んで、適度にまだ水分がある一夜干しくらいの生々しさのある干物。これこれ。伊豆に入ってから私が求めていた干物は沼津にあったんですね。

様々なお店を見てまわって、選んだのはマルヤ水産港直営2号店の干物でした。適度に乾いていて、大きくて、値段が安いのが決めて。大きなアジと鯖、それぞれ500円を1枚ずつ買いました。今夜はこれでうふふふふの夕飯です。

ここで私たちが食べようと思っていたのは深海魚バーガー。沼津バーガーというハンバーガー屋さんが出しているメニューの一つです。日本一の深海である駿河湾に面した沼津ならではのバーガーなので、食べておきましょう。

沼津バーガーは有名なアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するという事でファンの人から聖地と呼ばれている場所の一つだそうです。店内にはポスターやフィギュアや様々なグッズが置かれたコーナーがありました。ファンだという若い男性と言葉を交わしましたが、ずっと来てみたかった場所なんですとキラキラした目で言っていました。おおお、ファンってすごいな。

深海魚バーガーは単品で870円とそこそこのお値段だけあって、非常に本格的でした。カリッとフライされた深海魚は身が柔らかく臭みが全くない美味しい白身フライ。これにチーズとキャベツの千切りとサザンアイランドソースが実にバランスよく入っています。これらをはさんでいるバンズが私は気に入りました。スカスカ過ぎず適当に目の詰まったフカフカのバンスは、かなりレベルが高くて美味しかったです。

〇日本人に生まれてよかった。干物の夕飯は感涙もの。

夜は沼津の干物を焼いて炊いたご飯と食べてみました。肉厚の味と鯖は通常のスーパーでは見たことがないサイズのもの。肉厚なのでジューシーさが損なわれず、ジュワッと染みる魚の脂がちょっと焦げた皮と相まって美味しい事。塩加減がとてもいいので、追加の塩分は何一つ必要ではありませんでした。

絶品です。沼津の干物、絶品。さすが干物の聖地です。干物と白いご飯でこんなに恍惚とした気分になれるのは、やはり幼いころから食べなれているからなんでしょうね。日本人に生まれてよかった。あ、大げさですかね。

〇嵐の車中泊に最適な場所ではあるが、、、

今日の停車場は夫が必死になって探してくれた場所です。なぜ必死化というと、ただいま日本には最強レベルの台風10号が九州から上陸して本州を総なめして北海道に抜けようとしているからです。最強レベルかつスピードが遅い台風が抜けるまでは、観光もストップとなるでしょう。そして何よりも屋外での車中泊が大変に厳しい状況となる事が予測できました。

屋外車中泊で我々のスタイルですと、到着してからハッチバックを開けて夕飯の準備をしています。これが雨だとNG。就寝する時と朝起きた時には運転席と後部座席で荷物を移動させています。これが雨だと自分も荷物も濡れて、非常に不愉快です。

という事で、できる事なら晴天を願い、それが無理なら屋根を願っている日々です。

24時間営業のスーパーは屋根付きの駐車場を用意してくれている事があります。そんな時は駐車場で荷物を積み替えたりして停車場に向かうという作戦もあります。

さて、どうしようか?

今回の場合、そもそも停車しようとしていた道の駅があり、その場所の地図を仔細に眺めていたら立体駐車場がある事を発見したのでした。道の駅「富士川楽座」は東名高速道路の富士川サービスエリア(東京方面上り)に施設が作られています。ただし一般道に駐車して、こちらからも人だけは施設にアクセスできる階段があるんです。その一般道側の駐車場に平面駐車場と立体駐車場があるのでした。

これから続く嵐の日々。夜はここを基地として過ごしたらずいぶんと快適になります。いやー、助かりました。立体駐車場にあるトイレは午後7時で施錠されますが、立駐隣のビルの1Fの富士川楽座旅行センター脇に24時間利用可能なトイレがあります。100mは離れていません。サービスエリア内には24時間営業のセブンイレブンがありますが、セブンのある階(2階)までのぼるエレベーターは夜8時でストップします。でも階段がありますから問題はありません。

ちょっと問題だなと思うのは、夜9時くらいを過ぎると改造自動車好きの若者が集まってくる事です。なかなか賑やかに談笑する声と、お仲間が行ったり来たりする際に得意げに鳴らし立てるマフラー音が、人によっては睡眠を妨げられるかもしれません。だいたい深夜0時くらいには皆さん、ご帰宅するようです。

色々ありますが、我々としては嵐の日々を過ごすには十二分に満足な場所です。ここで粛々と台風が過ぎ去るのを待つ予定です。

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