絵本探求ゼミ(ミッキー絵本ゼミ)第一期第5回リフレクション&全講座を終えて
絵本探求ゼミ第一期最終講座第五回(@層雲峡)の振り返り
4月から始まった絵本探求ゼミ第一期は、北海道・層雲峡での第5回リアル講座でフィナーレを迎えた。
、学びの友とのリアル対面は、ひと際協同と学びの感性を高めて締めくくる事ができた。大人になってからの極めて貴重な学び合宿であり、かつ私には思い出深い夏休みともなった。
1日目 交流夕食会 チームの打ち合わせ
2日目 剣淵町・絵本の館にて研修 第五回絵本探求ゼミ講座(リアル会場とZOOMを繋ぐハイブリッド開催)
3日目 黒岳登山・写真ミュージアム見学・ワーケーションなど
この旅仕立ての第5回リアルゼミは、現地での研修やゼミ生間の交流を深めるプログラムが魅力だ。
中でも剣淵町の絵本の館での研修は、大いに有意義なものだった。
半田幸清教育長や西岡館長のお話では、「絵本の町」に至った経緯や現在の事業、これからの展望が熱く語られ、地方に在るわが町を愛するエネルギーに圧倒された。町営の剣淵高校に創設された絵本探求講座の担当の小西さんのお話も興味深かった。絵本を学んでいる生徒は何と全員が男子生徒だったという事実にも驚き、絵本の将来も一層明るく見えた。
隣町の士別市からは、絵本専門士・絵本セラピストの資格を持つ小学校教員・若林みずほさんがわざわざお越し下さり、町の商店街を巻き込んだ絵本活動の取り組みの実際を丁寧にお話しいただき、絵本を市民の潤滑油であり、燃料として、街ぐるみの子育てや交流の場づくりをするなど、感心しきりだった。
その後、絵本の館が所蔵しているお宝の原画の数々を拝見させて頂いたり、絵本の館大賞を決める投票をさせていただいたりと、瞬く間に時間が経ってしまった。
近隣に住む絵本セラピストさんたちが我々に会いに来てくださったのも嬉しかった!
いつも思うが、絵本に関わる人たちのエネルギーは圧倒的だ。大いに刺激をいただくのと同時に、聴いたお話から絵本が持つ底力と変幻自在のツールであることを再認識した。
ラスト講座の内容 ~学びの集大成・チーム発表
この半年間は、以下の各テーマで学びを深めてきた。
第一回目 絵本とは何か❔ 絵とことばの関係。読むということ。
第二回目 絵本の愚法と専門用語 絵本は誰のものか、読者はだれかについての考察
第三回目 子どもの心理発達と絵本 技法が特徴的な絵本解説
第四回目 読書年齢と絵本の関係
私の今までの絵本とのかかわり方・見方をがらりと変えてくれたテーマばかりだった。
今まで学んだこともあるテーマにしても、視座が違い、語り合う仲間が違い、アウトプットを心がけることで、真新しい学びになっていくのが何とも新鮮だった。
春から学んできたことが、今になって日に日に地の底から湧き上がり、合致し、響いてくるから不思議である。
第五回目、最後のテーマは、この半年間で「学んだことを言語化して伝える」集大成としてのチーム発表である。
4チーム各30分ずつのプレゼンタイムは、それぞれに趣向を凝らした内容の濃い発表ばかりで刺激的だった。各チームの個性が出るのも面白い。振り返りだけでなく、未来宣言をお聴き出来たり、また選書した一冊に更なる読み解きの視座をいただくなど、大人の学びのツボと深みのフェスティバルのようだった。
我がチーム3は、1人はお仕事で欠席だったが、6人中3人が現地参加、2人がオンラインの5人体制で。
テーマは、チームメンバーの総力戦!【絵本の技法を盛り込んだオリジナル創作のデジ絵本『ももたろう?』】である。
メンバーそれぞれの強みを生かし、協力し合って、改良に改良を重ねた。チームスレッドで作業をすり合わせながら、要所要所でMTGを持ち、みんなでチェックしていく。発表日の3日前に、やっと絵に声を吹き込んで命が宿った動画が出来上がった。
準備万端!発表も最後まで総力戦で、分担しながら首尾よく発表できたと思っている。
このチーム発表顛末記はnoteを別にして記してあるので、宜しければご覧いただけると嬉しい~です♪ …こちら!
チーム発表として出来上がった成果物は …こちら!
盛り込んだ技法の所在は、この動画で確認ができる。…こちら!
全五回を終えて
最終講座、4つのチーム発表を聴きながらコメントされたミッキー先生の言葉が印象に残っている。
絵本は絵とことばで出来ている。が、
「ことばは文字であり、声である」
ゆえに、「文字なし絵本は、心の声で聞こえる本である。文字を引き出す絵本であり、想像力をかきたてる絵本である」
ミッキー先生の絵本ゼミで伝えたかったことの真意ではないかと思える。
絵本の絵と文字を追って見る、読む、だけでは、「絵本を読む」ことにはならない。簡単にわかるような表面には出てこない作者の伝えたいことや普遍に通じるテーマ、絵に隠された意図を注意深く読み取ることが必要で、そこがまず絵本を読むスタートラインなのだろう。
大切なものは目に見えない・・・
絵本が発するサイレントヴォイスに耳を傾け、それを汲み取り、自分というフィルターを通して絵本を手渡していくこと。
専門用語や技法、絵本の読者はだれか、子供の心理発達を今一度認識することで、「絵本とは」を理論として私の頭の中で整理できたことは、絵本の活動をする上での礎であったと、今、改めて感じている。絵本を手渡す自分と場を家で例えるなら、新築するための地鎮祭と基礎工事が、第一期でやっとできたところなのだと思えている。
ミッキー先生の言葉で、もう一つ印象的だったのは、
「人は波で出来ている。波だから人の心に届く。私たちはモデムとなり、アナログ変換させて届けるのだ」というものだった。
声は波動であり、一番他者に伝わりやすい。前述から言えば、ことば(心の声)も波動である。絵が発するサイレントヴォイスも波動である。私というモデム変換器を通して、これらを統合してアナログで伝え届けるイメージだ。
さすが!KDDIにお勤めだったミッキー先生。“モデム”という表現が面白いが、私も学生時代のアルバイトで、R社の通信事業部で電話回線のモデムを扱う仕事をしていたので、懐かしくもわかりやすい表現で、妙に納得している。
私が朗読指導者として大切にして目指している“声活”にも、得心をいただいた!自分という存在の心技体を介在して届けていく波も、「いつしか大きなうねりとなる」のだ!という応援歌に聴こえた。
4月に宣言した”自分のありたい姿”考
以下の引用は、このゼミを始めた四月当初、私が宣言した目標である。
自己評価すると75点。
②の実践が未だだからだ。この秋にその場で示したい。
①に関しては、前述のとおり。
③は、この絵本ゼミ特有であり、私にとっては大切な学びと経験であった。FAとしてチームメンバーの力を信頼し、それぞれの強みを発揮してもらい、チーム一丸、総力戦で発表を終えられたこと、また現状を常に頭に入れながらチームビルディング、マネジメントに努力できたことは、私の得難い宝ものの経験になった。切磋琢磨しながら愉しく学び、大きな成果物を共に創ったチームメンバーには感謝でいっぱいである💗
絵本は自分の幼い頃の成長とともにあり、子育てにも活用した。だが実質、朗読から入った「絵本」の世界である。私には知らないこと、わからないことだらけで、絵本セラピスト、小樽の絵本児童文学研究センターなど、何年もの間、心して絵本を学んできた。オンライン絵本会で実践を積んだのも大きい経験だ。
このゼミはたった半年間の学びであったにも拘らず、私の中に響いたもの、体感を伴った学びが大変大きかった。今まで感覚だけで漠然と好きな絵本と向き合っていただけだった私に、根拠のある絵本の捉え方、本質への視座をいただいた。
ミッキー先生、ゼミ生の皆さんとの密度の濃い場をいただき、感謝に堪えない。ありがとうございました❣
絵本は接すれば接するほどその魅力と可能性の大きさを実感する。
学んでも学んでも足のつかない底なし沼である。
ゆえに、私の絵本の学びは(ポレポレかも知れないが…)これからも続く。
私の声と絵本の先に在る大人たち、そして子どもたちの笑顔を見たいから。