近況。四月を迎えて。
東京では、ひと雨ごとに桜が散って、少し、少しずつ季節が前へと進んでいる。
つい先日、前職の同期たちと集まって、昼から桜を眺め、夜は終電間近まで居酒屋をはしごした。
人で溢れかえる代々木公園。レジャーシートをひいて、三々午後集まってきた面々と他愛もない話をして、冷たいカフェオレを飲んだりした。
夕暮れの空には何度も飛行機が飛び交って、傾きかけた日が終わりかけの桜を橙色に染めて。
木の上に浮かんでいた半月が、だんだんと白く、色濃くなってゆく。
小さな居酒屋の二階席。ギリギリ八人がけのテーブル席に身を寄せ合って座る。
出会った頃は二十そこそこだったわたしたちも、30代を目前にして、結婚したり、子どもが産まれたり、転職したり。
みんな一歩ずつ、歩みを進めて、人生のステージはそれぞれ変わってゆくけれど。
顔を合わせて語り合えば、いつだってあの日に戻れるような気がした。
終電間際の代々木駅。
名残惜しい気持ちを抱えて、何度も何度も手を振り合って。
みんなそれぞれの人生を歩いてゆく。
この同期たちに出会えたこと、当時の自分の選択を心の底から褒めてあげたい。
春の日差しみたいにあたたかくて居心地のいい、この場所が、どうかどうか末永く続きますように。