見出し画像

個性が無い料理ばかり



僕がどうやって生産者さんや食材と出会うのか。よく聞かれる。

そこには自分の信念を貫く事と同時に、相手を見る力も大切になる。

ほぼ直接やりとりや取引をさせてもらうのだけれど、少し違っている方の話をしよう。

その方はご自身もピンポイントながら素晴らしいお野菜を作られるのでそれを目当てなのだけれど、たまーにその方の繋がりの農家さんの食材も扱わせてもらっていた。

いつもの様に食材をお願いして、初めての生産者さんだったのでいつもと同じ様に、生産者さんの連絡先を教えてくださいと伝えた、(経緯や細かなやり取りは文字だとぐちゃぐちゃになるので省きますが)すると、
渡邊さん!いつも生産者さんの話し聞きたいって言いますけど何の為にしてるのか理解できないんですよね!
何を聞きたいんですか!と言われた。

その方は仮にも農家さんを良くするための仕事をしている方で、ご本人も素晴らしいお野菜を作るし繋げても下さる。ただその人の立ち位置ややり方、その言動が自身のスタンスと解離していて最初からどうも腑に落ちなかった。

その時、やっとこの人化けの皮が剥げたと思えた‼︎

この人は農家さんをよくするのではなく、都合のいいように農家さんや食材を使って自分のポジションを保ちたいだけなんだと。


僕はいつも自分の中の疑問が解決しないと、それがずっと頭の隅に気になっていて前には進めなくなる。
例えそれが希少価値のあるものであっても筋が通らない人や物に対しては一度や二度は受け止めて相手の対応や出方を見るのだけれど、その後も変わらないようなら相手にかまかけたり、くすぐるのか、はたまたストレートに言った方がぶつかりあえるのか。。
それは相手次第で引き出しは変えるけれど、そうやってその人の本性を見てお互いにさらけだして会話をする様に仕向ける。
そうしなければいい関係性は作れないしお客様にもストレートに生産者さんの気持ちを伝えられないからだ。


もちろんその後、その方とは付き合わないし連絡も取らなくなった。


いつもボクがストーリーズでも言ってるでしょ!
いい生産者さんやいい食材を作る人は沢山いるけれど、自分の料理に合う人はまた別問題。

ほとんどの料理人、経営者は横のつながりありきで食材もお客様も全て繋げていくだろう!じゃーどうだろう!そうやって作り上げた料理は個性があるだろうか!

どこどこで修行して独立したと言う店の料理をインスタで見ただけでこのシェフはあの店で働いてたねとわかるレベルのおんなじ料理しか出てこない。

個性を見て欲しくてこの仕事をやっているはずだ!ボクから見たら本末転倒。

個性を創り上げるには、自分で常に念じて念じて思って思って、仕込みしている時も横になってテレビ見ている時も1人でその食材や出会いに想いを馳せるんだ!
そうやって出会うからこそ自分の表現する料理になるし、その先のお客様にも生産者さんの思いが伝わる。

美味しい料理を作るのは簡単だけれど、
想いのある、伝わる料理は他人ありきでは表現出来ない!

料理人たちよ、右へならえ精神は捨てて
己の料理を表現する旅に出かけよう!

追記※
つい先日もおそらく僕の投稿なりを見て、某大手飲食グループがとある食材のところに問い合わせたらしい、うちは飲食の太いパイプを持っているだの上から目線的に感じて、もちろん断りましたと生産者さんは言っていた。。


#takamasa  
#渡邊将史  
#飲食店の社会的地位の向上が最大の目的理由      
#食は心を育てる物礼節の学び場          
#今のままでは日本の食文化やレストラン料理人が育たない        
#オーナーもお客様もルールの上に成り立つ      
#お山の大将を無くし      
#料理人の前に人としての当たり前をしなければ変えられない       



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?