旬は時に人間の欲でしか無い
お肉の旬っていつだろう
ジビエは冬でしょ!という方もいるが
自然環境の中で育つ動植物に旬などない、
まして人間の都合で増えてしまって駆除対象とはいえ、そこに命があり、それを人間のわがままで頂くなら、難しい時期でも活かしてこその旬になると思う。
僕の考えは例えジビエであっても、真空にした時点でそのお肉は死んでしまうしジビエでもなくなるイメージ
骨つき、枝で管理するからこそお肉は調理する直前まで生きていて日々変化する。だから難しいけどその時の個体との出会いとして食べて感じて貰いたい
この写真の個体は冬を過ごす為に蓄えた脂とそれにより肉に入り込む香りと旨味がのっている時期である。
それに対してまさに今の時期の個体は出産に向けて子供に栄養を与える為に身に栄養や旨味がいきにくく脂も減り筋も筋張っていて噛み切れない。
お客様にとっては美味しい料理が一番だろうし、料理人にとっても真空パックの鹿肉の方が火入れも断然簡単である。
もちろん僕にもこの時期の個体が好きだ、味が一番のっている、自信のある個体や時期はある。
でも今後更に、プロの料理人がこの時期の個体しか使わないとか、この時期が良いから他の時期のは外道だの言っていたらどうなるだろう…
おそらくそれを拘りだと言う人も多いだろうし、そう自信を持って言う料理人も多いはずだ。。
僕は否定的だ‼︎
今がよければ良いで仕事をしているなら、それはどんな仕事であってもプロではないと思う。
プロの料理人ならばこそ、生態系を意識しつつ、難しい時期の食材や不揃いな物、そこにチャレンジしていかなければ今後の生態系の崩壊は更に加速していくのは間違いないし、子や孫への今後の食文化に与える影響が大きい。
だからこそお客様に提供する時には、今の鹿肉はこう言う時期の個体でどのハンターさんが仕留めてくれて難しい個体ですと言う。
もちろんピークでは無いけれどそれも一つ一つの命の出会いとして食べて貰いたいから、
ただ、あくまで言い訳のアイテムではなく、美味しいところまでは持っていかなければならない
出会いも一つの楽しさであり美味しさに繋がるはず。それが外食文化。
#takamasa
#食は心を育てるもの
#礼節の学び場
#今のままでは日本の食文化レストラン料理人が育たない