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IT業界MGRが語る「副業OK」の本当ところ


はじめに

「副業禁止って会社引くわー」と20代前半らしき若者が喫茶店で話している。
お前ら小一時間話詰めてやりたいわ!と思いながら、隣の席でMacをパチパチしながらアイスコーヒーを啜っている。

まず「副業OK」な雰囲気が世の中に生まれたのは、厚生労働省が2017年提示した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発端ではあるのだが、その流れとは関係なく、特にIT系、とりわけWeb系の会社では高い離職率が慢性的な問題だった(今もそうだろうが)。

エース級の優秀な人材の流出が問題で、そういう人ほど現職でやれることに限界を感じ(勘違いも含む)自分のやりたいことができる(勘違いも含む)会社に転職したい欲求が止まらなくなる。(自分も新卒で入ったベンチャーを3年で辞めているのでその気持ちはわかる)

IT系とりわけWeb系とりわけ中小規模な会社にとって「副業OK」というルールは「やりたいこと副業でやってもOKよ!だからウチ辞めるなんて言わないでね!ね、ね、ね〜!」という完全に「引き止め&退職率低下施策」なのである。
見方を変えれば「会社の成長速度VS優秀人材の成長速度」の戦いに会社側が負けているということでもある。

副業やる!の動機は2種類

副業をやりたい人の動機は主に以下の2種類。

  1. インカム先を増やして手取りを増やす

  2. 自分の経験、知見を広げる本業ではできないチャレンジをする

※他に「プロボノ活動」もありますが、ボランティア(無給)なので省略。

「1.」は、個人の性質・能力がマルチジョブに向いている(そういう人は少ない)という自己分析結果ならいいんですが、学生の「金欲しい→バイト掛け持ちしよう→めっさしんどい→でも金欲しい」という考え方と大して変わらないケースが圧倒的に多い。

「2.」で、副業での体験が、結果本業の肥やしになる!という尊い考え方で勤しんでいる人は、いるにはいるんですが、圧倒的に少ない。

真っ当な会社なら副業は「許可制」

多くの企業が「副業OK」と求人票に表記しているが、ちゃんとしている会社ほどハードル高めの「許可制」である。

ちゃんとした会社は、副業の業務内容に利益相反がないか、過度な労働時間で本業に支障がでないか?など、上司や管理部門がしっかり吟味する。
個人の業務成績も加味され「は?達成率低すぎんのに副業やるとか何言ってんの?ちゃんと結果出してからにしてよ。却下だよ、却下。」というケースも。

バイトなら複数かけ持って頑張って〜でいいんですけど、ちゃんと就職した会社ならまずはその会社で一人前になることが最優先じゃないかと。

一社で充分なギャラを得ることはキャリア形成としても大事

当然転職してもいいんですが、自ら選んだ環境で一人前になることがやっぱり大事だとおもう。

ちゃんとした一人前になれば仕事も面白くなるだろうし、ギャラも上がってくるはず「給与安い」は、一人前でないか、選ぶ会社間違ってかのどちらか。

20代前半なら副業とかやってる前に、一社でまともなギャラもらえるように研鑽する方がいいと思うんですけどね。もしくは全身全霊で打ち込める一社を2回以内の転職でツモって欲しい。

結果としてマルチキャリアな状態になるかもですが、何処かでフルコミットし、プロフェッショナルに研鑽された経歴をもった人は、仕事人として強いと感じる。

メンバー型雇用の終焉、ジョブ型雇用の台頭

もっと言えば、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、もうメンバー型の終身雇用性から、ジョブ型に日本も移行するんで、ぶら下がりで給料もらえない時代になるから、副業でもして頑張って生き延びてね、という国の役人からのメッセージに聞こえてならない。

業界や業種が違うと目線や意見も変わってくるんでしょうが、こちとら生まれた時からジョブ型のWeb業界だわてやんでぇ!ですので、このような印象を持っております。

様々な業界、立場の方の「副業OK」に関する本音を聞いてみたいですね。

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