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ゼブラフィッシュの研究が小児がんの秘密を解明する

イノカチームでは、定期的に海外の魚にまつわる論文、研究に関して調査しております。

本日のテーマは

「魚の研究が人の医療の役に立つ」

というものです。

さて、本日の論文はこちら。

要点をまとめると

ゼブラフィッシュは、人間の小児がんの起源となる神経堤細胞というものを持っているのだが、

遺伝子操作技術により、蛍光色に光る神経堤細胞を持つゼブラフィッシュを生み出すことができた

というものです。

「????」となっている方も多いかもしれませんね。笑

僕も専門ではないので、間違いがあるかもしれませんが、一個ずつ詳しく説明していこうと思います。

神経堤細胞とは?

神経堤細胞とは、胚発生において生じる脊椎動物特有の構造です。

胚発生とは簡単にいうと、受精卵が分裂を繰り返し生物の形へと向かう過程のことです。

つまり、この神経堤細胞が分裂を繰り返すことで、脊椎動物の様々な部位をつくりあげていくのです。

この細胞は、脊椎動物にとってもちろん重要な細胞なのですが、時に悪さをします。

神経堤細胞が悪性化すると、神経芽腫という小児がんの一種である病気を発症させるのです。

この神経堤細胞がどのように悪性化し、小児がんを引き起こすかは、明らかになっておりません。

しかし、SOX10タンパク質というものがこの小児がんの治療に繋がるかもしれない、ということが、現在の最先端の研究からわかっています。

そのメカニズムはいまだに明らかになってはいませんが、このSOX10タンパク質が存在していると、神経堤細胞の分裂をコントロールすることができるのです。

神経堤細胞を光らせ、小児がんの原因を紐解いていく。

さて、この研究のキモなのですが、実はゼブラフィッシュは人と非常によく似た神経堤細胞を持っています。

本研究では、遺伝子操作技術により、神経堤細胞が蛍光色に光るゼブラフィッシュを生み出すことができたのです。

「細胞が光って何がいいの?」という疑問があるかもしれませんが、
細胞を光らせることにより、神経堤細胞の動きを見ることが可能になります。

この研究により、
SOX10タンパク質がどのように神経堤細胞の分裂と関わっていくか
が明らかになっていくだろうと、研究者は語っております。

魚の研究が人の命を救う

一般に魚の研究というと、漁業のためであったり、サンゴ礁保全のためであったり、自然保護のための研究が大多数である印象だと思うのですが、

今回の研究のように、人の医学に役立てるために研究されている事例もたくさんあるのです。

この研究でも活用されている、2008年にノーベル賞を受賞した、

蛍光タンパク質の発見もクラゲの研究から生まれています。

この世の生き物には、まだまだわかっていないことが非常に多いです。

サンゴ一つにとっても、

なぜ蛍光タンパク質をもっているのか?

サンゴの産卵に必要な条件はなにか?

などなど、たくさんわかっていないことがあります。

そうした生き物の秘密から、

今まで思いもよらなかった発見が生まれる可能性があるのです。

水生生物の研究の促進は、人がさらに進化し、幸せになっていくためには欠かせない、
と考えています。

研究者の、そしてその先にある人の生命や生活の助けになるようなことをしたい。
そう思いながら、イノカチームでは今日も開発を進めています。

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