水生生物マニアにインタビュー Vol.4 〜 サメ飼育のアクアリスト〜
初めまして。イノカの南部です!
今回は自宅でサメの飼育をされているという、もろぬきさん
(Twitter)にインタビューしてみたいと思います。
サメの飼育をされているとのことですが、水槽のサイズはどれくらいの大きさなんでしょうか?
− 横幅84cmのサイドフロー付きアクリル水槽で飼育しています。またサイドフローですが、こちらは自作の物でパイプ径5cmの配管を使っています。
将来的には縦横1.5mの大型水槽で飼育下でのサメの産卵から孵化までの一連の繁殖を成し遂げたいと思っています。年内には中古で大型水槽を設置する計画です!
とても大きな目標ですね。そんなもろぬきさんのアクアリウム歴はどれくらいなんでしょうか?
− 爬虫類や淡水魚の飼育歴も含めれば15年ほどになります。キャンプで釣って来た魚の飼育に挑戦してみたり。長期飼育はできませんでしたが(笑)
サメの飼育は中学の3年間に一時期飼育していましたがそれ以降はやっておらず、大学院生になって再開しました。
なので実際アクアリウムでサメを飼育していた期間で言えば4~5年といったところでしょうか。
生き物に対する情熱が伝わってきますね!そんなもろぬきさんにとってのサメの魅力とは何ですか?
−ひとことで言えば体の機能美ですね。特にヒレの形が泳ぎに洗練されていながら美しいところに魅力を感じます!
見た目はカッコよくて気性が激しいこともあるサメですが、飼っているうちにだんだん可愛げを感じるようにもなりますよ。
上のお写真のようにサメを前から見るとなんかお餅みたいで確かに可愛いですね(笑)ちょっと飼ってみたくなりました。では、いよいよそんなサメ好きのもろぬきさんにサメ飼育のノウハウについてお聞きしたいと思います!サメの購入ルートや水質管理、餌の選び方などよろしければ!
①どこのお店で生体を買われていますか?
− サメ専門店はないので普段は神奈川県のカジカリーフや大阪のエギゾチックアフリカなどのアクアショップ、特殊な場合だとボラボラさんに取り寄せていただいて購入することもありますね。
②水質管理はどのようにされていますか?
− サメを飼育する上で気をつけているのは、できるだけ栄養塩が少ない綺麗な水質をキープすることです。
栄養塩、特に硝酸塩が高くなってしまうと水槽中に苔が発生してしまい景観が悪くなってしまいます。サメはアクアショップでよく売られている海水魚よりも巨体な分、大食いで水を汚しやすいですから。私の水槽の場合だと、だいたい硝酸塩濃度を5ppm以下に保てるように管理しています。
これまで硝酸塩を除去するには水換えを行うのが主流でしたが、最近では硝酸塩を窒素に分解してくれる「嫌気性バクテリア」を水槽内に発生させることによって、換水量と飼育者の労力を減らせる商品も多く出回っています。
私はZooXのバイオメディアMサイズとLサイズを混ぜて使い、硝酸塩濃度を低く保っています。普段通っているお店が事前にバクテリアを定着させた状態で売ってくれるので、とても助かっていますね。
③餌選び、餌付けの方法とは?
- 餌選びですが、ネットの情報だけでなく水族館の書庫に保管してあるサメの研究資料などを参考にしています。
市場で出回っている飼育用サメはほとんどが天然物なので、餌付けをすることが困難な場合が多いです。幼魚の場合だとイサザアミやクリル、ヨコエビを与えるのですが、やはり幼魚は成魚よりも神経質で、サメの性格によってはピンセットの動きに警戒心を示してしまうなどかなり餌付けに苦労することもあります。
大変貴重な経験談を伺うことができました。本日はありがとうございました!では、最後に!もろぬきさんにとって水生生物(もしくはサメ)とはズバリ、何でしょう?
− ひとことで言うなら、「自分を見つめ直せるもの」ですね!私は中学時代からアクアリウムをやっていましたが、10年ほどブランクがあって今があります。
そして大学院生になって改めて自分がサメが好きだということに気付きました。
ある意味自分の気持ちと向き合える存在だったということですね。
乱獲や環境変化の影響で自然界でのサメの個体数が年々減少しているという事実に胸が痛みます。イノカさんには今後とも海の生態系を守ってもらえたらと思っています!
この度はお忙しい中、対談の機会をいただき誠にありがとうございました。
最後に
いかがだったでしょうか。
サメの餌付け方法を知るために水族館の研究資料まで読み込むとは!只者ではない、並々ならぬ熱意を感じますよね!(笑)いつかもろぬきさんの家の水槽でサメの世紀の大発見が生まれるかも!?
そんなもろぬきさんにも負けないぐらいの熱意でこれからもイノカは海を守る様々な取り組みを続けていきたいと思います!
ではまた次回の記事をお楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございました。