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座間味島のサンゴ礁は、半分死んで半分生きていた

先日、沖縄は座間味島に行ってきました。

そこで自然のサンゴを見て触れて思ったことを、今回はつらつらと書いていきたいと思います。

座間味島とは?

沖縄本島から少し西に浮かぶ島です。沖縄本島からは高速船で50分、フェリーで2時間かかります。

思ったより、交通のアクセスは良いのですが、今回はこのフェリー移動に悩まされました。

原因は

・満船
・台風

です。

本来僕たちが予約していた日に、沖縄の南に台風が来ていたのですが、そのうねりのせいでフェリーが欠航になってしまいました。

次の日のフェリーで行こうとしても、午前の便は満船・・・

キャンセル待ちをしてなんとか乗れました。(1時間くらい前から並んでいました。)

離島に行く際は、時間に余裕をもって行動されることをおすすめします・・

さて、やっとの思いで到着した座間味島。つづいて、座間味島の美しい海について紹介していきます。

世界が恋する海

座間味島といえば、なんと言っても綺麗な海。

湿地保護を目的とした国際条約、ラムサール条約の登録地で、本当に綺麗なサンゴ礁が見られます。

今回、僕はわやまもずくさん

というシュノーケルショップの方にツアーに連れていってもらいました。

このツアーでは、船に乗って移動しながら、3つのスポットでシュノーケリングを行います。

二つは内海(外洋に接していない海)で、一つは外海でした。

広がる白化現象のリアル

まず訪れたのは内海のシュノーケルスポット。

実は内海に関しては、サンゴ礁が綺麗だという感動はあまりなく、むしろ白化現象の深刻さを痛感してしまいました。

スギノキミドリイシだと思うのですが、かなりの部分で白化現象の被害が広がっていました。

理由としては、浅瀬にサンゴが生息しているため、太陽光の影響が強く、また内海は海水の循環が少ないため、海水温が高くなってしまっているからではないかと考えています。

余談ではありますが、ウミガメも見ました。

目の前に広がる自然の宝石

今回の訪問では、美しいサンゴ礁を見ることが大きな目的の一つでもあったため、

一日目に回った内海で、白化現象のあまりの深刻さを目の当たりにしてしまい、
「こんなに白化現象が進んでいるのか・・」と、正直かなりテンションが下がってしまっていました。

そんな中、二日目は、外海に接した座間味島の裏側に訪れました。

ここも、きっと白化現象が広がってしまっているのだろう・・・と思いながら海の中を覗いた瞬間、

そこで、完全に負の感情は消えました。

外海に面していて、冷たい海水が常に流れてくるからなのか、そこには本当に美しいサンゴ礁が広がっていました。

お店では見たこともないような美しいミドリイシ。それぞれの個体も非常に美しく、本当に幸せな景色でした。

場所が違うだけで、こんなにもサンゴが生き生きとするのだなあと、環境の大切さを痛感した瞬間です。

自宅でのアクアリウムと目の前のサンゴ礁は、当たり前ですが程遠いものでした。

そして大事なことは、まだまだ、地球には美しい自然が残されているということ。

いくら映像や文章で知っていても、それを目の前で肌で感じられたことは、自分にとってとても大きかったと思います。。

本当の海をほとんどのアクアリストは知らない

一日目には、白化してしまったサンゴ礁を実際に見て、とてもショックを受けました。

一方で、二日目には、白化現象なんて全く関係ないかのように、美しく輝いていたサンゴ礁も見ることができました。

あらためて、自分の無知さを痛感しましたね。普段からサンゴとこれだけ向き合っているはずなのに、ありのままの自然のことは全然知らないんだなと。

ニュース映像などで見るのではなく、生のサンゴ、リアルの海を見ると、白化現象に対して深く理解できます。思ったよりも深刻な場所もありますし、それほど被害が進んでいない場所もある。

普段自分が飼っている魚やサンゴが、自然でこんな綺麗な姿になるのか!自宅の水槽なんて本当にちっぽけなものだなあと思う一方で、

逆に言えば、アクアリウムはまだまだ綺麗になれるんだ!と、無限の可能性もを感じました。

サンゴに携わる人間として、自分自身もっと適切な情報を得たい。
そして、もっと多くのアクアリストたちに、本当の海の姿を感じてほしい。

この二日間を通して一番に感じたことは、
もっと「アクアリストと自然を近づけたい。」ということです。

テクノロジーがアクアリストと自然を近づける

とはいえ、もっとありのままの自然の姿を知るために、定期的に世界中の海を見て回る、というようなことは難しいと思います。

しかし、いまは、私たちにはテクノロジーがあります

このテクノロジーをつかえば、サンゴを飼う人が、自然のサンゴ礁をもっと身近に感じられるようにできるはずです。

例えば、自分の水槽で育ったサンゴを白化現象が進む海に移植し、水中ドローンが撮った映像をストリーミング配信すれば、常に自分が移植したサンゴの成長が見られます。

遠くの海のサンゴ礁で、自分が育てたサンゴが成長している。それをリアルタイムで見られるのです。

アクアリウム業界はマーケットが小さいので、最新の技術が入りづらいのですが、少しずつ新たなマーケットを築いていくことで最新技術を導入していきたいと考えています。

たとえばアートアクアリウムは、各「あんなのはアクアリウムじゃない」という批判の声が業界からも聞かれますが、今まで水槽に全く興味のなかった人たちが行列をなして見に来ているのは事実です。

アクアリウム業界に、確かに新しいマーケット・需要を作っているのです。
どんな入り口であれ、アクアリウム人口が増えることは、業界にとってとても意味のあることではないでしょうか。

そうすれば、マーケットが拡大し、最新技術が導入されていったり、他の業界との協業も進んでいくはず。

アクアリストがもっとアクアリウムを好きになれる、そしてその先にある自然環境にもっと興味を持てるような仕組みに繋がっていくはずです。

アクアリウムが世界中の海をつなげていく

アクアリストが、自宅の水槽を綺麗にするだけではなく、自然にもっともっと関心をもって目を向け、自然環境への思いを海にぶつけていくことで、

みんなで一つの海を綺麗にしよう、というプロジェクトがあってもいいのかもしれません。

アクアリウムが自宅内で完結するのではなく、きちんと自然とつながり、アクアリストが自然と共に生きられるようになる。

人は生きる上で、絶対環境と向き合っていかなければいけません。

その環境を見つめる人がもっと増えることが、地球を守って行く上で重要だと思うのですが、日常生活、特に都会の中でその意識を持つことはとても難しいと思っています。

僕たちは、アクアリストという「地球」「環境」にとても近いコミュニティの魅力を最大化して、アクアリウムに興味を持つ人を増やすことで、最終的に世界中の人をもっと自然に近づけていきたいです。


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