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イノアク歴代ファイナリストインタビュー① 五十嵐さん×くもさんこうさん

インタビュー (8/22実施のインスタライブ)
第1回グランプリ  五十嵐 琢人さん
第2回ファイナリスト くもさんこうさん
インタビュアー イノアク運営事務局 國廣

※本記事は、8/22(木)に実施されたライブ配信のアーカイブです。

國廣:
今回は第3回イノアクの開催決定&エントリー募集開始記念として、ライブ配信を行うことになりました。
「イノアクってどんなイベント?」「ファイナリストって何するの?」など、様々な疑問を解消しつつ、イノアク自体の魅力をお伝えできればと思います。

それでは早速、本日のゲストを紹介します。第1回イノアク ファイナリスト(グランプリ)の 五十嵐 琢人さん、第2回イノアク ファイナリストのくもさんこうさんです。よろしくお願いします。

五十嵐さん・くもさんこうさん:
よろしくお願いします!

第1回イノアクで出会った二人


國廣:
それでは早速ですが、自己紹介をお願いします。

五十嵐さん:
第1回イノアクでファイナリストをやらせていただいた五十嵐です。僕が自宅でやっているのは”海ビオトープ”です。

五十嵐さんの自宅の海ビオトープ

石垣島に行った時に「この環境すごくいいなあ、家にあったら最高だなあ」と思って作っちゃった人です(笑)よろしくお願いします。

くもさんこうさん:
第2回のファイナリストで、サメの飼育について発表させていただきました。くもさんこうです。かれこれ長いことサメだけを飼ってきた者でして、家で1500リットル水槽でサメを飼っています。今日はイノアクについて知ってもらえる機会になったらいいなと思っております。よろしくお願いします。

くもさんこうさんの自宅のサメ水槽

國廣:
そんな二人が参加してくれた「INNOVATE AQUARIUM FESTIVAL(通称:イノアク)」というイベントは、名前の通り”アクアリウムでイノベーションを起こしていこう!”というイベントです。アクアリウムをこれまでと違った視点で捉え、飼育者の技術や知見に注目しているのが特徴です。

そして「ファイナリスト」というのは、イノアクの中の「AWARD」というプログラムで沢山の応募の中から選ばれたアクアリスト達のことです!ファイナリストはイベント当日に参加者の前で、好きな生き物やアイデアについてプレゼンしてもらっています。

まずは、ぜひお二人が応募した経緯について聞かせてください。

くもさんこうさん:
僕は自宅でサメを飼育しているわけですが、サメの飼い方ってまだ全然知られていないんです。論文なんかはネットで公開されていますが、英語のものばかり。せっかくなので日本語でも出していきたいし、家庭でのサメの終生飼育(その生き物の命の終わりまで適切に飼育をすること)を僕が切り開いていきたいと思っているんです。イノアクという機会を通して、それを広めていきたくて応募してみました。

水槽内でのびのびと暮らすサメたち

自分は第1回にも応募したんですが、途中で落選してしまって…2回目の挑戦でファイナリストに選んでいただきました。

國廣:
私自身も、くもさんこうさんに出会うまで、サメは家で飼えるものではないと思っていました。飼育ができる!となると、憧れを持つ人はたくさんいるんじゃないでしょうか。

くもさんこうさん:
SNSのDMを中心に、相談は結構されます。「最初に何を買ったらいいですか」といった質問から、「これってこういう病気だと思うんですけど…」みたいなサメ飼育者からの質問もありますね。
なかなかその全てに答えるのは難しいですが、その最初のステップとして、ホームセンターのカインズさんで記事を出しています。

國廣:
SNSでも、くもさんこうさんをお手本にしているであろう水槽を時々見かけます!サメの適切な飼育がもっと普及したらとても素敵ですね。

五十嵐さんはどういった経緯で応募されたんですか?

五十嵐さん:
僕は最初はそんな熱意をもって応募したわけじゃありませんでした(笑) 
SNSのDMで「応募してみませんか」って誘われて…急だったのでちょっと怪しいなと思ったんですけど、会社(イノカ)のHPをサラッと見て「とりあえず出してみるか」といった感じで応募しました。

アクアリウムはこれまでもやっていましたが、コンテストみたいなものに応募するのは初めてでした。そこからはトントン進みましたね…

國廣:
応募の入り口もそれぞれ違いますね。
そして審査に通過するとオンライン面談に進んでいただくわけですが、その時のことを教えてください。

五十嵐さん:
面談の時期がちょうどすごく忙しくて、平日の仕事中に工事現場の車の中から出ました(笑)第1回の時はこれを聞く、というのを事前に言われていたので、どう答えるかくらいの準備はしていました。

くもさんこうさん:
僕は2回目の応募で審査員の増田さんとも面識があったので、最初はラフな感じて…途中からは「どうサメ飼育を広めるのか」とか「1億円あったらどうする」みたいな、考えさせられるような質問もありました。


國廣:

面談を無事通過したお二人は、最終的にファイナリストとして沢山の観客の前でプレゼンテーションをしてくださったわけですが…実際に挑戦してみてどうでしたか?

五十嵐さん:
ああいう場で発表するってなかなかない経験で、自分なりに達成感はありました。あとは仲間ができたのがすごくよかったです。初代ファイナリストの中にも以前からTwitterで繋がっていた人はいましたが、対面でアクアリウムについて深く話せるのは新鮮でした。

これまでは人に「水槽やってるんすよ」って言っても「へー、グッピー?え、家にニモいるの?」みたいな…あまりそれ以上広がることもありませんでした。

國廣:
全員違ったジャンルの環境や生き物を飼育しているのも面白いですよね。海ビオトープについて、ぜひもう少し詳しく教えてください!

五十嵐さん:
きっかけは石垣島でマングローブを見て、この環境を家に作りたい!と思ったことでした。最初は90cm水槽でやっていたんですが、まあ水槽におさまらない。どうせなら広いところでやりたいし、屋内で生態系ごと再現しようと考えました。

もともとメンテナンスが自分の性に合わなくて。どうしたらメンテナンスフリーにできるか水槽内で仮説を立てて検証をしていって、ある程度イメージができたところで本格的につくりはじめました。

國廣:
メンテナンスでやることやその間隔も様々かと思いますが…現状どのくらいメンテナンスを削減することができるようになったんですか?

五十嵐さん:
掃除も水換えもしていません。1〜2週間に1回塩は足しています。

國廣:
塩ですか?

五十嵐さん:
何が原因かまだはっきりはしてないんですが、海水が蒸発だけじゃなく塩ごと抜けていくんです。植物が吸ったり、どこかから毛細管現象的にどこかから抜けているんじゃないかとは考えています。

それと、気分が乗った時に(笑)餌をドーンとあげてます。魚の健康チェックを毎日することもしていません。魚はあくまで生態系の一要員なので。

國廣:
魚は生態系の要員…そう捉えられているのはすごく面白いですね。

くもさんこうさん:
第1回の会場で五十嵐さんのプレゼンをみた時に「この人知ってる!!うわあ!これやりたい!」って思いました。SNSで見ているだけでは海ビオトープがどうなっているかわからなかったので、そのシステムを全部知ることができたのは最高でした。

サメ飼育は隅から隅まで気を配って、サメの健康チェックも毎日しないといけない。メンテナンスフリーの生態系再現は僕のアクアリウムとは正反対、いつか実現したい憧れのことだったので「この人からは色々知りたい!」と思ってグイグイ話しかけました。

第2回イノアクの会場でも「サメの人ですよね」ってグイグイきてくれる人が結構いて「ノウハウいっぱい喋ったろ」みたいな、繋がれるのはすごくいいなと思いました。

國廣:
実際のところ、サメ飼育は何が難しいんですか?

くもさんこうさん:
とにかくわからないことが多いんです。専用の餌が売っているわけではないので、(餌に限らず)仮説を立ててやらなきゃいけないのが難しいところです。あとは設備が大きくなりやすいので、同じ空間で人間の生活の豊かさも保ちながらサメを飼育するには、まだ人間側が追いついていない分課題は多いですね。

サメのために何時間もかけて餌の準備をしている

國廣:
課題はありつつも、それを補ってあまりある魅力があるということですよね。

くもさんこうさん:
はい、もちろん!なんといっても可愛い、たまらないです。イノアクではこの魅力をたくさん語らせてもらいました。

サメの可愛さを語るくもさんこうさん。あまりの熱意に会場から笑いが起こることも。

自分は”サメだけ!”を見てきた人間なので、プレゼンをつくるのに大変なこともありました。サメの基礎研究もまだ進んでいない中で、社会課題への応用を考えるのは非常に難しかったです。

イノカの方々が色々と質問してくれたり枝葉を広げてくれたりと、しっかりサポートしてくれました。結局最後は「サメの研究をもっと進めていきたい!」といい感じにまとまって、当日の朝3時くらいまで頑張っていました(笑)

五十嵐さん:
自分はプレゼンも初めてだったし、準備期間も比較的タイトでした。けれどそのスケジュールでもできるように、イノカが何回もサポートに入ってくれました。当日ファイナリストもみんなドキドキしてはいましたが、楽しかったです。

第1回イノアクでプレゼンをする五十嵐さん

國廣:
そして前回から新しい試み…応募してくださった全員を招待してアクアリスト交流会を実施しました!ファイナリストだけでなく、参加者全員がポスターを準備してくれました。運営でもフォーマットを準備して、希望者は自分で一から作れる形にしました。


会場にずらりと並ぶポスター。生き物への愛や飼育方法の工夫を学べる。

くもさんこうさん:
僕は自分で作りました!

五十嵐さん:
僕はイノカのフォーマットを使いましたが、なぜか縦の写真を使ってしまいました…

二人のポスターは現在オフィスで展示されている

國廣:
アクアリウムのイベントなので、水槽があるのをイメージする方も多いかもしれません。ですが当日は飼育者だけが集められて(笑)、このこだわりが詰まったポスターを活用しながら交流していただきました。

くもさんこうさん:
SNSで絡んだことのある人たちとたくさん話せました。高校生がわーっときてくれたり…フランクにきてくれたのがよかったです。

五十嵐さん:
後日イノアクに参加してた人がTwitterのスペースをやっていたので参加したら「五十嵐さんだ!」みたいになって、イベントの後にも交流しました。

國廣:
楽しんでもらえて嬉しいです。
お二人と話せたアクアリストの方達も、きっと喜んでくれたと思います!!

では最後に、イノアクへの参加を迷ってる方へのコメントと、ファイナリストを目指される方に激励のコメントをお願いいたします。

くもさんこうさん:
イノアクへの参加が初めてのアクアリストの方、それからこれから飼育の世界に飛び込みたい人へ!実物を目で見ることはもちろん大切ですが、飼育者と交流して得られることは山ほどあります。ぜひ参加してみてくださいね!

そしてファイナリストを目指そうとしてる方へ。その中にはサメで挑戦してやろうと思っているチャレンジャーへ!
いつの間にか自分では当たり前だと思っていたことが、実はとんでもない!みたいなことも全然あり得ます。まずは自分の知識ややってきたことをぶつけてみてください。楽しみにしています。

五十嵐さん:
面白い人たちが集まってる場なので、「こういう変態がいるんだな…」と言うのを見てもらえたらいいなと思います。場の空気感を味わうだけでも楽しいし、隣の人たちが話しているのに聞き耳を立てるだけでも面白いことがたくさん聞けます。

ここからは少しくもさんこうさんと被ってしまいますが、ファイナリスト目指している人は、自分が熱を持っていること独自性を出してほしいなと思います。熱と言わずとも、集中してやってることを教えてくれるといいんじゃないかな。僕もそうだったんですが、「自分にはそんな、何もないよ」って思っている人でも「温室作っちゃって…」「え!?」みたいなことってあります。面白いことは引き出してくれるし、サポートもしてくれる。ぜひ応募してみてください。


第3回イノアクは12月14・15日開催!
ご見学やAWARDへの挑戦にご興味のある方は事前登録へお進みください。



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